音読 『感受体のおどり』 第22番
第22番を音読します。
第22番: 仕事先(乙白・殻綾・私)
主人公の「私」の、今まで出てきた場面とはまた違う地点(時点)での「うめき」。
登場人物として、初登場の乙白と殻綾の名前を小タイトルに書きましたが、ここに直接的に登場して何かをしているわけではありません。
この場面では、めずらしくはっきりと、季節が「六月」と書かれています。
人気のない都会の路地裏の、なまあたたかい風に包まれた闇の中を「私」はひとり歩いていきます。
ここにいる「私」は、物書きでも踊り手でもない、うめいて歩く・・生身の人間です。
「うめく」とは、漢字で書くと「呻く」。「呻吟(しんぎん)する」というのも同じ意味。ついでに「吟」の字も漢和辞典で調べてみたら、こちらにも「口を閉じてうめく、なげく」という意味があるそうです。んぐぐぐ。
音読していて、切れ目を間違えると、途中で謎になってしまいます。
「店と車庫とにはさまれた、昼は気もつかないすきま」と、黙読で読み飛ばせば意味はつかめると思うのですが、声に出して読んだら「店と車庫とにはさまれた昼は ・・はあ?」となってしまいました。
難し目の漢字は
凛凛しく(りりしく) 甘藍(かんらん。キャベツのこと)
奢る(おごる) 麗しさ(うるわしさ)