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自分が正しいという概念を捨てる

『他者と働く「分かり合えなさから始まる組織論」』
を読みました。本書はとても分かりやすく、他者との関係性やより良い組織を作るのにどうすればいいのか?といったことが書かれています。内容の要約を下記に記載します。

他者と働く

世の中の問題には技術的問題と適応課題があると本書で述べています。

技術的問題とは、既存の知識・方法で解決できる問題です。これはハウツーの問題なので日常生活の落とし込んで考えると、おいしい水を飲むにはどうしたらいいのか?とか、みんなで簡単に情報共有するにはどうしたらいいのか?みたいな問題です。

適応課題とは、関係性の中で生じる問題であり、知識の有無や技術的な可否ではなく、自分自身のものの見方を変えたり、周囲との関係性が変わらなければ(=適応できなければ)解決できない問題のことをいいます。
科学技術が発展したこの世界では、技術的問題はほとんどなくなりつつあります。逆に、適応課題は山積みです。

適応課題を解決するには対話をする必要があり、本書では「新しい関係性を構築すること」を対話と呼んでいます。

そして、対話にとって一番大事なのが、お互いが分かり合えないことを認めることです。

関係性の中で適応課題が生じた時に、相手を変えるのではなく、こちら側が少し変わる必要があります。そうでないと、そもそも背後にある問題に気をつけず、新しい関係性を構築できないからです。

本書ではこちら側のナラティブを変える必要があると書いています。ナラティブとは和訳すると「物語」です。その人たちが置かれている環境における「一般常識」のようなものです。「普通〇〇やのに。」みたいな言葉を発すると時に、その人にとってのナラティブは〇〇ですが、他の人に当てはまるとは限りません。こちら側のナラティブに立ってみると相手が間違っているように見えることがありますが、相手のナラティブからすればこちらが間違って見えていると言うこともあり得るのです。

その溝を埋めるために4つのプロセスがあります。
「準備-観察-解釈-介入」です。

このプロセスは、まず相手との溝に気づき、相手がどんな環境にあるのかまたはどんな言動をしているのか観察し、どんな内容であれば相手が受け入れられるのか、こちら側と相手側の溝を埋める架け橋となるのか解釈し、実際に行動を起こして介入するプロセスのことです。
もしうまくいってない箇所があったらもう一度、観察のステップに戻って、解釈-介入とプロセスを回します。PDCAサイクルに似てますね。
そして最終的に対話を通して「半脆弱的」な組織を目指すことがゴールになります。簡単に言えば、いろいろな問題が困難に直面すればするほど強くなるような組織ですね。

また、本書では対話をしている中で陥りやすい罠として5つを挙げています。
1)、気づくと迎合になっている
2)、相手への押し付けになっている
3)、相手と馴れ合いになる
4)、他の集団から孤立する
5)、結果が出ずに徒労感に支配される

自分が正しいと言う概念を捨てる

この本を読んで、一番大事なのは相手と自分にナラティブの違いがあることにまず気づく必要があると言うことを理解しました。
つい最近、先生シェアハウスに関わってくれている友人と言い合いになりました。最初は相手の考えを受け入れられなかったのですが、今思うと相手との溝ができていたことを早く認識できていればより良い関係が気づけたのかもしれません。
「自分が正しい」という概念を捨てて自分と相手の考えの違いはどこかな?という考えにならないと良い関係が気づけないのでしょう。
私は、先生シェアハウスでコミュニティーづくりをしていますが、いまだにより良い人間関係を築くにはどうしたら良いのかよく悩みます。笑
仲良くなればなるほど、相手の考えに迎合しがちです。自分の考えとの違いを話すと関係性がこじれそうで、なかなか対話の場を設定することができません。
でも、より良い関係性を構築するために対話することを恐れないこと。自分の考えを相手に押し付けないこと。
それらを意識してより良いコミュニティーを作っていきたいと思います。
あと、コミュニティーの話で書いていますが、これは学級運営や学校運営も一緒だと思います。人との関わりの中でより良い関係を構築するには相手との違いを認め対話する必要があるということでしょうね。



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