自分のクセを知る。これからの書くを考える。
つい先日noterさんにお会いしたときに、最近noteはどう?楽しく書けてる?と聞かれた。
その場では、当たり障りのない回答をしたものの、自分のなかで、その質問がすこしぐるぐるしている。
折しも、創作大賞の発表があったタイミングでもあり、ものすごい受賞作品たちを読みながら、こんなすごい書き手がたくさんいるのに私はどうして書いているんだろうと自問していたときでもあって。
そんな折、自分のことを知るのによさそうなステキな質問集を見つけたので、質問に答えながら、書くことを見つめ直してみたい。
Q.1
noteをはじめてどれくらいですか
はじめて記事を書いてから、5年くらい。書くペースはまちまち。
Q.2
書くのをやめようと思ったことはありますか
noteで書くのをやめようと思ったというか、実際にやめたこともある。でも、また戻ってきちゃいました。
とはいえ、noteをやめている間も書いてはいました。仕事でも文章を書くことが多いです。作品解説とか、新聞記事とか、美術館からのニュースレターとか。
Q.3
書いてて嬉しかったこと
注目を集めたり、評価されることもうれしいけれど、それ以上に応援してくれる人や応援したいと思える人に出会えたのがうれしい。
大人になってから友達をつくるのは難しいと思っていましたが、noteでは年の離れた人や、遠くに暮らす人たちとも仲良くできてしあわせです。
Q.4
書いてて悔しかったこと
すごい書き手に出会うたびに、悔しい。
だけど、同時に、このすごさを味わえることがうれしくもある。
たくさん悔しがらせてほしいし、打ちのめされたい。そしていつか誰かを悔しがらせたいです。
Q.5
好きなnote書きさんを教えてください
たくさんいます。
私が一方的にこの人の文章が好きだなぁと思っている方もいるし、交流してくださって、温かさに触れて好きになる人もいます。
その人の言葉が好きなのと、その人が好きなのは違う気もするけれど、その人の言葉にはその人の為人がにじむから、ニアリーイコールな気もします。
Q.6
苦手なnote書きさんを教えてください
noteに限らず、大人げない人は苦手かな。
でも、大人げないのと、子どもの心をもっている人はちがいます。道ばたの花を摘んでくる母とか、水たまりを長靴で楽しそうに歩く夫とか、子どものような無邪気な人は大好きです。
大人げないというのは、人の気持ちを想像できなかったり、わかっていてわざと踏みにじったりする人。
私を苦手に思う人もたくさんいるだろうなと思うけれど、こんな私でも仲良くしてくれる人は大事にします。
Q.7
もしnoteを書いていなければどうなってた?
どうなっていたかなと、ときどきふとふりかえることがあります。
noteのおかげで、得たものがありすぎて、なんだかうまく想像できないくらい。
Q.8
noteフォロワーorフォローしている人と会ったことはありますか?
あります!
みなさんnoteからそのままぽんと抜け出してきたような、その人のつくるnoteの空気感そのもので、会うとにやにやしてしまいます。
ついこの前も大好きなお二人にお会いしてムフムフしてきました。
Q.9
名刺代わりの記事を教えてください
学芸員に戻る前に書いた記事なので、プロフィールや固定記事にはしていないけれど。
美術の話は難しそうと食わず嫌いせずに、美術なんてわからんという人にこそ読んでみてほしい記事です。
Q.10
これから書く予定のネタは?
くらしの話、ごはんとかインテリアとかおさんぽとか。
ずぼら家計簿のお話、好きな市販の味の話、東京美術さんぽのお話が下書きに入ってるなぁ。
雑誌のメインの記事じゃなくて、雑誌の後ろのほうにあるような、おすすめの本、映画、音楽の紹介みたいな記事も書いてみたい。テーマ選書、テーマ選曲みたいなやつ。
美術の見方・楽しみ方のゆるゆるレッスン(連続講座)みたいなものもやってみたい。
Q.11
あまり人気ないんだけど、自分的なオススメ記事は?
もっとスキの数が少ないものはほかにもあるけれど、この記事は珍しくコメントがつかなかった記事なのです。
むしろいつもたくさんコメントいただいていて本当にありがたいかぎりなのですが。コメントしにくい記事だったかな。
Q.12
あなたのnoteアカウントを漢字2文字で表すのなら?
