全国の先生たちと若手を育てる研修会を開催しました。
朝の9時から17時まで研修をして、
研修の満足度から自然と大きな拍手が起きたのは初めてでした。
今年度、日本体育大学柏高等学校にて全国の素晴らしい実践をされている先生方とともに一定期間若手を育成する研修プログラムを導入しています。本プログラムは助成金対象なので、学校の負担感を極力下げる形でおこなわれています。
多くの学校から要望をいただき、その研修プログラムの1部分を切り出して外部の方々も参加できるようにした研修を開催しました。
テーマは「探究」
午前中は、総合的な探究の時間について学び、
午後は教科を探究的にするための授業づくりについて学びました。
総合的な探究の授業について学ぼう!知る・体験する•創造する
1.探究に取り組む3つの意義を知る
まずは、探究の基本的な知識や、その意義を東北学院大学の稲垣教授からお話しいただきました。
「そもそも探究とはなんですか?」というシンプルな問いかけから始まり、最後に探究に取り組む意義について3点でお伝えいただきました。
学び方を身に付ける
教科の見方、考え方を活用する
生徒主体の授業への転換
2.システム思考を体験的に学ぶ
その後はワークショップとして瀬戸SOLAN小学校の横尾先生から因果ループ図を用いたシステム思考を学べるワークショップをしていただきました。
「気候変動」をテーマに取り上げて、その要因は何なのか分析し、可視化する方法を学びます。そして、大量生産大量廃棄に大きな問題があることに改めて気づく時間となりました。
3.社会情動的スキルを体験的に学ぶ
次に、かえつ有明中学校・高等学校の田中先生から社会的情動的スキルの育成に着目した対話のワークショップをしていただきました。話し手と聞き手に分かれて、高圧的に話したり、否定的に聴くなど役割に応じて様々なミッションを田中先生に与えられながら対話をするワークをしました。相手次第で話の深まり方が違うことを体験して、対話の必要性を学びました。
最後に、田中先生の教え子の方が対話について語ってくれました。
「コミュニケーションを円滑にするだけでなく、相手がどのようなことを伝えたいのか考えるようになるので、身近な人との関係性が良くなります。対話のスキルを身に付けると幸せになれます。」とお答えになられたのがとても印象的でした。
4.より良い総合的な探究の授業を創造する
そして、午前中最後のワークとして受講者である若手の先生とかえつ有明中学校・高等学校の生徒さん達とで「より良い総合的な探究の授業のあり方とやり方とは?」について話し合いました。
探究の基礎知識を身につけ、課題を発見し解決していく術としてシステム思考を学び、社会課題を解決したいと思える心の育て方を学ぶ。
受講者たちは午前中だけでお腹いっぱいの状態です。
教科を探究的にするための思考コードの活用方法を学ぼう!
しかし、ここで手を緩めないのが本研修の凄いところ。
午後からは教科を探究的にするために思考コードを使って問いづくりをしました。
思考コードの説明について下記をご覧ください。
受講されている先生方は、最初は知識理解思考の部分しか問いを作れなかったのですが、近くに座っている仲間と話し合い、講師からもアドバイスをいただきながら、全員が9つのマスを埋めることができていました。
コンフォートゾーンから抜け出すための交流会
そして、最後に校外に横のつながりをつくり、今後も刺激しあえるような関係性を得てもらうために交流会をしました。
日頃から多くの先生と話しますが日々自己成長をし続けている人には特徴があります。学校外に仲間が多くいて、外との繋がりを日頃から求めている先生は常に成長し続けます。逆に日頃から勤務先と家の往復しておらず校内にしか同僚がいない先生は成長しません。
人は慣れ親しんでいてストレスや不安を感じずに過ごせる心理的安全領域であるコンフォートゾーンの中にいる間は成長できません。
少しストレスはかかってもコンフォートゾーンから抜け出し、刺激をえることによって人間的器が成長します。そのきっかけとなる機会を交流会では提供するのが目的です。
受講者の感想
1日かけて探究に必要な要素を全て学べる研修だったので、先生たちは満足感のあまり終了時に自然と大きな拍手をしてくれたのでした。
受講された先生方の満足度が分かる感想を下記に抜粋します。
若手を育成する意義とは
日本中で教員のなり手不足はどんどん深刻化していってます。
2013年度は18万人いた公立学校受験者数が22年度は12.4 万人になっています。
採用倍率もどんどん下がっていってて、昨年度は大分県の小学校教諭採用倍率が1.0倍になりました。
このような教員のなり手不足のあおりを受けて、多くの私学が教員採用に苦労しています。
にもかかわらず、せっかく入ってきてくれた若手をきちんと研修したり育成をしないので、雇用の流出が止まりません。
下記のグラフでは、若手の退職理由の1位が「キャリア成長が望めない」になっています。これは、キャリアパスを明確化することや、今の立ち位置でどのように成長していけばいいのか、示せていないから退職しているのです。
様々な問題が複雑に絡み合っているので、簡単には解決できませんが、助成金をうまく活用しつつ、外部人材と一緒に若手を育成していくのは、大変重要だと私は考えています。
若手が成長すれば、子供たちにより良い教育ができます。子供たちが成長すれば、近い未来に社会を良くするための影響力を持つ人が増えます。そのような良いサイクルをつくりより良い社会を築きます。
そのような循環を一緒につくっていきませんか?
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