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メモ用詩『波斯の語り部』

アッタールは歌う
鳥の身体と
声を借りて
かのソロモン王より
賜いし冠を戴き
ヤツガシラは声を上げ
数多選ばれし
鳥たち率いて
長い旅に赴いた
スィーモルグ求め
数々の苦難のなか
ヤツガシラは
仲間を失い
救えぬことを歎いた
霊鳥を求め
たどり着いたとき
ヤツガシラ含め鳥たちは
自らの心に
スィーモルグがいることに
気がついた
アッタールは口を閉じ
夜空の月と星星を眺め
スィーモルグとなりし
鳥たちを懐い
涙を流した
星星は瞬く
スィーモルグの目は
今も我らを見守っていると
アッタールは再び口を開き
人々の心に
スィーモルグの羽を与えた