渾沌
私の専門分野の美術の話もあれば、夫のかわいさを訴える記事もあり、かと思えば、シリアスな心情を描写したり、桃太郎ももちゃんが暴れたり、やりたい放題です。
ちなみに、四字熟語なら「玉石混淆」です。
Q.13
あなたのnoteアカウントに昭和アイドル的なキャッチコピーをつけてください
\うっかり⭐︎ちゃっかり/
Q.14
好きな作家は?
須田敦子、吉田篤弘、堀江敏幸、村山早紀、江國香織
Q.15
好きな本は?
須田敦子『ヴェネツィアの宿』
吉本ばなな『アムリタ』
江國香織『すきまのおともだちたち』
瀬尾まいこ『卵の緒』
村山早紀『カフェかもめ亭』
吉田篤弘『中庭のオレンジ』
恩田陸『光の帝国』『麦の海に沈む果実』
辻村深月『凍りのくじら』『スロウハイツの神様』
塩野七生『小説 イタリア・ルネサンス ヴェネツィア』
大島真寿美『ピエタ』
川上弘美『明日、晴れますように』
永井玲衣『水中の哲学者たち』
文月悠光『洗礼ダイアリー』
堀江敏幸『雪沼とその周辺』
本棚をパッと見て書いてます。好きな本はまだまだたくさんある。
Q.16
好きなマンガは?
カシワイ『光と窓』『風街のふたり』
たな『ごはんのおとも』
宮田ナノ『もしもし、こちらは夜です』
井田千秋『ごはんが楽しみ』
さくらももこ『コジコジ』
Q.17
書く時のあなたの座右の銘
書いた先に、読んでくれる人がいることを忘れない
Q.18
今日はマジ書けねぇ。けど書かなきゃなんねぇ。……何を書く?
そういうとき、私は無理してまで書かないかな。
私の場合、文章を書くときの心情がそのまま文章にも反映されてしまうので。
無理をするとなんだか息苦しい感じの文章になってしまうんです。
Q.19
「地球は青かった」みたいなことを言ってください
ぺこりんは今日もかわいかった。
ぺこりんというのは、私の夫です。
Q.20
スマホ派?パソコン派?
最近はiPad派。パソコンが遅すぎて。買い替えどきかなぁ。
Q.21
あなたのアンチに向けてひとこと
私を嫌うのは仕方がない。
あなたが悪いわけじゃないよ。
付き合う人は選べるから、好きな人と過ごしてね。
Q.22
記事を書く時の癖を教えてください
どこに向かうかわからないまま書いている。
基本的にいつも自信がないので、「たぶん」とか「かもしれない」とか多用しちゃう。
Q.23
このネタならいくらでも書けそう!どんなネタ?(読んでもらえるかは別として)
ぺこりんネタ
なんたって毎秒かわいいですからね、ネタが尽きないのです。
ぺこりんネタをいくらでも読める!と言ってくださる天使みたいな方々がいるので、需要と供給が一致しています。
Q.24
記事タイトルで煽ってください
Q.25
下書きのまま眠っている記事。どうして出せない?
書いている途中で、筆が進まなくなって。
タイトルだけの下書きとか、眠っている下書きたくさんあるなぁ。
Q.26
あなたの文章の書き方に感銘を受けた出版社が「本を出しましょう!」と文章本を提案してきました。どんなタイトルにする?
『DESCRIPTION 描写の技術』
ビジネス本のタイトルっぽく。
やっぱりそんな堅苦しい文章は書けなそうだから、『バズらなくていい!細く長く書くことを楽しむ方法』にしようかな。
Q.27
出版した本の初版の印税が400万円入りました。何につかう?
デンマークのルイジアナ美術館に行きたい。
あとは、家族で山分け。
Q.28
20年後のわたしへ。どんな書き出しで始める?
生きてるだけで100点。えらい、えらい。
Q.29
ドラえもんのひみつ道具。何がほしい?(わからなければ適当な想像でOK)
どこでもドアとほんやくこんにゃくとタイムマシン
ふらっと海外旅行したり、歴史を検証したりしたい。
Q.30
そもそも、どうしてnoteで記事を書こうと思いました?
