対話ベースの授業
ある中学校の公開授業に行ってきました。
1から3学年全クラス一斉公開の授業で、教科は「よのなか科」。
よのなか科とは答えのない問いをみんなで対話することでこれからの社会で生きていく上で必要な情報編集力を身につけようと言う教科です。
詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
「どうすれば稼げる大人になれるのか?」
「面接試験合格するコツは?」
など、ウェブサイトに記載しているテーマ設定についてはちょっと違和感がありますが…
公開授業で対話したテーマは「救急車を有料にするのは賛成か反対か?」です。
流れとしては
1)賛成か反対か自分の立場を表明する
2)グループで対話する
3)有料化の議論が巻き起こっている背景を先生から説明する
4)再度、グループで対話する
5)ワールドカフェ方式で他のグループでどんな話が出ているのか情報収集しに行く後、
6、市内の救急救命士の方へインタビューしている様子をモニター越しに視聴する
7)まとめをワークシートに書く
といった流れでした。
対話には公開授業に参加していた先生や保護者も参加していました。
異年齢で話し合うことで様々な考えを聞き、対話深めるための仕掛けですね。
実際、自己判断で軽症なら救急車を呼ばない、重症なら呼ぶようにしたらいいと話していた生徒に対し、小さい子どもがいる親は子どもが熱性痙攣を起こしたときにパニックになって救急車を呼んでしまった話をして、救急車を呼ぶべきかどうかの判断をその場でするのは難しいと話していました。
今回の公開授業を見て感じたのは答えのない問いを話し合うのは、みんな楽しそうでした。自分の意見を身振り手振り使いながらきっちり伝え、相手の意見を尊重しながら自分と相手の立場の違いを考え、みんなの話を聞いた上で自分がどういった立場に立つか真剣に考えていたのですばらしい授業だなと感じました。
一方で、考えて意見を表明するで終わっていたので、この問題に対して自分ができる事は何か?を考えるところまではいってなかったので、次回はぜひアクションベースでの対話をしてもらえたらいいなと感じました。
また、教科学習を一斉講義型から子どもたちが主体的に学んで仲間と対話しながら考えを深めるような授業に転換していく前段階として、対話して自分の考えを表現するのを目的とした教科をまず導入して、対話の良さを先生も子どもも感じた上で、少しずつ教科学習と関連を持たせていって、教科学習も対話ベースの授業になっていったらいいなとも感じました。
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