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「教養がないと楽しめないのよ」

「教養がないと楽しめないのよ」は
良い言葉だと思った。
生まれてはじめて直球でそう言われた。

一言一句そのまま。

「教養がないと楽しめないのよ」

そう私に教えてくれたのは

私に「キリンとカバは、どっちが品があるの?」と問うてきた他人のばーちゃん2号だ。

もちろん年寄りだから価値観に異論はある。

でもすべての人間は、その時代の教育からは逃れられないので、私はイラッとしても
「そうですね」と返すようにしている。

このばーちゃんは、基本的に美しいものが好きである。

ルッキズムバリバリで、ばーちゃん2号が、SNSをやっていたら3日以内に炎上すると思う。

でもこの世代は(90歳台)
女は、若さと、綺麗が正義だと、ナチュラルに信じている人が多いです。

結婚と子供が全てです。

意外と働くんだけどね。
戦争を経験してるから「必死に働いたよ」というばーちゃんが多いです。

生存バイアスは当然かかってるが・・・

「貧しかった」と本人が言うわりに・・

基本的に90歳すぎても美人で、身なりも綺麗で、高い服を着ています。

色が白くて、子供や、孫たちは全員留学していたりする。
2号は学歴廚です笑。

子供の中に医者が必ずいます。
孫の中にも医者が、ちらほらいます。

社会的地位が高いです。
だから綺麗に長生きしています。

本人は、全員背が低いのが特徴です。

戦争中だったから、何も食べられなかったんだって。

今生きてるばーちゃん達は7番目の末っ子だったりして、戦争末期生まれだから食べ物が、まったくない世代なんだよね。
「大きくなれなかった」とよく言われる。

経営者なんだよね。今でも会長。
名誉職で今でも毎月金が入るのだ。

夏に会社の受付でペンを貸したら

「あなたの腕!!!真っ白で綺麗ね!!」と言われた。

「あー、えへへ」

「毛が、まったくない!!!なんでこんなに綺麗なの!!私の腕はシミだらけよ。本当に綺麗な肌ね。触っていいかしら?」と言われる。

「どーぞ笑」

触りたいばーちゃんは多い。

いきなり無言で触ってくるばーちゃんにも会ったことがある。

ばーちゃんになると、前頭前野や扁桃体が弱ってくるんだろうなと思う。

欲望を抑えられない笑。

まったく知らないばーちゃんの前に並んでいて(八百屋が開くのを待ってた)無言で腕を触られたときは、少しびっくりした。

でもばーちゃんだしね・・・ちびっこだしね。。威圧感はない。
エロもない。

「すべすべだねー」と言われた。

「ですねー」
と返した。

ずっと私の腕を触ってくるので、私も触ってやろうと思って。

「おばあちゃん背中痛くない?」と聞いてみた。

「痛いねぇ」

「そうだよねー」
私は、ばーちゃんの許可もとらずに、ばーちゃんの背中を勝手にさすった。

こっちは生で、直で触られとんねん。


なら、わいも許可は、とらんわの精神です。

ばーちゃんは、Tシャツの上に、スモッグみたいなものも着ていた。

真夏なのに笑。蒸されるやろ笑。

私は、ハムスターを撫でる感じで、知らんばーちゃんの背中をなでなでした。

そしたら、ばーちゃんが私に向かって手を合わせて

「ありがとね・・私みたいな・・こんな汚いババアを触ってくれて」

突然の自分のババア呼びに、びびったけども笑。

「若いのにねー。こんなババアを触ってくれるんだね。人に触られるって、嬉しいことだよー」と言われた。

ええ。。。なにその告白。

私、泣いちゃうわ・・

ばーちゃんの家どこよ。

色々思うことはあったが、静かにした。



で、今回は、ばーちゃん2号に、なでなでされる。

「うわー、綺麗な肌ね。めちゃくちゃ綺麗ね。あなたは、お顔も綺麗だものね。絶対に大企業に就職してお金持ちの家に嫁ぎなさい」と言われる。

すげええええええええええ90代 
 Σ( ̄ロ ̄lll)

角度!!!

