音読 『感受体のおどり』 第29番
第29番を音読します。
第29番: がっこう・おどり(私)
「あのようになりたい、肖たい」と思える大人を初めて見つけた「私」。
小説で登場人物の内面を描写するというのは、技法とかいろいろとあるのかもしれません。
この章で提示されている、小学生と思われる「私」の内面は、大人の感覚で、大人になった物書きの「私」が思い起こして「翻訳して」書き整えたものでしょうか。それとも小学生当時の「私」がここにいて、筆力があったなら、読む者を驚愕させる自分の内面を(にこやかな顔で)このように提示するのでしょうか。
どうしてこんなややこしいことを言いたくなったかというと、自分の周りの世界と人間たちを、このように高みから見ている子どもの意識にはついていけないと思ったからです。
上のくだりは、カンマ(.)まで八行、ひと続きです。
この部分に限らず、第29番全体が、「あ、いやだな、ついてゆけないな」とすごく思うのに、
・・実は音読すると気持ちがいい。これは重要。
肖る にルビあり。ほかに漢字は
怠惰(たいだ) 卑しさ(いやしさ) 劣等児(れっとうじ)