筆を折った話
数年前、私は一度、ライターとして筆を折り、noteやブログも書かなくなっていた。
当時、私はあるサイトで、本名名義で不定期にドラマ批評を書いていた。必死に書いていたけれど、書いてはヤフーコメントで批判された。この人はこの程度でいくらもらっているのかとか、くだらないコメントも溢れていた。原稿が掲載されると嬉しいのだが、それと同時に批判されるという恐怖もつきまとっていた。今思うと、批判されるくらいに当たり前のことなのだが、当時は眠れないくらい怖かった。本名名義というのも私の恐怖をあおっていた。私の本名は特に珍しくはないのだが、同姓同名に出会ったことはない。なので、私個人と結びつけるのはたやすいだろう。
これからは、文章を書く人間として、責任を負っていかないといけないという矜持も私を苦しめた。思うに当時の私は、情けないことに、文章を書く人間としての覚悟も足りなかったんだろう。あれだけ文章を書く仕事をしたいと思っていたのに、覚悟が致命的に足りなかった。
ライターとしての、せっかくの機会を棒に振ってしまった。今振り返ると、本当にもったいないことをしたと思うが、とても続けられなかった。
今は、そのときのことを反省して、少しずつ仕事の幅を広げようとしている。
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