角度が鋭角すぎるんじゃあああああああああああああ

「あ・・・はい」

逆らったらだめや。。。
話し合いが出来る人じゃないし、そういう関係性でもない。

で、色々聞かれた。

家庭用脱毛器があるんですよーとか話した。

えーいいわね。いくら?みたいな。

ばーちゃん2号は、美意識が高いんだよね。
普通にギャルトークした。

70歳以上差でも、話しがあうんか・・
すごいな美容女子。


ちなみに今頃「愛の不時着」に、はまっているらしいです。 

自分で言ってた。
「今なのよ。みんなに笑われる」

可愛くて草。

見たことないし、興味もないけど・・

私でもタイトルだけは、知っているから好きなマダ厶は多いよね。

90代でも見てるは草。

2号は、私の容姿をいつも褒めてくれる。

はじめて会った時に「あなたは本当に綺麗ね。良い所にお嫁にいくだろうね」と言われた。

Σ( ̄ロ ̄lll)

第一声がそれ・・・・

「はぁ。首が長くて綺麗だねー。背も高くて、色も白くて本当にお人形さんみたいだね」

ちなみに私は色白ではない。網膜捨てたんか!

今の若い子は全員細くて、顔が小さくて、手足が長いから、これはめっちゃ言われる。
私以外も全員言われてると思う。

スタイルが違うんだよね。

90代とは腰の位置が違うと言われる。

2号が自分で言ってた。

「あはは」
私は、照れて首を両手で隠した。

「男の人が、ほっておかないね。首が長いから品があるよ。立っているだけで絵になるねぇ」

めっちゃ褒めるやん。。

リード文が、きもいけどwww


「あはは、首が長いと品があるんですか?
私は首が長いのがコンプレックスです」

ちょっと理由が聞きたかった。

私は中学生の時、授業中に、お喋りな女子に

クラス中に響き渡る声で

「〇さんって、首長族なんじゃない?」と何の脈絡もなく言われたんだよね。

授業が何だったのか覚えてないけど・・・

ディスカッションタイムだったのかな・・

先生はいたけど、みんな席には座っていて。

自由発言ができる時間だったことだけは覚えてる。

レクタイムだったかもしれない。

覚えてない。

先生が、まずどっとふいた。

そしたらこれは笑っていいことなんだとクラスの雰囲気がなり・・

「まじだー。首長げー」と先陣を切った隣の席の女子が、私に向かって叫んだ。

その二人は親友です。

「あははあははは」とクラス中が、授業中に私の長い首を見て笑った。

なんだろう・・・
今、書いてても泣きそうです。

私は、真っ赤になって何も言えなかった。

すごーくびっくりしたんだよね。

なんだろう・・・

うーん・・

よくわからん感情よね。

まー、思春期だし。多感な時期だったからさ。私も悪いよね。
今ならうまく返すわ。

私は目立つのは好きじゃないから、注目を集めたのは純粋に嫌だったと思う。

私は無言で座ってただけなんだけどね・・・

先生にはひいたがそんな奴なんで、とくに無やね。

職業先生乙です。

無能なので教師以外にはなれない。

そういう人は存在する。

学校からでたことないから精神的に幼い。

それからどうしたのか覚えてないけど・・

翌日から登校しない!!と泣くほど繊細でもないし・・・

とくに、その後は、何もなかったと思う。

その子は思った事を授業中に喋っただけだね。


2号は、私に真顔で「キリンとカバは、どっちが品があるの?」と言ってきた。

「キリンですかね・・・。カバも好きですけど・・・」

「キリンのほうが品があるでしょ?首が長いからよ」

ワロタw

私は、よく人に「品がある」と言われるが、長い首のせいだったのか・・・

そういえば「あなたの首は蛇みたい。きもい」と言われたこともある。

ひどっwwww

誰に言われたか忘れたけど、中学か小学か・・・

同級生の女子に言われた。

良い気分ではなかった。

でもキリンはそんなに嫌ではない。
2号に悪意がないからだろうね。
褒めの対象がキリンなのだ。

でもカバを引き合いにだしてほしくないとは思った笑。。

私はカバ好きやで。つるぷよwww

くぁえええええええええええええええ

カバを引き合いにださんといてええええええええええ

キリンすげええええええ

レオパード柄のせいで、エルメスのような高級感!!!!

