アルコールが全てを解決する
3人の候補者で選挙をしよう。
第1の候補者は高血圧で、貧血があり、ポリオによる下肢麻痺を抱えている。加えて愛人がいて愛煙家そしてマティーニが大好き。
第2の候補者は肥満体で、鬱病で心臓発作を繰り返している。葉巻を吸いまくり毎晩シャンパン、コニャックを浴びるほど飲んで睡眠薬2錠を飲んで寝る。
第3の候補者は勲章を受けた英雄で、女性に敬意を払う。動物を愛し、タバコは吸わず、酒もめったに飲まない。
マルティンの問いかけに生徒たち全員が第3の候補者であるアドルフ•ヒトラーを選択した。
因みに第一、第ニ候補者はそれぞれフランクリン•ルーズヴェルト、チャーチルだ。
映画アナザーラウンドのワンシーンである。
ノルウェーの心理学者で知識人のフィン・スカルデルードによる仮説「人間は生まれつき血中アルコール濃度が0.05%不足している。この不足を補い、健やかな精神を得るために、つまりより明晰にリラックスして思考するために、ワイン1〜2杯分相当のアルコールを摂取し、その状態を保たなければならない。」をマルティン達は劇中で実行していく。
自分自身アルコールに助けられている。40度のウォッカが毎朝の不安と憂鬱を消し去ってくれる。
抗鬱剤は即効性がまるで無く、今すぐ楽になりたい時に全く役に立たないなと感じたが酒は一瞬で効くし、しかも薬より安い。こんなに良いものはない。
自分にとって酒はモルヒネで、飲むと苦痛が半減する。酔っ払うことが目的なのでなるべく度数が高く味にクセがなく飲みやすいものを選んでいる。酒を美味しいとは全く思わないので気分が良い時には飲まない。
生きるのが辛いなら薬なんかやめて毎日酒を飲もう。フィンの仮説は案外本当で、文豪ヘミングウェイは15歳から飲酒していて『酔って書き、素面で直せ』の名言を残している。結局猟銃自殺しちゃったけど。