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作るようにしていく

便利なものが安くて簡単に手に入れることができる時代ですが、
作る方が色々と良いと思いました。

たとえば、レザーストロップ(革砥)。
刃がついていて、ある程度切れる状態であることは前提ですが、

革砥で刃物を滑らすだけで、
切れ味が一気に良くなります。

レザーストロップは、
昔の床屋で、ベルトの
ようなものでカミソリを
さっとなでるように
研いでいたものです。

高価なものだと、本革、コードバンなどですが、合皮や綿、
化学繊維等の生地で代用可能。

3年くらい前に入手した、確か500円前後の中国製のベルトのような
研ぐ道具があります。


合皮製です。
中国のレザーストロップ。
3年目ですが、
まだ使えています。合皮と絹のような化学繊維のような青い布で研ぐ。壁にかけてそのまま使う。

家に掛けるなら、もうちょっと凝ったものがいいかもしれませんが、
その場で研げたらいいので、
これでいいかと。

破れてきたので、買い替えてもいいところですが、
これを見て同じようなものを作る、
あるいは別のものを作る。

古くて太いベルトを改造しても
作れそうです。

安物ですが、実際につかってみると結構優秀です。

合皮(おそらく剣道の道具で使われている鹿革の代用品、クラリーノ)だと
思います。

ランドセルにちょうど合う、昔の筆箱も
クラリーノ製だったかと思います。


クラリーノの筆箱


あとで気がつきましたが、小学生用のランドセル用の筆箱、

クラリーノのもので研ぐ、という荒技もいけますね。

本来の用途ではないですが、鉛筆がきれいにはいるし、

使いやすいので私は今でも
小学生用の筆箱を使っています。

クラリーノは滑らかで、
ある程度の耐久性のあるものです。

さて、中国の安い革砥 レザーストロップでも、よく見れば色々と
ヒントがあります。

細かなデザインや縫製の
甘さはあります。

でも本革のように見えますし、
生地がやわらかくて
とても使いやすい。

金具も使いやすいように
装着しています。

合皮ともう一つの生地は、ちょっとシルクのような、
化学繊維の生地のようです。

革の部分の後は、
青い生地で研ぎを仕上げます。

これでほぼ完璧な研ぎ具合です。

安く抑えてしっかりと使えるものを作る
中国はさすがですね。

破れてきたらまた買えば、
いいわけですが、ここであえて作る。

作る、という手間がかかる作業を
あえてするわけです。

決して暇でも節約でもない。(完成品を買った方が早い安い。
でも、なんでも買う、世界に抵抗、
経済の世界から一歩出るわけです。)

木の端材、ハギレ数種類で
作っています。

レザーストロップも、
中国製を使ってきて、

合皮でも少なくとも3年は
持つことがわかってきました。

同じような金具を探してやってもいいし、どうせなら
色々な色で何種類かの
革砥を作ってみました。


ただ、革砥を使う前提として、
しっかりと
研いだ状態になっていることです。

色々と砥石はありますが、
結局、単に研ぐ、早く研ぐなら
赤レンガのようなもので十分でした。
(特殊な硬質鋼は分かりません。)


昔の大工さんが使っていた赤レンガのような砥石。
真っ黒でしたが、
洗って平らにしていけば、
ほぼ新品のようになりました。

家庭の包丁なら、この赤レンガのような砥石で研ぎ、あとは
自作のレザーストロップだけでもコピー用紙をスパッと切れる包丁に
できることがわかりました。

かなり優秀な砥石ですね。普通の鋼やステンレスは結構早く研げます。

赤レンガのようなものは、
キングという砥石ですが、
安価である上、大工さんも使っていた。 

戦前の雑誌の広告にでてたので、
昔から存在していたロングセラーです。


ススキの変化を見ながら、
研ぎます。

鎌も荒い砥石のあと、
キングで研ぐ、さらにレザーストロップを使うことで
切れ味が激変します。

おそらく、草刈り鎌でレザーストロップを使う人はきっと
いないと思います。

これを掛けることで、まるで日本刀で切っているがごとく
草も管理できます。 

草刈機がいらない。
草管理が実はとっても楽しいわけです。 

この世界を知るには、
実際に研いで刃物を使わないと
わからない。


草刈機より早くて快適、ただし、赤レンガのような砥石で
しっかりと研いで刃があることが
条件となります。


つまらないこと、
一般的には苦痛のことを
楽しくしていく。

結構大事だと私は考えています。農作業を苦痛、とするのは、
私の考えではありえない。

さて、レザーストロップですが、
家庭用の包丁、カッターナイフ、作業用ナイフ、はさみ、
鎌など、あらゆる刃物の仕上げの
研ぎで使えます。




草管理から収穫まで、
鎌一つあれば便利です。
アピオスという野菜。結構スタミナがつきます。少量で十分です。
菊芋が多すぎて、もう早めにどんどん掘ることにしました。
鎌、手や膝で菊芋の茎を折る。
この茎は、約1−2年で土に変わる理想的な肥料のようなものです。
菊芋の魅力は、こういった天然の木材チップのようなものが
ただで大量に手に入ること。しかも運搬しなくていい。
土を持ち込ませず、良い土に変わっていくのは、
この菊芋の葉と茎のおかげ。長すぎるので、
農作業の作業合間に切っていきます。同じ作業ばかりしないで進める。
それだけで飽きない。


