音読 『感受体のおどり』 第30番
第30番を音読します。
第30番: おどり・後期(月白・私)
今は、師匠の月白が「私」に気軽に手を振って呼んでくれる。その姿を透かして、弟子に対してそっけないくらいの扱いをしていた、若い頃の月白を夢見る。ないものねだり。
この章で「階段」という言葉が出てきました。気がついて、「おっ」って思いました。第17番や第20番では、「階(きざはし)」という言葉が使われているからです。
「私」自身が利用するのは「階段」で、憧れの対象が使うのは「階」ということなのかな? それとも、文章の前後の繋がりの語感などから使い分けているのでしょうか。
間違い探しというわけではありませんが、noteを書いている私は「階」に軽く抵抗していたので、「おっ」というより「ほっ」かもしれません。
舞台のリハーサル中のエピソードということで、「花みち」が出てきます。私は舞台全般にうとくて、テレビで見たイメージしかありません。花道というと、客席の間を割るようにして、目の高さくらいの長い廊下が舞台と直結していて、主な登場人物がそこでキメのポーズをとる場所かと思います(見得を切る、という言葉がありますね)。
下っ端の人たちにとってあこがれの花道を、リハーサル中の客席への移動にひょいひょいと歩き渡ってしまう師匠・月白に従いながら、物おもう「私」です。
この第30番は、「私」のライバル・練緒との火花バチバチの時間(第27番)より前か、後か、同じ頃かな? どうでしょう?
持ち重る(もちおもる)・・私はなんとなく「もちばかる」と読むのだと思っていました。「かさばる(嵩張る)」とイメージが近くて、混ざっていたのかもしれません。
ほかには
廃墟(はいきょ) 綾(あや) 履きもの(はきもの)
など。