ぱち。ぱちぱち。 何度か瞬きをする。 おかしい、夜間パトロール中だったはずでは……。 ぼんやりと霞ががった頭を叩き起し、上体を起こす。 「チッ」 何故、こんな路地裏で寝ていたかわからない。敵に襲われたのか。いや、そのくせ体は無傷で痛みを感じすらしない。 いろいろな考えを巡らせては霧散し、冷静さが欠如していく。 あぁ、喉が渇いた。 泡沫のように浮かんでは弾けていた考えを一掃するように、頭の中で繰り返す。 何か、飲みたい。 ふと、唇に当たる鋭い何かに意識が向