全部切れば、慣れないうちは筋肉痛になります。でも
こんなのがスパスパ切れるのは、
レザーストロップで
研いだ鎌です。
生のオクラを食べて休憩することも。
それにしても、11月に入ってオクラがあるのも不思議です。夏野菜のはずです。
茶大豆も鎌で刈り取ります。
黒大豆の葉は、実はお茶にできます。
去年やってみて、思いのほか味が良かった。
少し色が変わった今、この色合いが確か美味しくできました。早すぎても
遅すぎてもだめ。
バカでもできる、完全放置でこの勢い。
菊芋とアピオスは楽勝です。
これだけの木材チップを買って炭素循環農法などするなら、
結構な費用と運搬の手間が
かかるはずです。
大豆や菊芋と草刈り鎌あれば、
十分ですね。 
これらあれば、
土は毎年改善してくれます。

自然にできるものなら、経済界から離れて独立している。
しかも、その場でできたものが、肥料となり、結局循環する。
これこそ本当の循環だと思う。

木材チップ/肥料は買わない、持ち込ませない。自然に作ってもらう。
これもレザーストロップと
同じ考えです。



炭素循環農法を参考にし、
菊芋の枯葉などを積み重ねて
やったところの生姜は
いい感じです。
右の種生姜50g程度に対して、結構な生姜が実るようです。
菊芋をうまく使えば、
結構いいことがわかりました。 他に肥料を使わずともよく育つ。
かなり辛い。


刃が欠けたら、荒い大村砥石(長崎や和歌山県の天然砥石)で十分です。
これも大工さんの愛用品だったようです。
令和の新鉱山、
愛媛県の天然砥石、マテラ砥石。
思いのほか優秀です。 
大村、キング、マテラ、そして手作りのレザーストロップ、
これらだけでも
日常の刃物なら十分です。

基準は広告用紙が
スパッと切れる状態。

料理と農作業は同じなのか、ある程度の切れ味、紙が切れる程度まで
研いでおけば、
作業時の感覚が圧倒的な快になります。

料理も農作業も作業自体は地味。
どこか楽しめる面をもつといいです。 楽しめる面が多ければ、それだけ
作業が面倒でなくなり、快適になります。


外で研ぐと快適そのものです。

少し話が脱線しそうでしたが、
大工さんの道具が
結構参考になりました。

というのは、以前住んでいた借家の蔵のような倉庫がありました。
昔は大工や床屋をやっていたらしく、道具等はほとんど手作りでした。
大工の道具箱、作業台、入れ物、そのほか色々です。


もちの木箱
よく見ると、一枚板です。
色合いや雰囲気からして、
もしかしたら、神代杉(太古に地中に埋もれている木)なのかも
しれない。

ただ、このような貴重な手作り品の多くは近辺を見る限り、
廃棄/焼却、薪などにされています。

もちの箱は今は
プラスチックが主流ですが、

木だと水分の調整が可能。
蒸れにくく、カビが生えない。特に麹(こうじ)を作るときは、
木箱だとかなり良い感じでできます。
木だと呼吸ができる。麹は生き物だし、
プラスチックだとおそらく不快。


