黒田夏子さんの本との出会い
黒田夏子さんが『abさんご』で第148回芥川賞を受賞されたのは、テレビや新聞で報道されていたので、もちろん知っていました。
でも、自分はどちらかというと小説は読まない方なので、積極的に手に取るということはありませんでした。
たまたま古本屋で見つけた『abさんご』、2013.1.30 第3刷発行。
平仮名が多くて横書きで、風変わりとは思いましたが、自分にはしっくりくるものでした。古本屋の棚の前で、そのことにちょっと驚きながら文字を追っていたおぼえがあります。それで購入しました。
後日、『感受体のおどり』は新刊で購入。2014年か2015年のことです。登場人物表を何遍も見返しながらちょっとずつちょっとずつ進んで、読了しました。
大事な本だと感じながら本棚に数年。コロナの第7波に感染したあとくらいの時期だから2022年、また読みたくなり、2回目を読了。2回目はもう少し早いペースで読めたのと同時に「声に出して読みたい」と思う箇所がいくつかあると気がつきました。
「部分的に口に出して読んでみたくなる」という程度なのに、350番すべて音読してみようというのはずいぶん無謀です。意味がよくつかめなくて棒読みになるところもあります。ひとつの章は平均で1ページと少しですが、つっかえずに読み通すのは、私にはほぼ不可能です。
この3度目の読書は、実質は何度も読み返しつつ進んでゆきます。