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無印のシェルフを買ったら、頑張る気がわいてきた話。

赤く色付いたハナミズキの葉っぱがヒラヒラと舞いおちる道を、軽やかな足取りで、「無印良品」のお店を目指して進む

私は、規則正しいものが好きだ。階段、家の間取りの広告、そして無印良品の店舗内のディスプレイ。
休みの日、規則正しいものにあふれた空間に包まれたくて、無印の大型店舗に行ってきた。

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今住んでいる家には、無印良品のものがいくつかある。無印の家具や収納用品は、並べるだけであっという間に、家の中を自然に美しく整えてくれるところが大好きだ。

夫と暮らしていた家を、ほとんど何も持たずに飛び出した2年前。新しく私と子どもが暮らす用に借りた家には、家具が1つもなかった。
そんな状態からスタートした家だが、シルバニアファミリーの小物をそろえるように、ほんの少しずつ、無印のものが増えてきている。

一番最初に買った家具は、「スチールユニットシェルフ」
棚板などのパーツを選んで組み合わせることで、自分だけの収納家具が作れる無印の商品だ。(note見出し画像に写っている棚が、ユニットシェルフという商品)
このシェルフを買うまでには、いろいろな葛藤があった。

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新しく借りた家での生活。家電は、ママ友のご厚意で無料で譲ってもらった。一家で旦那さんの海外赴任についていくために粗大ごみに出す予定だった家電を、もらうことができたのだ。

でも、家具がなくても生活できたため、家具類は何もなかった。もらった電子レンジも、炊飯器もテレビもすべて床置きで暮らしていた。本や書類は、段ボールを重ねたものを棚に見立てて入れていた。
そういった状態が引っ越してから3か月くらい続いた。

床に置かれた電子レンジや炊飯器を使うのは少し不便だったけど、必要以上のお金を使うことのが怖くて、罪悪感を覚えて、棚が買えなかった
別居以前、しいていえば結婚する前から、私は、お金を使うことに恐怖心があった。別居暮らしを始めてから、その恐怖心がますます強まっていた。


しかし、床に直接置かれた家電を見るたびに、毎日「お金がないんだ」というメッセージを伝えられているような気がした。そのメッセージが日々蓄積されて、どんどん自分自身が「お金を使う価値のない人間」のように思えてきた

心の中で、「自分のためにお金を使う罪悪感」と、「買わないことで感じる自分を大切にしていない気持ち」を天秤にかけ、さんざん悩んだが、無印良品のスチールユニットシェルフを思い切って買ってみることにした。

そうすると、整った空間が一部だけだができあがり、そこを目にするだけで、幸せな気分になった。自分を大切にできている気がして、お金を使うことで、「これから頑張るぞ!」という気になれた

今までの人生、あまり自分にご褒美をあげるのが上手でなく、貯金が大好きだった。しかし、お金を好きなものに使うと、「自分を大切にしている気持ちになること」「次に頑張る気力が湧いてくるということ」をこのシェルフを買ったのをきっかけに知ることができた。
そして、少しづつだが自分のために、罪悪感をいだかずお金を使えるようになってきた。

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そんなことを思い出しながら、ゆっくり無印商品の店舗内を味わい尽くす。大好きなものに包まれる幸せを再確認しながら。


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