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音読 『感受体のおどり』 第6番
第6番を音読します。
むりやりに夏をおしころしている雲の厚い日日がつづき (以下は略)
第6番: がっこう(同級生たち・鳥たち・私)
学校の行事で、皆と並んで町を移動している時に目にしてしまった、売り物の鳥たちのつらい現状。
猛禽 もうきん 小禽 しょうきん
「猛禽」とはよく耳にするのですが、「小禽」という言葉はあまりなじみがないです。
『abさんご』芥川賞受賞記念会見で、黒田夏子さんが
私は「しょうきん」と読ませたかったので「小禽」といたしました。「ことり」と読ませたければ「ことり」あるいは「小とり」と書きますので
という内容をお話ししていました。受賞作『abさんご』の1ページ目にも「小禽」という言葉が使われているのです。
調べてみると、伊藤若冲の絵画に「梅花小禽図(ばいがしょうきんず)」というのがあるのですね。この絵の中の「小禽」は、メジロのようです。
ともあれおのれ一わをこの非力な殺しあいから忽然と救いとる手が待たれてしまおうか.
(参考: おのれ一わを → おのれ1羽を)
第6番の終わりの文章は、鳥たちを哀れむ気持ちと共に、非常時には、全員を助けてくれるよりも自分だけ助かりたいと思ってしまうであろうエゴイズムが、人間の方に返ってくるような内省的な文章です。
「待たれてしまおうか」とは、正直わかりにくい言い回しで、私がうまく理解できているかはわかりません。
※小説とは関係ないですが、「しょうきん」という読みで、
「渉禽類」 しょうきんるい
という言葉があるのを初めて知りました。「新明解」にも掲載あり。水辺で餌を取るサギ、シギ、チドリなどを指すそうです。
私はタシギちゃんが好きです。
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