見出し画像

音読 『感受体のおどり』 第21番

 第21番を音読します。

 一晩に二つぶたいがあって仮装のままつぎの会場にむかうという (以下は略)

単行本『感受体のおどり』028ページより

第21番: おどり・後期(鳴牛なるーし流藻ながれも霧根きりね・私)

 踊りの舞台を二か所でつとめるための移動時間。そこでのわずかな会話から、うやむやに過ごす者、のぼせる者、手をぬく者、軽んじられる者、うたがう者など、流派内の人間関係がのぞく。

 音読しながら文字を追っていて目にとまったのは、「の」の使い方です。

月白つきしろのもとでしているのの延長で,

本文より

いちばんあとのに乗った.

本文より

 「しているの延長」「あとに乗った」というのは、「していることの延長」「あとのに乗った」とも書けるわけで、印象としては「」だと口語的(話し言葉的)に感じます。
 小学校の国語の作文で「しているのの延長」とか「あとのに乗った」と書いたら、先生によっては赤鉛筆で指摘されそうです。
 逆に言うと、黒田さんの作品は声に出して読むのに向いていると言えるのかもしれません。

 

新作の性別なしの顔をこれから踊る民謡ものの男役に変えるのだが,

本文より

 化粧を役ごとにちょっと変化させる、というのはわかるのですが、「性別なし」ってなんだ!? と思いました。どんな踊りでしょう?
 ネットで調べると、精霊、神様、動物とか、また流星なんていうのも「性別なし」に当たりそうです。
 それどころか、電子レンジの電磁波まで・・。


 漢字は、
  商家(しょうか)  嫉視(しっし)  侮蔑(ぶべつ)  華華しく(はなばなしく)
 あと、「目がお」という言葉が出てきます。
  目顔: 目の表情。
わかっているようでいて、でも使ったことがなくて、「まがお」と読むかと思っていました。



いいなと思ったら応援しよう!