ピリカさん企画 #曲からチャレンジ NO.3
ショートストーリー
「 … だから。 」
私の名前は遠野 桃花(とおの ももか)
この春から華の女子高生🍑
最近の楽しみは、ネットの時空間交流アプリのチャット。
そこで知り合った男の子と毎日、他愛ないメッセージのやりとりをするのが日課なんだ。
自分の生きてる年代を教えちゃうと、歴史が変わっちゃう危険性があるって事で、いつの時代に生きてるかは、わからないようになってる。
過去の事は、調べたらすぐにわかるけど、実際に話を聞く方が早いし、本当の事は、直接聞かないとわからない事が多いもんね。
あ、早速通知が来た。
繋(けい)くんだ!
繋くんは、多分過去の人で、今、同い年の男の子。
話をしていて飽きないし、密かに片想いをしてる。
普段は、淡々と話すんだけど、飼っている犬の話になると、デレデレで、一見クールに見えて、実は優しい男の子。
ふむふむ。
相談?
何なに?お姉さんに話してごらん?
同い年だけど(笑
バイトで作って売ってる【スキ】っていうサプリみたいなものが、なかなか売れないのか。
(【スキ】なんて言葉が出てくるから、一瞬ドキッとしちゃったじゃん💦)
落ちつけ、私。
たぶん、あのスキとは違うから。
「【スキ】って何? 」
単刀直入に聞いてみた。
返ってきた答えからみるに、やっぱり繋くんは、過去の人だ。
食糧問題…っていったら、2000年初期の頃かな。
ふむふむ。あぁ、なるほどね。
その時代は、食糧がなくなるって考えられてたんだもんね。
それで、ハートのエネルギーをサプリにして売ったり、買って飲んだりしてたんだ。
それは、それで、すごい革命的な発明なんだけど…
知らないんだよね、当時の人は。そんな事しなくても…
あっといけない。歴史に影響与えたら、垢BANされちゃう。このことは、話したらダメだから…
味、だったよね。アドバイス、アドバイス…
「 優しいのは流行らないかな? 」
そんな訳ないじゃん。むしろ、それが一番大切なことだってわかって、今ではその優しさが、とても貴重だとされてるんだよ。
私が繋くんを好きになったのも…
絶対に変わっちゃダメ。
私は、なんだか告白するような気持ちになりながら、こう書いた。
「 優しい味が好き。 安売りはしないで 」
ついでに、最近開発された、香りつきのハートマークの絵文字を添えて。
桃香だからね。気付いてくれるかな?
「 届くといいな 」
桃の香りをのせたメッセージは、小さな飛行機のマークに乗って飛んで行った。
返事を待たず、ベッドに転がった私は、しばらくジタバタ後悔した。
わぁ〜やっちゃった💦
変な風に思われなかったかな?
嫌われたらどうしよう💦
でも…
〈 伝わるといいな。 〉
開いた窓から吹く風は、ちょっとだけ
爽やかで涼しいミントのような香りがした。
しばらく、あれこれ繋くんの事を考えながら
うとうとしていると…
不思議な夢を見た。
繋くんと私が同じクラスで、
毎日会って話が出来て、
前の席に座る彼の背中を
これまた、うとうとしながら見てる私。
かっこいいなぁ。
って顔も知らないのに。
でも、たぶんかっこいい。
かっこいいから、好きなんじゃなくて
好きだから、かっこいいん…だ…
明日こそは…
明日こそ…
また明日…
おやすみ、繋くん… zz
好きだから/ ユイカ LINEミュージック
YouTube
spotify
♡♡♡
ピリカさんの企画、曲からチャレンジを知った時にちょうど、LINEミュージックで見かけて、聞いていて、胸キュンな感じがすごく懐かしくて、こちらで作ってみようと思ったのですが、なかなか進まず、半分書いて下書きに。
それで、最初のチャレンジ、こちらを書いてみました。
書いたあと、やっぱりこれに対するお話が書きたくなって、2つで1つのストーリーにしてみました。
曲自体にもう素敵なストーリーがあるので、妄想みたいなものですが、高校生に戻ったら、こんな胸きゅんな恋をしてみたいなぁと^ ^
実際は、部活、部活の毎日で、ボールが恋人のような青春時代だったのですけど。
文章はともかく、可愛い歌なので、聴いてもらいたい曲です^ ^
2022/3/14
続編
【ピリカ文庫】
ピリカさん、ありがとうございました✨
いただいたサポートは、本を買ったり、美味しい笑顔のための資金に使わせていただきます!まだ見ぬあなたに感謝です🙏✨