ひと昔前の昭和は今のように、
なんでも指先で買える時代ではない。

かつお節削りも、
カンナが収まる大きさの箱を
作っていたようです。

ピッタリと収まる、完璧なものですが、作る側になれたら、きっと違う楽しさか何か豊かさのような、
別世界があると思います。

さて、要は安易に買えないから作っていたんだろうけど、
色々と試行錯誤するのもいいものです。


砥石で研ぎ進めると、
研いだ逆の面にバリという、
金属のめくれのようなものが反対側にできます。 確認できたら、裏面を研いでバリをとる。

最終的には触って
わからないような小さな
バリまで取る。
そうすれば、この上なく切れるようになる。

そのためにコードバンなどの皮、
その他スウェード革などが
使われるわけです。

ただ、バリが取れれば良いわけで、
履いているジーンズなどでもバリを取ることもできます。

刃物の職人さんの記事で
革でレザーストロップは簡単に作れる、買うものではない、
というのをみました。プロが買わないなら、素人ならなおさら作るしかない。


さて、作るとすれば
どんな素材でいくか、
色々とやってみるわけです。

私の住んでいる地域は冬は雲が多い。
だからこの際、明るい色で色々とやってみました。

明るい色で作業が
たのしく、はかどるのかもしれない。

フェルトみたいな生地でも
いけそうです。

答えはない。

結局、5個以上作ってしまいました。
木の端材や厚いプラスチックのもの、
カマボコの板でもいけそうです。

さて、意外にも良かったのが、
クラリーノ裏面、あるいは、結構厚めの生地と赤いフェルトのようなもので、高級な生地のようです。

こういった化学繊維のものが、
最も良かった。

というのは、さきほど欠けた包丁を研いでいて、傷等が取れた後に、
できたストロップを使ってみました。

一気にコピー用紙がスっと切れ落ちる。
研ぐのにかかった時間は、
砥石を含めて十数分程度。

早い。


フェルト、いや習字で使う、黒い下敷きのような厚めの
フェルトをうまく使うとかなり良い。

もっと幅広の木辺で、長くすれば、
包丁では使いやすいかもしれない。

というわけで、
まだまだレザーストロップ作りは続行していきます。

この時思ったのは、
買わずに作ると
世界が広がるということ。

たかがレザーストロップといえども、素材や大きさで
使いやすいものになる。

それに究極の切れ味にするだけで、
地味な料理が楽しくなるものです。

今の所、書道のフェルトのような生地が良さそうですが、
剣道着のハギレ、藍染めやあるいは、
絹のような滑らかなものだと
もっと良いかもしれない。


1000円もしないものでも、
実際に作れば、
素材に迷うけど、それなりのもになる。

そして、改善点も出てくるものです。

こうしてみると、なんでも素材を手に入れることまでとして、
あとは作る、というのはいいかと思えてきます。


少なくとも、何か新しいことを
やってみると
結構良い世界が広がるものです。

新しいことと言っても、必要になってきた場合に
すればいいと思います。


 刃を研いでおけば、
料理が簡単になり、
どこか楽しくなる。
薄く切るのは技術ではい。 

しっかりと研げているかどうか。
刃先を薄くすれば、薄くしか切れない。これも不思議です。

そういえば、昔、料理の世界にいた時、
ネギなどを0.5mmくらいの厚さに素早く切る達人がいました。

あるとき、こっそりと包丁を見たところ、刃先が薄い。

つまり、自分で刃先を極端に細く研いでいた。

薄くしか切れない包丁を誰にも言わず、
自分で作っていた、
ということでした。

ある程度の技術はあるとは思いますが、
やっぱり工夫、道具をうまく作ったことがポイントだと思う。

道具を作る、結構広い世界のようです。


作業前の写真をわすれましたが、ボロボロに欠けて、汚れで酷かったものです。
預かり物ですが、なんとか台所で活躍できる状態まで
復活できました。
死にかけた刃物が復活、
まだまだ長く使えます。こういうことは好きです。


かなり古い昔の石ですが、
こういう石でボロボロの刃物の形を整えていく。
3mmくらい刃が欠けていたものが、なんとか使えるようにできたのは、
この石のおかげです。


新しいものを買うより、
壊れたのを復活させていく方が
私には合うようです。よみがえった、また生き返ったような感じもして
なかなかいいものです。

耐水ペーパーという紙やすりをうまく使っていけば、
鏡面にできるかもしれません。ただ、時間がかかるので、
この分はこれくらいで。 でもきっと料理が楽しくなるはずです。


ただやっていて思うのは、サビがあったり、刃が欠けているという
些細なことだけでも
気分が下がる。

逆に光輝かせれば、何か希望すら感じるくらい、
料理がしたくなります。

どんな砥石を使おうが、最終的には
レザーストロップの
ようなもので仕上げる。

合皮やさまざまな布などの材料で
試していく。

仕上がり具合もどれがいいのか、
どうすればもっと
やりやすくなりそうか、

色々と途中で思うものです。
今回でも、結局、フェルトみたいな生地がかなり良い感じですし、
もしかしたら、本物のレザーストロップ以上に使えるのかもしれません。

買わずにつくることで、
新たな発見があるものです。

これは味噌でも、お米づくりでも、
基本は全て同じです。

作ったものにしか見えない世界、
それを体験するために、
あえて買わない。

買う前に、作れるものであるかどうか、
一瞬でも考えるといいかもしれません。

作り出したら、新たな
世界を見れる可能性は
高いと思います。


レザーストロップであれば、帆布や合皮/フェイクレザーなどを
端材の木に貼って作る。

つくるのも意外に簡単で、
実際に使って包丁でも研げば、スーッと切れる。

音はしないけど、何か別の
感触か音がするような
不思議な感覚になれます。

聞こえないけど、感じる音、まるでレコードでしか
感じない音のような、
聞こえない音の世界かもしれません。

これにさらに光り輝く刃物にする、鏡面仕上げまでいけば、
もう料理しないと
気が済まないくらいです。

しかも集中力も全然ちがってきます。 



100均であったカッティングボードに貼りつけたフェルトも
軽くて幅広で包丁には使える革砥になりました。硬すぎず、程よい弾力で良い感じです。
パソコンのマウスパッドに
してもいけそうです。
マウスパッドも
買っている場合ではない。
赤と白、ほんの些細なことで
研ぎにも影響してきます。色も大事です。
マコモダケや
刈り取った稲から芽がでているので、
玉露のような、お茶を
これからしてみます。


桑は日当たりが良いところであれば、まだ新芽がある。
他の桑は枯れ落ちてますが、あちこち歩いていると、色々と発見や手に入るものがあります。
この色だとまだ桑の葉茶でも作れます。お茶もオリジナルブレンドを作る、コーヒーも。

作るって、結局世界が広がって、
結構いいものになるようです。

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