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のの花だより3月号

冬の身体から、春の身体へ


柔らかく湿った大地にはオオイヌノフグリやホトケノザが咲きはじめ、春の訪れに心浮き立つ今日この頃。私たちの素晴らしい身体もまた、冬仕様から春仕様へと変化しています。

人間の骨盤は、冬至の頃が一年で最も閉まっており、ここから日が長くなるにつれて少しずつ開きはじめて8月くらいで最も開いた状態になります。

細かく言えば、1月に後頭骨、2月に肩甲骨、3月に骨盤、という順番で開いていきます。

文明の恩恵の中でぬくぬくと暮らす私たちですが、すべての自然の存在と同様、身体はきちんと季節に順応して微調整を行なっているのです。


しかし、何らかのつかえがあって上手く開いていくことが出来ないと、身体は発熱やアレルギー症状、肩や腰の痛みなどを引き起こすことで揺さぶりをかけ、緩めようとしてきます。

毎年1月に「冷たい水を飲め」と口うるさく言うのは、水分と弾力のある身体の状態を保てていれば、上記のような春先の不調による調整を経なくても、スラスラと春の身体への移行が出来るからです。

また、水分不足のほかにも、頭や目の使い過ぎ、食べ過ぎ、嫌なことをイヤイヤやる、なども痛みやアレルギー的な症状を引き起こす原因になります。


木の芽など苦い食べ物が出てくるこの季節は、冬に溜め込んでいた老廃物などを排出する時期ですので、出来るだけ食べる量と質(糖質、脂質)を抑えて、デトックスに努めましょう。

どうしてもスッキリしない、食べる量も減らせない、という方には、食べ過ぎの操法(別名アレルギー操法)をさせていただきますので、遠慮なくお声掛けください(無料です)。


また、春先の不調全般には、あたまのお手当ても効果的です。もちろん、一年中いつ受けていただいてもいいのですが、身体の変化が大きい春のはじめと秋口に受けるのが特に効果が高いとされているのでおすすめです(こちらは2,000円)。


この季節にもうひとつ氣をつけていただきたいのが冷えです。身体が少しずつ開いて春仕様になっているので、真冬と同じ温度でも、冷たさが身体の中に入り込みやすくなります。加えて、ファッションの都合上、足もとなど薄着をしがちなので、どうしても身体を冷やしてしまうことが多くなります。

そんな場合には、足湯をしておけば大事に至らず冷えを解消できます。お湯の深さはくるぶしが隠れる量で、温度は45度など、自分が足をつけられるギリギリの熱さです。温度が下がらないよう、ヤカンに熱いお湯を沸かしておいてつぎ足しながら、6分で終わります。

よーく拭いて、足の赤さに左右差があったら、白い方だけもう2分追加します。それ以上は身体が緩みすぎるので必ず時間を守り、決して長くも深くもしないようにしてください。


風邪の効用


整体やあたまのお手当ては、徹頭徹尾「愉氣(ゆき)」をしており、バキバキ骨を動かすとか、筋肉をギュウギュウ押したり揉んだりは、一切やりません。全く物理的な力を使わないのですが、受けると、熱や痛みが出ることがよくあります。

これは、今まで鈍っていた身体の働きが活性化し、溜まっていた毒物を排出しようとしたり、緊張している部分を緩めようとする動きが出るためです。


私たちの身体は、「敏感」「炎症」「排泄」「弛緩」という4つの段階を繰り返しながら、常にバージョンアップしています。

快調な時で言えば、周りの世界(鳥の声や風の香りなど)をリアルに感じられてよく氣がつき =「敏感」、体温高く生き生きと活動し =「炎症」、心地よく汗がかけて快便快尿 =「排泄」、完全にリラックスしてぐっすり眠れる(睡眠時間は短くてOK)=「弛緩」、という風に毎日を過ごせている状態です。


しかし、緊張状態や、やりたくないことを嫌々やっている状態、食べ過ぎ、毒物の摂り過ぎなどが長く続いて、上記のようなスラスラした循環が出来ていない場合には、風邪の症状を使って、元の流れ = 「元氣」に戻す働きが起こります。

すなわち、ゾクゾク寒気がしてきて、食べ物の匂いが鼻につき=「敏感」、喉や身体の節々が痛む、熱が出る、発疹が出る=「炎症」、汗をかく、鼻水や膿が出る、下痢、嘔吐=「排泄」、症状が出終わりホッとして心地よいだるさ=「弛緩」というひと巡りを経て、元氣になるのです。


「元氣に」と書きましたが、実際には元よりも一段階バージョンアップした身体になるのです。

だから、子どもを丈夫に育てるには「上手に風邪をひかせること」と整体では言われています。


私はいま40歳過ぎで、おそらく子どもの頃に麻疹やおたふく風邪が流行ったら「うつしてもらいに行け」なんて言われた最後の世代です。

数年下の子たちの時代には、麻疹なんて発症しないように予防接種するのが当然で、それが進歩的で正しい文明社会です、みたいな風潮が確立していました。


ですが、ほんの数十年前までは、むしろ小さいうちにかかった方が良い、と言うのが一般的な認識でしたし、現在でもホメオパシーでは、麻疹などの子供のかかる「病氣」というのは、実際には病ではなく、親から受け継いだ悪いものを排出して、自分自身の身体をより強く成長させるための働きであると見ます。

また整体では、麻疹をきちんと経過すると呼吸器が、水疱瘡で腎臓が、おたふく風邪で生殖器が、それぞれ順調に発達すると考えています。

子ども時代にしょっちゅう風邪をひいてた人ほど、大人になったら周りで一番健康とよく言うように、麻疹や水疱瘡も含めた風邪は、子どもの身体にとって竹の節のようなもので、避けようとあまり庇い過ぎると、かえって折れやすくなってしまうのです。


そして大切なのは「きちんと経過する」ということ。せっかく身体のやっていること邪魔することなく、炎症も排泄も全うすることです。

しっかり炎症し、排出できれば、身体はスッキリと元より良い状態になります。例えば、大人がインフルエンザで39度台の熱を出せれば、身体の中の癌細胞などはキレイに無くなります。高熱を出せる、発疹を出せる、というのは悪いものを追い出す力が身体にある証です。


この素晴らしい身体の働きを、わざわざ薬などで抑えてしまう人がありますが、それは家に侵入しようとしている泥棒と闘っている警備員に「うるさいから仕事するな」と言っているようなものです。

それは一見、症状が無く静かになったようでも、自分の内に本物の病(ヤミ)を巣食わせていることになるのではないでしょうか?

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