ワロタ。
キリン品ありすぎ。

2号はお茶会にも誘ってくれる。
「男の子はダメよ。女の子だけね」と言われる。

暗に男の子は野蛮みたいな言い方をされる。

いや、あいつらも高校生やで・・・

茶室で座って、茶くらい飲めるようになってるわ・・・と思う。


いつまでも少年ではない。

「華やかな格好でお越しになってね。それが美人の務めよ」と言われる。

務め:これは「役割」や「責任」を意味します。例えば、「美人の務め」と言えば、美人としての役割や責任を果たすことを指します。

要は壁の花になるなと注意されている。ニコニコして配膳を頑張れと言われている。

勤め:これは「仕事」や「職務」を意味します。例えば、「美人の勤め」と言えば、美人としての仕事や職務を果たすことを指します。

パーティーとか受付とか、華やかな業務

努め:これは「努力」や「尽力」を意味します。例えば、「美人の努め」と言えば、美人として努力することや尽力することを指します。

綺麗でいる義務

褒められているが、胸糞悪くて草。

「季節を意識したお着物で」

で、他人をディスる。
この人は誰かを褒める時、ナチュラルに誰かを貶す人なんだなと思う。

逆かも。

私を褒めているふりをいて、攻撃したい女がいるのかも・・・

90歳になっても女の怨念・・・
こええええええ

わい、しっこもらすわ・・

でも私から、付き合いを断てる関係性の人ではないです。

でも毎日会うわけじゃないしね。
適当に付き合ってる。

「舞台を見に行きたいので、荷物持ちをしてほしいの」

「はい」

黙ってついていった。
行きたくはなかったけど・・

断れるものでもない。

実際は、当日に荷物はなかった。(真に受けた私はネコだった)

でも舞台終わりで、お土産は配られたので、それは2号の分も持った。

軽い。

ぜんざいとか、歌舞伎揚げみたいな軽いお菓子の詰め合わせを私は2つ持った。

でも全部タクシーで移動したし・・
楽だった。

まぁ、これを持つために私を呼んだとは思えない。

多分、私への気遣いだったのだ。
私はお金を1円も払っていない。

私と、二人で舞台を見たかったのだなと思った。

孫も娘もいるのに・・・・

道中いろんな舞台や、文学の話をされた。

知っている話が多かったけど、浄瑠璃の話は面白かった。

「そうなんですねー」
「お好きなんですねー」
と私は相槌を打ちながら適当に聞いた。

で、いくつか質問された。で答えた。

知らないことも聞かれたけど。

「どうしてだと思う?」と言われたので
「乾燥から守るためですかね」と推論で答えた。

2号が「あなたは、やはり教養があるわね。賢いわ」

「ありがとうございます」←基本、褒め言葉は否定しない女です。

「本を読む方ね。素敵だわ」
「ありがとうございます」

「美術館とか、博物館とか行くわよね?」
「はい、好きです」

「ご両親が立派だわ」

これも嫌だわ・・・

私も立派ではないし。
子供の手柄=親の手柄文化きもいーーーーー

親とは、別人格でやらせてもらってますになる。

「舞台をご覧になるのも、初めてではないわよね?」

「ええ、何度か・・」

「東京にお住まいでしたよね?」
「ええ、昔」

「舞台がたくさんあるでしょう?」
「そうですね」

ちょいちょい登校してなかったから、そういや舞台をたくさん見たわ。

東京に住んでる時は、舞台を見に行くという文化があった。

田舎にはない。
施設もないし、機会もない。

「大きい舞台だけではなく、役者の卵みたいな方の舞台もたくさん見ました。ひまだったんです私」

「いいじゃない?舞台を選択肢に入れたことが素敵だわ」

「小学生でしたからね笑。無料や、招待券の時もありました」

「両親に感謝しなさい。教養はお金だけでは身につかないのよ」

これは深いなと思った。

教養って、お金だけでは身につかないんだ。

まー、でしょうね。。。

何を見ても、何をしてもダメな奴はダメよな・・・

感性が死んでるとか、思考力がないとかいるもんな・・・

「私、今日はあなたとご一緒できて、とても楽しかったわ」

「私でもです。貴重な経験を・・・ありがとうございます」

「年寄が誘って、二つ返事なのが可愛いわ。普通は誘ってもこないもの」

あはは・・
こないんだ。

だから荷物を持ってだったのかも。
可愛いとこあるなこの人。

「教養があるって素敵なことよ。だって教養がないと、今日の舞台は見ても意味がわからないの。教養がないと人生って楽しくないのよ」

なんかズバッときた。

悪い意味で言ってないと思う。

これからも心を磨いてねみたいなことも言われた。

本を読んだり、旅行をしたり、芸術に触れて生きて行くのよと言われる。

「それに、それが平和ということなの」

深い・・・

2号深い。

「いつも綺麗でいなさい。肌は焼いてはダメよ。あなたは、きっと玉の輿に乗るわ」

うわ・・・

しゃーないか・・・

これが2号にとっては最大の私への賛辞なんだと思った。


最後は嫌な気分になったけど・・・


「教養がないと人生は楽しめないのよ」は
素敵な言葉だと思った。


私の人生は、まだ始まっていない。
もうすぐ朝になる。

自分の魂に
「教養がないと人生は楽しめない」
と刻印した。