自分が社会から必要とされていないと感じていたときだったから、どこかに自分の居場所を見つけたかったんだと思います。
Q.31
わたしの理想の書く環境
眺めのいい窓のある部屋。ワーグナーが滞在したというドイツのお城からの窓の眺めが最高でした。湖と森が見渡せて。
Q.32
こんなところで書いたことあります
お布団のなか。お風呂のなか。台所。
Q.33
エッセイ本を出版したとして、そのタイトルは何にする?
『えんぴつを走らせる音がきれいだった』
エッセイのタイトルではこれが好きなので。
Q.34
使ってみたいフレーズ・単語
文章を締めるのはわりと好きだけど、書き出しがステキにならない。
かっこいい書き出しで書いてみたいな。
Q.35
使わないだろうと思われるフレーズ・単語
品のない言葉はできるだけ使いたくない。
Q.36
好きな接続詞
でも
好きというか、よく使ってしまう。
Q.37
やめた方がいいんだろうけど、ついつい書いてしまう文の癖
ついついかっこつけちゃう。いい子ぶっちゃう。
正直に書いたほうがいいんだろうけど。
Q.38
ここで一句
おふとんが 心地良すぎて 出られない
Q.39
何回か書こうとしてるんだけど、なかなか書けない記事はありますか
美術の話。
学芸員になってから、気軽に書けなくなってしまった。
Q.40
音楽を聴きながら書きますか?どんな音楽ですか?
歌詞のない曲。ピアノ曲とか、クラシックギターの曲とか。
Q.41
創作物語は書いたことがありますか?どんな話か簡単に教えてください
あまり書かないけど、絵が出てくる空想のカフェのお話と、私設コンテストのためにしゃべる冷蔵庫のお話を書いたことがあります。どんな話だよ。
Q.42
回答するのがそろそろダルくなってきました?
インタビューを受けているみたいで、楽しいです。有名人になった気分。
Q.43
書く時間は決まっていますか?朝?夜?
いろんなスキマ時間に書いています。
お昼休みとか、お風呂のなかとか。
最近は、夜に書きあげて、朝に見直して投稿することが多いかな。
Q.44
質派ですか?量派ですか?
質派と言えるほど、質が高くないけど、でも質派。
書くということは、読む人の時間をもらうものだということは常に意識しておきたい。
でも、何のためにもならないお話も書くけどね。
Q.45
来年も書いていると思いますか?
書いているでしょうね。きっと。
Q.46
記事を書くためにしていること
本を読む。映画を見る。美術展に行く。写真を撮る。音楽を聴く。
おいしいものをたくさん食べる。
かわいいぺこりんを観察する。
たくさんインプットします。
Q.47
記事を書くためにしていないこと
書くルールをつくること。
しばられずに、のびのび書きたいので。
Q.48
読んでもらえるコツを教えてください
何度も読み直す。自分の文章や他人の文章を分析する。
でも、読まれない記事が必ずしも悪いとは思わなから、分析しすぎないようにする。分析しすぎると疲れちゃうし、かえってつまらない文章しか書けなくなりそうだし。
Q.49
読んでもらえない理由を教えてください
おもしろくないからかな。
この質問の主語は、私の記事で合ってますか。
ほかの人の記事が主語だと、すごく辛辣な回答になっちゃうんだけど。
Q.50
「私とnote」というタイトルで記事を書くとしたら、最後の一文はどう書く?
これまでも、これからも、ありがとう。
ふむふむ、自分のクセがわかったような、わからないような。
とりあえず、私は控えめなフリをしている、なかなかクセの強い人間だということが明らかになりますね。
だんだん質問に答えるのが楽しくなってきてしまって、書くことを見つめ直すという目的を忘れながら回答してしまいました。それでいいのか。
まぁ、でも書く醍醐味ってそこにあるような気もしますね。
開き直り。
どこに向かうかわからないから書いているというか。
書く過程が楽しくて書いている。
へぇ、こんなことを自分は考えていたんだなぁと気づいたり。
もやもや絡まった思考の糸を解きほぐせる瞬間があったり。
自分より優れた人がたくさんいるなんて、自明のことで。
だからといって、自分が書かない理由にはならないよね。
これからも、好きなことを、好きなときに、好きなだけ書こうと思います。