「自演自作」教員研修会報告書
神奈川県私立中高協会国語科研修会 実施報告
開催概要
日時:2024年8月26日(月)10:00から12:00
場所:神奈川県私学会館
主催:神奈川県私立中高協会
講師:野中潤(都留文科大学 文学部国文学科教授)
テーマ:「GIGA端末と生成AIが変える国語教育~偏差値ランキングが失効する時代のとびら」
1. はじめに
本研修会では、GIGA端末や生成AIが国語教育に与える影響について深く探り、これらの最新技術を活用した教育の可能性を参加者と共に考察しました。講義とワークショップを組み合わせた構成により、理論と実践の両面から学ぶ機会を提供しました。
2. 基調講演
基調講演では、以下の主要なポイントが強調されました:
技術革新の歴史的影響: 蒸気機関や活版印刷が社会を変革したように、ICTや生成AIも教育を根本から変える可能性があること。
言語とICTの役割: 言語が人間の認識や文化形成に寄与してきたように、ICTも教育の質を変え、新たな学びの形を創造する触媒となり得ること。
教育実践におけるICTの重要性: 教室内での学習時間(アクチュアルラーニングタイム)を最大化するためのICT活用の可能性。
3. 実践ワークショップ
講演に続き、参加者は以下の実践的なワークショップに参加しました:
(1) クラウドツール活用セッション
Googleフォームとスプレッドシートを使用した情報収集と共有の体験。
Googleドキュメントを用いた「ごんぎつね」の協働読解活動。
(2) 生成AI体験セッション
特設サイトを通じた生成AI(ChatGPTなど)の多様な機能体験。
物語設定の説明、神話と伝説の比較表作成、ルーブリック表の生成など。
県内私立小学校での生成AIを用いた原稿推敲活動の実証実験紹介と体験。
(3) NotebookLMデモンストレーション
「羅生門」などの定番教材を用いたNotebookLMの機能紹介。
教材の自動要約、質問応答、内容読解問題の自動生成など。
参加者自身によるNotebookLMの体験。
4. 生成AIの展望と国語教育への応用
ワークショップ後、野中教授は生成AIの今後の可能性について言及しました:
膨大なデータの瞬時分析と創作支援の可能性。
マルチモーダル技術の進展と国語教育への応用。
5. まとめと今後の課題
本研修会を通じて、参加者は以下の点について理解を深めました:
生成AIやクラウドツールが教育の質を高める重要な要素となり得ること。
これらの技術を効果的に活用するための教員のスキルアップの必要性。
国語教育における生成AI活用の多様な可能性(創作、分析、フィードバックなど)。
6. 結論
本研修会は、最新のICT技術や生成AIを活用した国語教育の可能性について、理論と実践の両面から探求する貴重な機会となりました。参加者は、これからの教育に向けた具体的なイメージと実践的なスキルを獲得しました。今後も、こうした技術を積極的に取り入れ、国語教育の質をさらに高めていくための継続的な取り組みが求められます。
本報告書が、今後の指導や研修の参考となれば幸いです。