復職日記(死ぬまでガチガチなんだろう)
最近、夢が濃い。
濃厚なストーリーと登場人物の多さになんだか毎晩疲れている。
ヤクルト1000を飲んでいる影響なのかもしれない。
夢から一度目が覚めて寝直しても、またその夢の続きを見られたりもするのだ。
5日くらい前の夢でわたしは赤子を出産した(男の子だった)。すると、その次の日も、また次の日も、すでに我が家にいる娘と、その赤ん坊がいるという設定で夢がはじまる。
つまり、夢の中の設定が続いている。
なんか……それはリセットしてほしいんだな、ちょっと怖いんだよ、とも思ったりするのだが、それよりなにより夢が濃い。
今朝は、亡くなった父が夢に出てきた。祖母も出てきた。わたしは会えたことが嬉しくて、「お父さん」と呼びかけ、夢のストーリーが進むなかでも、何度も何度も、お父さんいるよね、消えてないよね、と確認していた。
お父さんは、いつも家にいた時と同じような顔をしてずっと夢にいてくれた。
亡くなった父や祖母に会えたことは本当に嬉しかった。
でも、嬉しくてたまらないのになにも話しかけられなかったな。
どうしてだろ。
夢だからか。
・・・
復職8日め。
そんなこんなで濃い夢を見て、朝起きるとなんだか疲れている。
喉が痛い感じもする。
風邪かな、と思うが、喉が少し痛いくらいでは仕事は休めないので、仕方なしにとぼとぼと出勤する。
出勤の道中、「仕事行きたくない」をお経のように心の中で唱えてしまうので、シャットアウトするためにラジオ「東京ポッド許可局」を聴く。わたしはサンキュータツオさんの声が好きだ。なんだか胸が落ち着く声をされている。
今日と、あと一日行ったら休みだ。
がそばれ自分!
と足元を見つめながら出勤。
今日はまぁまぁやることがあるのでもくもくとそれらをこなす。
電話に出たり、プログラムに参加したり、電卓を叩いて計算したりもする。仕事は、仕事をすることなんだよ、と思ったりする。(当たり前だ)
お昼はやっぱりお腹が空かなくて、玄米おにぎりひとつ。
お腹が空かないのは、心になにか憂鬱があるときだ。
明日、ボスと「復職2週目の面談」をするのだが、それがすこし心に引っかかっている。
やりたい業務と、やれない状態の自分。
いまの最優先事項は、舌痛症と鬱をぶり返さないこと。
期待されている自分と、応えられない自分。
毎日フルタイムで出勤できていない後ろめたさ。だって今日だって早く帰りたい。
でもさ、仕方ないよね。
休職したところから社会の荒波に復帰したんだもの、適応できなくても、疲れても、体調崩しても、ボーッとしても、そりゃ仕方がないよ。
人間はそんなにすぐに元気にはなりません。
結局、1時間ほど早めに仕事をあがらせてもらい、マッサージ屋さんに寄って帰った。
「ガチガチです」とまた言われる。
ガチガチでなかったときがない。そんなときは訪れるのだろうか。ない気がする。死ぬまでガチガチだろう。
夕飯は、夏野菜のドライカレー(茄子、ズッキーニ、トマト)と、ヴィシソワーズにした。
・・・
通勤途中、タチアオイに出会う。
ぐーんと伸びて咲いていた。
生命力!と思う。
夕暮れの紫陽花はなんだか切ない。
誰かのことを思い出しそうになる。
そして、結局、思い出せないのだ。
あじさいの咲く道をゆく少年よ
花青ければ青きかなしみ
(寒川猫持)