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私は間違ってしまったのかな
今日、とある駅でお金がなくて困っているアジア系の留学生に声をかけられました。
これで人生2回目です。前回も同じ駅で、同じような理由で声をかけられました。
右手には、彼の困窮状況が書かれた日本語のメモと、左手には、手作りのチョコがたくさん入った袋を持っていました。
「すみません...」
聞こえるか聞こえないくらいの声で声をかけられました。多分多くの人は、聞き逃す=無視してしまうんではないかと思います。
私は最初、声をかけられたことに気づかず、通り過ぎようとしましたが、何か話しかけられたと思い、
「はい」
と答えました。するとすぐ、メモを見せられました。
「お金がありません。チョコを買ってください。」
このような言葉が書かれていたと思います。
それを見て私は...
「すみません」と言って、その場を立ち去りました。
そのあと改札へ向かうまで、自分の行動をずっと振り返りました。
「私はいま、酷いことをしてしまった」
「お金なら無いわけではないのに、どうして断ったんだろう」
「なんて私は最悪人間なんだ」
そして私が断った瞬間の彼の表情が蘇りました。遠くを見つめ、「まただ。」と思っているようでした。
しかし、メモを見せられた数秒間の間に私の中で駆け巡った思考も同時に蘇りました。
「助けてあげたい」
「チョコ1ついくらするんだろう」
「彼は今お金がなくて大変だよね」
「力になってあげたい」
けど...
「私は今日、参考書に1万円を使ってしまった」
「ちょうど私も金欠になったばかり」
そして私が出した答えやっぱり、
「ごめんなさい...(買ってあげることができません)」
その後罪悪感に苛まれた。なんて酷い人間なんだろう...何もしてあげられなかった...
彼は今どうしているんだろうか。
誰か他の人が助けてあげてくれてるだろうか。他人任せにしてはいけないけれど、人にはそれぞれ事情がある。私は、その日、事情があってお金を出せなかった人たちの1人だった。
よくテレビで日本人の優しさ、温かさを紹介する番組があるけれど、私はその日、その“日本人らしさ”に欠けていた気がした。
でももし、また同じ場面にまた出くわしたら、今度こそは気持ちよくお金を出してあげられる。
うん。きっと。