藤原夫人(藤原鎌足の娘 五百重娘(いおえのおとめ))
『わが里に大雪降れり大原の 古りにし里に ふらまくは後』(天武天皇)
わが里に今、大雪が降っている。あなたの古びた里に降るのは、また後のことだろう。
『わが丘の龗(おかみ)に云いて降らしめし 雪のくだけし そこに散りけむ』(藤原夫人)
私の住む丘の龍神に、いいつけて降らせた雪のかけらが、多分そちらにも散ったのでしょう。
私はこのやりとりが、何ともほほえましくて好きです。
天武天皇は、持続天皇とは同志の様な関係の夫婦でしたが藤原夫人に対しては可愛い人と思っていたのではないかと勝手に思っています。夫人も甘えて、こんな冗談を言って楽しんでいる感じ。
今は一夫一婦制で、あの時代の女性より幸せだけど、可愛い時があったり、同志の様に支えることが出来るたくましい奥さんであったり、両方持ち合わせられたら魅力的なんだろうと思います。
二人の関係がとてもいいと思ったけど、天武天皇の崩御後、不比等に嫁したということが、のちにわかった時は、ちょっとショック!!
私としては、亡くなった後も、愛した人の想い出を大事に生きてほしいと思うけど、あの時代にはだれか力になってくれる人がいないと生きづらかったのかな。
まっ!人それぞれだから、いっか!!
次は、大伯皇女(おおくのひめみこ)