ノンマリ連載エッセイ「小さなドラマの小さな駒たち」 #3 コーヒーでルンバでもマンボでも
”おひとり時間をご機嫌に過ごすコツ”を綴った全12話の短編エッセイ集 ／ 作：田崎ゆきこさん
第3話
『コーヒーでルンバでもマンボでも』
私にとってコーヒーは、気をつけてつきあわなければならない、癖のある男友達だ。楽しいからと、四六時中一緒にいると、間違って男女の仲になってしまう。
もともと、コーヒーは大好きなので、油断すると、とめどなく飲んでしまう。カフェインの過剰摂取を抑えるべく、「目覚ましに」「食後に」「休憩中に」と、理由があるときに飲む。
手軽なテイクアウトのコーヒーより、自分でこだわりの銀色のポットで淹れるコーヒーが、メイクミーハッピー。コーヒーから立ち上る湯気が、私の足元をふわっと軽くさらってくれる。ステップなんて知らないけれど、足取りも軽やかに、踊りだせそう。覚醒作用のあるはずのコーヒーなのに、粋なダンサーを気取る気分になるのだ。
文：田崎ゆきこ
nonmari（ノンマリ）（https://nonmari.jp/）
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