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ベンガラ色した窓のそと

熱気と湿気で身体がひん曲がるのではないかと思うほど、今年の夏も暑かった。10月に入り、昨日まで半袖だったのに、今日はしとしと小雨が降っている。車が水溜まりのできた裏通りをシャーッと走る音が何度も聞こえてくる。

冷房をつけなくても生きていられる。ホットコーヒーもホットミルクも美味しい。今度の日曜どこ行こう、という気分になる。ほしかったのはこんな気温と時間だ。

引っ越してきたこの家で一番好きな場所は台所だ。洗い物をしながら窓を開けると、お隣さんとそのお隣さんの屋根がコンニチハ。ひとつは瓦で、もうひとつはトタン屋根。朱色というより両方ともベンガラ色をしている。最近ようやくお庭の木が黄葉してきた。

先日、箱根の温泉に行ってきた。山道を40分歩いたが、山の紅葉は見られなかった。この猛暑、亜熱帯、日本。秋から赤色がなくなってしまうとすれば寂しい。だから台所から眺めるベンガラ色がほっとして可愛くてうれしい。

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