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音読 『感受体のおどり』 第3番

第3番を音読します。

くびられたばかりの食用家禽が(以下は略)

『感受体のおどり』007ページより

第3番: おどり・中期(練緒・月白・私)

 後には「私」の踊りのライバルとして存在感が増す「練緒ねりお」の、入門間もない頃のエピソード。

 黒田夏子さんの小説の特徴
 ・ひらがなの多用
 ・読点(,)が少ない
 ・会話が鍵かっこ(「」)に入っていない
これにより、文章のセンテンスが長く、どこが切れ目なのか、わかりにくいです。ということが、声に出して読んでみるとよくわかります。たとえば、

いくえにもつつまれていちばん外は

本文より

いくえに ? もつ ? つまれて ?
いくえにもつ ? つまれてい ? いち? ばん外は ?
 極端な場合、こんな感じになってしまって、何度も読み直してしまいます。
(訳す(?)と、 幾重にも包まれて一番そとは です)

 もうひとつ、こちらもひらがなです。

はだらのあるかれんな卵

本文より

 「はだら」は「斑」。まだら と読むことが多いかと思います。新明解には「(雅語)まだら」と載っています。
 そして、たまたまパラリと読み返した黒田夏子さんの初期作『タミエの花』の18ページに、花の模様の表現として「優雅なはだら」と、漢字表記にルビが振られているのをみつけました。

 漢字の読みが、いくつか難しいです。
  家禽(かきん) 屍(しかばね、又は、かばね) 瞑目(めいもく) 翳る(かげる) など
 「屍」は、「しかばね」で読んでみたけれど、食用の肉になるブツの表現としてはきつく感じたので「かばね」にしておきました。



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