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はたらく×bee×KOBE "女性のはたらき方"から生まれる、"未来のはたらき方"とは?【イベントレポート】

こんにちは!関西大学松下ゼミの山下と申します。

2020年11月19日開催
はたらく×bee×KOBE"女性のはたらき方"から生まれる、"未来のはたらき方"とは?“働く”と“暮らす”のちょうど良い距離感とは? 

(株)オカムラと神戸市共催のオンラインイベントに参加させていただきました。第三回目となる本イベントでは、“働く”と”暮らす”のちょうど良い距離感をテーマに、先進的な企業の取り組み事例などから「未来の働き方」について考えを深めてまいりました!

「はたらく× bee× KOBE」とは?

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出典:はたらく×bee×KOBE / イベント ¦ "ラクワク" もっと自然に、もっとおもろく。|Open Innovation Biotope “bee”

本イベントのファシリテーターは芝池 玲奈氏(株式会社フューチャーセッションズ)。登壇者は瀧井 智美氏(株式会社ICB 代表取締役)、福井 直樹氏(ミクル株式会社 代表取締役CEO)、栗山 麗子氏(神戸市 チーフ・エバンジェリスト)、岡本栄理氏(株式会社オカムラ)の四人のお方々です。

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<学ぶ>インスピレーショントーク

まずは、ゲストによるインスピレーショントークを通し、先進的な企業の取り組み事例などから「未来の働き方」について学びます。

○岡本栄理氏より

Open Innovation Biotope "bee" コミュニティマネージャーの岡本氏から、はたらく×bee×KOBEの取り組みと成果物の紹介を受けました。第三回目となる本イベント。前二回では、参加者が10年後の働く未来人を描き、その未来人が心地よく働く空間を粘土やモールを使いプロトタイプしました。

そして・・・、なんと!その作品をオカムラさんが実際にモノとして形にしてしまったそうです!

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すごい!(*'▽')

この作品は、「未来人ヨウコさんのクラウドルーム×ジャスミン紅子さんの繋がるオフィス」

未来人ヨウコさんは妊娠中で働いている時にも自己管理が必要。自分の体調に合わせて変化する家具があればとの思いで誕生したのがこのクラウドルーム。この雲を表現した白いモノは、自由自在に形が変化するイス。そして、しんどい時にはベッドに変化する、夢の様な家具だそう!

未来人ジャスミン紅子さんは二人の子供がいます。“今”は家庭への比重を増やしたいと思い自宅近くの個人用ワーキングスペースで働いています。離れていても距離を感じず仕事仲間とコミュニケーションを取れればとの思いでこの繋がるオフィスが誕生。PC画面とは違い、インタラクディビジョンを使う事で、すぐ近くに居るような等身大の姿でコミュニケーションが取れます。また、時には海辺の様子を流し、ワーケーションの気分を味わったり。使い方は無限大です。

ICTを活用した未来の働く空間ですごく魅力的です。

岡本氏:目の前に未来を思って描いた空間が現れると、「こういうことね」と納得でき、未来の働き方がイメージしやすくなった。やっぱり形にするという事はすごく大事。

未来を考えて終わりでは無くとにかくプロトタイプしてみる事で、新しい発見があるかもしれないですね。

〇瀧井智美氏より

瀧井氏:女性が働く上で、一番多い悩みは「場所」と「時間」の問題。

それらの問題を解決しうる新しいオフィス事例や取り組みを紹介して頂きました。

学校内にコワーキングスペース バリの「Green School」
一緒に家に出て、子供は登校、大人は出社。なんて事が可能な場所です。

学校に隣接したコワーキングスペース 「神戸名谷ワークラボAOZORA」
公民連携による職住近隣オフィス。地域×働く人×学生が叶う場所です。カフェやコラボレーション施設などが併設されており、多様な働き方が実現します。

この様に職場と住居と学校を密接化させる事で、通勤時間短縮や急な家庭の事情にも対応しやすくなります。それにより、育児や自分の時間の確保が可能になるかもしれませんね。

月5オフィス 神戸国際会館「リージャス」
必要な時だけ利用できるレンタルオフィス。瀧井さんも実際に月5回の頻度で利用しているそう。個人に合わせてフレキシブルなオフィスプランが可能。

ワークライフバランスの実現 「株式会社エス・アイの自由出勤制度」
一か月168時間以内一日7.5時間以内で、従業員が自由に働く時間を決定できるシステム。

離れた場所でも一緒に頑張る 「Work with me」
ZOOM等を利用し、自分の姿を映し合いながら個人の仕事をする企画。テレワークの孤独感を解消し、チームワーク向上に繋がります。

瀧井氏から先進的な働き方の事例を学びました。こんな働き方あるんだ!と驚く事ばかりでした。

〇福井直樹氏より

福井氏がCEOを務めるミクル株式会社は「2030年の暮らしをイメージしてライフワークを最発明しよう」と設立した会社で、2005年の設立当初からオフィスレスの会社。そんな一風変わったミクル株式会社の、現在に至るまでの働き方の変遷を紹介して頂きました。

