見出し画像

【イギリス国内旅行】グレートウエスタン鉄道博物館&ロングリート・サファリパーク1泊2日①

長かった夏休みがようやく終わった。新学期早々、長女の学校で2泊3日の修学旅行があるという。新入生が多く入るこの時期に生徒同士の絆を深めよう、という目的の旅行らしい。旅行というより合宿といった感じ。いきなり「来週末合宿に行きます。強制参加です。」と案内が来るのはこちらでは普通なのだろうか。
5人家族がホテルに泊まろうと思うと二部屋必要になるが、子ども2人(4歳・6歳)を含む4人ならば一部屋で泊まれる部屋もあって安上がりだ。長女には申し訳ないが、これを好機に長女を除く4人で週末旅行をすることにした。行き先はロングリート・サファリパークがいい。日帰りで行けないこともないが、ロンドン北部の自宅からは車で片道3時間近くかかるので日帰りだと少々しんどいのだ。近隣に1泊して別の場所にも行こう。ドーセットで海が見たくてヨービルのホテルを予約した。

長男は旅行の前にしばしば体調を崩す。今回も旅行の4日前に胃腸炎になった。旅行が中止になる可能性を考慮してホテルはキャンセル可能なうちにキャンセルしておいた。前々日に復活したのでやはり出掛けようということになったのだが、同じホテルはもう埋まっていたし、ドーセット周辺で安い宿が見つからない。100ポンド以下でロングリートから車で1時間以内という条件で見つかったスウィンドンのホテルに泊まることにした。スウィンドンにはグレートウエスタン鉄道(以下、GWR)博物館があるので電車好きの息子がきっと喜ぶだろう。

当初は土曜日にロングリートに行き、日曜日にGWR博物館に行って早めに帰宅する予定だった。が、胃腸炎が家庭内で伝染しないとは限らないし、実際にわたしも何だか胃腸の調子が悪いので、チケットの購入は当日でも大丈夫だろうとたかを括って買わずにいたら、当日の朝サイトを見たときには売り切れていた。(金曜日の夜の時点では空きがあったのに。)
予定の変更を余儀なくされ、どこか今日行けそうなところはないかとGoogleマップで探す。GWR博物館は2〜3時間の滞在で十分なはずだから先にどこか別のところに行こうと思ったのだ。スウィンドンから近くて前から気になっていたケルムスコット・マナーは当然のように当日分は完売しているし、翌日サファリパークに行くので動物園系も除外。結局いい場所が思いつかず、スウィンドンに向かうことにした。

スウィンドン中心部に向かう前にスウィンドン西部にあるリディアード・パークという公園に行った。ロンドンに限らず、イギリスは公園や庭園がとにかく素晴らしい。その町一番の公園に行っておけば間違いないはずだ。
リディアード・パークではドッグショーが開催されていて、朝早くから多くの人で賑わっていた。そのせいか犬を連れた人が多い。犬と戯れることができて朝からハッピーだ。
水鳥のいる湖もあった。大きく成長した子どもの白鳥がたくさんいた。白い毛と灰色の毛がまだらに生えている。体は大きいがまだ幼いので他の鳥になめられている。親鳥がやってきて威嚇すると水鳥は慌てて逃げる。親の真似をして若い白鳥も威嚇する。白鳥って見た目は優雅だけど、気性は結構荒い。湖や池で水鳥を見て過ごすのは本当に楽しい。

この時期は至る所で白鳥の親子を見かける

湖のそばにはリディアード・ハウスというグレードⅠに指定されている建物があった。セントジョン家という貴族の一族がエリザベス1世の時代から約500年間住んでいたというパラディアン様式のお屋敷だ。まだ開館前だったので入らなかったが、現在は博物館になっていて中に入ることもできる。

お屋敷とカナダガンのコラボ

公園内を散策した後はプレイグラウンドで遊んだ。渡英した頃は二人とも怖がってばかりいたが、今では遊具の高いところに平気でどんどん登ってしまう。高所恐怖症のわたしは助けに行けないし、見ているだけでヒヤヒヤする。

公園を出てスウィンドン中心部へ。車を駅前の駐車場に停め、安心・安定・安価のウェザースプーン系列のパブでお昼ごはんを食べた。アプリで注文できるし、安いし、食べ物もそこそこ美味しいし、やはりウェザースプーンは優秀だ。
お腹も満たされたので、本日のメインイベントであるGWR博物館へと歩いて向かう。地下道を通って線路の反対側へ。地下道の壁にはSWINDON WORKSの文字がある。昔、スウィンドンにあったGWRの工場の名前だ。産業革命真っ只中の19世紀半ばに建てられて1986年に閉鎖した工場の建物の一部が今は博物館になっている。博物館の隣にあるアウトレットもまた、元は工場だった建物をリノベしたものだ。スウィンドンには産業革命時代の遺構がたくさんある。しかし、当時の繁栄の面影を残しつつも、通りには人が少なくて少し寂しい印象のある町だ。

博物館の入口にあるショップの上にガラス窓に描かれたブルネル(イザムバード・キングダム・ブルネル)の姿があった。やっぱりGWRと言えばこの人。GWR建設の総指揮を執った人物で、日本ではあまり馴染みがないが、過去にBBCが実施した「100名の最も偉大な英国人」アンケート投票では2位になった超有名人だ。
しかし、館内にはブルネルにフィーチャーした展示はほとんどなかった。前半はかつての工場を再現した没入型展示で、工場労働者(蝋人形)も随所にいる。後半にようやく本物の車両が登場するのだが、ここにも鉄道労働者(蝋人形)がいて、線路の分岐を切り替える仕事を擬似体験できるコーナーなんかもあった。ブルネルのような偉人ではなく、名もなき労働者たちにフォーカスしているのがよいと思った。

蝋人形がリアルでゾッとする

博物館ではちょうどRailway Festivalが開催されていて、イギリス中の鉄ちゃんが集まって自慢のジオラマや鉄道模型を展示していた。GWRの車両模型を操作できるコーナーもあり、うちの子どもたちも操作させてもらうことに。操作の仕方を教えてくれたのは、お父さんの趣味を見ているうちに自分も鉄道が大好きになったという感じの10歳くらいの女の子で、親子仲睦まじい様子が微笑ましかった。ジオラマ製作用の材料や道具などマニアックな商品を取り扱うショップの出店もあって面白かった。子ども向けのイベントというわけではなく、鉄道愛好家向けの本気のイベントだった。

DON’T TELL THE WIFEってのがいい

博物館には3時間くらい滞在し、次はお隣のアウトレットへ。ロンドンのテートモダンやバタシー・パワーステーションもそうだけど、イギリスには古い建物をリノベしたカッコいい建物がたくさんある。

蒸気機関車両も展示されている

通りは閑散としていたが、アウトレットには若い世代がたくさんいた。プレイエリアや施設内を走るミニ機関車もあり、親子連れで賑わっていた。(ミニ機関車の料金は1人3ポンド。子どもたちが特に乗りたいと言わなかったので乗らなかった。)子どもの服と靴を安く買うことができた◎

絶対に子どもを見失わない省スペース遊具が秀逸

行き当たりばったりの旅になってしまったが、総じて楽しめた。朝食付きで1泊90ポンドのホテルもエレベーターがとろいこと以外は悪くなかった。
(長くなったので次回に続く。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?