いっそ、笑ってくれよ。このろくでもない人生を。
朝、目が覚めると、まず最初になぜだか消えたい気持ちがやってくる。
それに理由があるといえばあるし、ないと言えばない。医者は病気ではないと言うけれど、毎日「これは脳の誤作動だ。死んではいけない。今は耐えろ」と声をかける。辛いことがないわけではないけれど、この世から消えてしまうには何て馬鹿馬鹿しい理由しかない。
それでも苦しくてたまらない朝は、自分をだましだまし叩き起す。
無駄に肥大化した自尊心のために、他人と比べてしまっては、自分の劣った部分に心を痛める。
サンショウウオもビックリの腐りきった自尊心。どうせ、どうせ、といじけていて、自分で見ていても見苦しい。
思えば、頑張ってこなかったわけではなかった。
結果は数字になってちゃんと帰ってきてくれたが、それを見てくれる人はいなかった。それを書くのは過去に縋ってるみたいで、それもまた見苦しい。
何たるネガティブ。だから余計に自分が嫌いになるが、自傷行為に走らないだけ自分は偉いと褒めてみる。なんたる、みみっちさ。
時々、自分の人生は物語だ、と考えてみる。
物語には困難がつきものだ。碌でもない出来事が起きないと、物語はすすまないし、読者は喜ばないじゃないか。物語なら、主人公であるお前は、あっと驚く機転をきかせて、物語をどんでん返しにしなくちゃならない。どうなったら面白い? この展開ならどうなったら面白い?
その答えは、はっきりとは分からないけれど、一つだけ言えることがある。それは「ここで消えたらそれが一番面白くない。ジ・エ〜ンドなんて1番つまらない。生き延びなければ、物語はすすまない。そんなの読者が望んでない」ということだ。
お前が死にたい明日は、誰かが死ぬほど生きたかった明日だ、なんて言葉に説得力はないけれど、今日を生きのびたお前は、どんな登場人物よりも主人公だ。
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