おばけのせかい

ときどき、わたしはここからいなくなる
おばけのように、あるいは
おばけとは全く逆に

わたしは
ときどき

わたし以外何も見えない
身の回りの人は皆見えても見えない
ずっとずっと
自分の過去と
自分の未来の中にいる

ずーっと、スペクタクルな映画を見ながら生活してるようなもんで
わたしはいつもここにいない
ぼーっとすこしずれた時間を生きてる

チューニングが合ってしまって
たまたま見えてしまってるおばけみたいな
わたしってそんな感じ

ぼーっとして、一人でなんかやってて
びくびくしてて

考え事にはまるたびに、
私はおばけになる

おばけになったわたしは、
自分も相手もさびしくさせるから
わたしはわたしを何度も呼び戻す

おばけになったとき
むげんのじかんのなかであがくから
その時、この詩が
私の心の灯台をさす矢印になるように

見失っても戻って来られるように

おばけにもひとにもなっても大丈夫って
安心できるようにってお祈りをこめて

言葉を空に放とう

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