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2005年 オフィスレス人 テレワークのための練習期間 
スマホやモバイル端末が無い時代に、自分の好きな場所で仕事をする事を目指し、実験的にオフィスレスを始める。
・六本木のコワーキングスペースに出社
・週一回は温泉施設に社員が集合
・ワーケーション実験

2011年 テレワーク人
2011年の震災を機に、社員の多くが西日本を拠点に移す。
・大阪市内で生活をしながらカフェや自宅で仕事
・社員同士の交流を目的に、月一回の社員合宿、年一回の家族を含めた合宿
・毎週のビデオ通話会議

2017年 ハッピーワーク人 自分でコントロールできる要素を増やす
時間と場所にとらわれず、家族仲間をより大切にする働き方の実現。
・全ての決裁権を各自が持つ事で、会議を必要とする働き方自体を廃止
・自宅内に一坪ワークスペースを準備
・家族の夢支援 
・子供とワーケーション 会社で渡航費を支援 
・社員の副業支援 
・仲間づくり目的に、無料起業支援

福井氏:ミクルのミッションはハッピーワーク人を2025年に3%、30年に8%に増やすこと。私達はリモートワークのノウハウを持っています。リモートワークに挑戦したい人々の支援出来ればと思っています。

女性の働き方が変わり、パートナーや将来の子供と近い距離で働くことが可能になっています。あとは、どう組織や世の中・自分の考え方を変えるかだと福井氏は語ります。

<考える>パネルディスカッション

お三方からのインスピレーショントークをふまえ「働くと暮らすのちょうど良い距離感とはどのような状態か?」という問いについて考えました。

栗山氏:実際神戸って住む場所と働く場所が近いなって実感している。女性や特に小さな子供がいる立場の人からすると、すごく暮らしやすく働きやすい場所なんじゃないかなと思います。
芝池氏:コロナ禍で急激に距離感が近づいた人が多いと思います。その中でも、神戸の人は先進的に近い距離で働いてきた先輩とも言えるかもしれないですね。
栗山氏:その部分もある反面、近いからという理由で必要性を感じないからか、在宅勤務率が低いのでは。そこの部分に関しては自由に選択できることが大切なのでは。

働くと暮らすの距離感を自分で選択するためには、働き方の自由度が求められます。

瀧井氏:働く時間を自分でデザイン出来ることは、働く側からするとすごくありがたい事。ワーク・ライフ・バランスの反対は、ワーク・ライフ・コンフリクト。コンフリクトとは葛藤。「仕事したいけどこれがあって出来ない・・・」という葛藤を抱えると、最初は意欲があってもだんだん低くなったり、良いパフォーマンスを出せなかったりします。葛藤をいかに取り除くかが大切。その葛藤が何か、となると、皆さん“時間”の事を出される。
福井氏:僕たちの会社はワーク・ライフ・ブレンド。働くと暮らすの境を無くそうという概念で仕事をしている。僕達の会社には主婦が半数以上。多くが子育てをしている。そのため、5分や10分とか細切れの時間で働けるようにしています。

在宅勤務やテレワークが増加したことで、通勤時間や働く場所の制約から解放されつつあります。加えて自由出勤制度や裁量労働制等も取り入れる事で「時間と場所」というコンフリクトを乗り越える事が出来るかもしれませんね。

福井氏:(瀧井氏の事例紹介を見て)仕事の場所と自宅と子供の学校が近いというのは非常に魅力的。このような場所を行政が提供してくれると、多くの人が利用できて良いと思います。
芝池氏:コワーキングスペースは中心部に偏りがちですが、もっと暮らしに近い場所に働く空間があるといいですね。
岡本氏:もっと働き方が柔軟になっていく上でオフィスの意味が研ぎ澄まされていきますし、オフィスと家庭とそれ以外の場所が補填し合いながら、働くと暮らすが良い関係になれる様な場所をこれから作っていけるのでは。
栗山氏:皆がどのような境遇にあっても、自分らしく、自分の時間に誇りを持って働ける・過ごせる・楽しめるような暮らしを実現するために、自治体の働きがけが大切。

「働くと暮らすの距離感」とは「物理的な職場と自宅の近さ」と、「心理的な仕事とプライベートの近さ」の両面から考える事が出来ます。どちらからの視点でも「ちょうど良い距離感」を達成するには、個人/組織/まちが横断した取り組みによる、仕組み・場づくりが必要だと言えます。

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最後に

就活ナビサイトで会社を探していると、検索欄に「ワークライフバランス」というチェック項目があります。つまりはワークライフバランスが実現する会社とそうでない会社が現時点では混在するという事ですよね。数十年前だとこの項目すら無かったかもしれません。その意味では、ワークライフバランスという考え方が世の中に浸透しつつある良い証拠です。しかし、近い将来には、この項目が再び消え去り、働く上で前提としてどの立場でもワークライフバランスが当たり前に実現する世の中になると良いなと思いました。そのためには、「どうすべきか」と未来志向で考え実践し、組織だけでなく個人の意識も変えていくことが重要であると感じました。私たちマツラボレポート部の記事を通して、少しでも多くの人に「はたらく」を考え直し意識を変えるきっかけを提供出来ていたら良いなと思います。


以上、マツラボレポート部の山下でした!



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