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アメリカ PBJが好きすぎる国民

PBJ 」って?

PBJはタレントDAIGOのDAI語ではない。Peanut Butter & Jellyの頭文字を取った食べ物の略語で、その名のとおりピーナッツバターとジェリーのサンドイッチ。アメリカでは誰もが知る国民食だ。

平均的なアメリカ人は、高校卒業までに2000個以上のPBJを食べるらしい。2000個って、単純に1年365日にすると、5年半毎日食べる計算になる。知る限りでいうと、実際学校のカフェテリア(食堂)のメニューにはPBJがあり毎日食べる生徒もいる。いわゆる、定番ランチだ。

なにを隠そう、わたしも無性に食べたくなることがある。ランチを前日から作っておきたいとき、小腹が空いたとき、なんでもいいから食べたいときは簡単に作れるPBJの出番となる。

手軽に作れるPBJに必要なのは、パンのスライス2枚、ピーナッツバター、好みのジェリーだけ。1枚にピーナッツバターをたっぷり塗り、もう1枚にジェリーを広げぴったりと合わせる。これが絶妙なコンビネーションなのだ。日本でいえば、ヤマザキのランチパック風なサンドイッチだ。アメリカ人の夫は学生のころ、ジャムでなくハチミツを塗っていたらしい。それじゃPBJじゃなくて、PBHになるが、まぁいいか。

ここでちょっと説明を加えると、ジャムは果実をベースに作られているのに対し、ジェリーは果汁ベースでなめらかさが特徴だ。どちらを塗るかは好みである。

密かなPBJファンのわたしだが健康的といえるかはわからず、先日夫に言った。「PBJってきっとヘルシーじゃないよね。」 夫は透かさず「原材料はピーナッツだけだから気にしなくていいよ。」と、やばいアドバイスが飛ばしてきた。とはいえ、ちょっとは気にしておきたいので、わたしはオーガニック製品と全粒粉パンでわずかな罪悪感を散らしている。ちなみに、夫はとつくにPBJから卒業している。

実際、アメリカのピーナッツバターの原材料はシンプルで添加物はなし、または少ない。例えば、Wegmans(ウェグマンズ)という東海岸にあるビックスーパーマーケットの自社ブランドだと、オーガニック製品の材料はオーガニックのピーナッツと塩だけだ。オーガニックでない安い製品では植物油などが含まれている。

サイエンスダイレクトというサイトのピーナッツバターに関する記事にこのような記述があった。

U.S. law prescribes that it be made at least 90% from peanuts.
アメリカの法律では、少なくとも90%以上がピーナッツであることが規定されている。

『Peanut Butter』sciencedirect.com

ピーナッツバターと呼ぶにはその規定に沿っている必要があるいうことだ。90%以上というだけあって確かにピーナッツそのままの濃い色で、ねっとりとクリーミーである。日本にはピーナッツクリームなる甘くて色の薄い製品があるが、それとはまったく違うわけだ。

不動の人気を誇るPBJ。Natinal Peanut Board(全国ピーナッツ評議会)によると、その歴史は100年以上前に遡る。

ピーナッツバターは1893年のシカゴ万博ではじめて紹介されているが、PBJのレシピがはじめて紹介されたのは1901年。ボストンのクッキングスクールのマガジンに掲載されたレシピで、このときはスグリという果実、またはクラブリンゴという小さな林檎のジェリーとのサンドイッチだったようだ。

それから年月が経ち、スライスされたパンの普及とともに、スライス済みパンの便利さ、ジェリー(ジャム)の甘さ、ピーナッツバターに含まれる高タンパクという3つの利点、長距離でも運搬可能である利点から、のちに第二次世界大戦で兵士の配給メニューとして生活の一部となったとあった。広く国民が食するようになったのは、戦後兵士が家庭にコンセプトを持ち込んだからとある。

さて、日本によくある「○○の日」というもの。アメリカにはないと思い込んでいたら、なんと毎年4月2日に「National Peanut Butter and Jelly Day」なるものがあった。アメリカで長年親しまれている代表的な昼食のPBJを祝うらしい。お祝いの仕方は、PBJサンドイッチを食べたいだけ食べる、PB&Jをあらゆるもの乗せて食べるパーティーをするなど、なんともアメリカらしい。

以下は「National Peanut Butter and Jelly Day」を取り上げたニュースのYouTubeだ。


実はアメリカの国民食PBJには歌まで存在する。子どもたちに人気のPBJの歌を2つお届けし記事を終わりにしたい。

1. ピーナッツバターアンドジェリー キッズソング(2:00)
子ども向けの歌。歌詞で作り方を説明している。

2. ピーナッツバターアンドジェリータイム(2:22)
着ぐるみはバナナじゃなくピーナッツ!


PBJ文化も、アメリカ人も、おもしろいです。

おわり

記事内の数字、歴史は下記サイトで読みました。

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