社会人になる前に出会えてよかった。 #超言葉術って?
「読み終えてしまうのが、寂しい。」
こう思える本に出会える機会は、滅多にない。
ページをめくる手はわくわくして、読みたい読みたいっ!と踊っているのに、それとは逆に、あとこれしかないのか…と本を閉じて何度も残りのページの量を確認してしまう。終わってほしくないなぁと思う。まるで、ジェットコースターに乗っているような気持ちだった。(私はジェットコースター大好きなので、悲鳴をあげながらも毎回終点が見えると寂しくなっている。笑)
私が尊敬しているコピーライター、阿部広太郎さんの著書「コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術」は、その滅多にない本の中のひとつになった。
読み終わった後、私は本の最後のページに、読了した日付と、感じていることをそのまま書き残した。社会人になって社会の荒波に揉まれたとき、この本をまた読み返すだろう。でもきっと、その時は今と違うものを感じているんだろうな。本の深みも、もっと増しているかもしれない。だからこそ、今の純粋な気持ちを連ねようと思った。
結局思ったことが多すぎて最後のページに書ききれなかった、というのと、ぜひみなさんにも読んでほしいなこりゃ!と思ったので、noteにも書こうと思う☺️
断言する。 心をつかむ言葉は つくることができる
本を開くと、この言葉が一番最初に飛び込んできた。なんだろう、一気に心が緩む。読む前は「心をつかむ言葉って、どうやって紡げるんだろうか」と不安もあり、それと同時に、吸収するぞ!と気負っていた部分もあったが、力強いこの言葉にホッとした。
言葉は当たり前のように、生活に溶け込んでいる。空気のように、自分の周りに無限にある。でも、それを今一度、考え直し、捉え直し、向き合い直すことができる、そんな本だなぁと思う。
自己紹介の仕方から、言葉の正体を知ること、言葉を企画する方法、感動を贈る大切さ、名付けの力、SNSでの発信方法、企画書の書き方と贈り方まで。
「伝える」と「伝わる」の境界で、僕が10年以上の月日をかけてあがきもがいてつかんできた、そのすべてをここに記したい。
すべてがつまっている1冊!
10年が、ずっしり。
想いがこもった、おばあちゃんのブラウニーみたいな重さを感じた。
言葉選びへの執着心
そもそも、言葉とはなんだろうか?
阿部さんの ”マイ定義” では、こう書いてある。
心の種から言葉が生まれる。
心に思うことを、相手に伝える手段のすべてが言葉だ。
書き言葉。話し言葉。歌う言葉。手の言葉。体の言葉。ダンスの言葉。映像の言葉。写真の言葉。
僕たちは言葉があることでつながり合える。
僕たちは言葉があることで分かち合える。
コピーライターとして、言葉を生業としている阿部さんの言葉は、ひとつひとつが使命を持って生まれてきているように思う。絶対、心に何かを残していく。さらさらと読めるのに、ちゃんと、残る。
阿部さんは、言葉ひとつ選ぶのにどのくらいの時間をかけているんだろう。きっと言葉の限界を感じながら、ものすごい量の言葉のストックの中から、赤ちゃんを抱っこする時よりも優しく、割れ物を運ぶよりも大切に、選んでいるんだろうなぁと勝手に想像する。いつかまたお会いした時は、直接聞いてみたい…!
心に思うことを、相手に伝える手段のすべてが言葉だ。という部分に思わずペンでラインを引いた。言葉って当たり前のものではあるけど、でも心に思うことを ”伝える” 唯一無二の道具である。ちゃんと扱える人になりたいと思う、今日この頃だ。
そして、心に芽生える伝えたいこと、心の種も、大切にしなきゃだ。
言葉は時代と呼吸する
この言葉に、私はハッとした。この本の中で、一番ぐっと胸を掴まれた言葉かもしれない。
「言葉は時代と呼吸する」
このことを言葉の企画をする上で、頭の片隅に置いておきたい。
毎年、流行語が生まれる。その一方で死後というように使われなくなる言葉も出てくる。
言葉の意味合いは年々変化していく。それ故、使おうとするその言葉が今、どんな雰囲気を醸し出しているのか、そこにちゃんと心を配りたい。
たしかに、と思った。
去年、ラグビーワールドカップが盛り上がり、「にわかファン」と呼ばれる人が増えた。もともと「にわか」という言葉にはネガティブなニュアンスがあったように思う。ちょっとしか知らないけど知ったかぶりするみたいな。でも、ラグビーが社会を動かして、明るくして。ラグビーに見向きすらしなかった人が、興味を持ったり、好きになったりして、「にわか」になった。その「にわか」は、ポジティブな言葉になったし、それと同時にプラスの影響を世の中にもたらしたんじゃないかなぁ。
言葉は生き物だから、常に変化していること、育ったり老いたり、生まれたり死んだりするんだってことを、改めて感じたし、それを「時代と呼吸する」という表現で包んだ阿部さんに、心から「すごいな…」と声が漏れた。
「聴す」
これをなんと読むか、私は知らなかった。この本で初めて知った。
「ゆるす」と読むらしい。相手の話を真摯に聴くことを傾聴という。聴くという行為は、相手の存在自体を受け入れることでもある。だから「ゆるす」。なんだって。へぇ〜!
言葉術と言うと、こちらから言葉に伝えることをイメージしてしまう。
でもそれだけじゃない。相手の話をちゃんと聴くことはもちろん、自分自身の内なる思いを自分でもちゃんと聴くこと、これも立派な心をつかむ方法の一つだ。
どう受け取るかが自分らしさになる。感動屋になることは、「聴す」ことの連続だ。
自分の素直な感情をちゃんと抱きしめてあげること。そこから自分の色が生まれるし、温度のある言葉が生まれていく。このことをずっと忘れずにいたい。
ついつい、言葉を発信する側にならなきゃって思ってしまいがちだけど、一回言葉を受け止めた後に自分の中で生まれる感情にも、ちゃんと耳を傾けようと思った文章だ。
つまるところ、I LOVE YOU
言葉をともに生きていく限り、言葉をあつかうすべての仕事の根幹は「I LOVE YOU」にあると、阿部さんはこの本でおっしゃっている。
企画書も、ひとつのラブレター。私は、あなたのこの企画をこれだけ愛していて、一緒にもっと盛り上げたいと思っています。そんな想いを、言葉にして贈る。この本には、阿部さんの今までのお仕事がどう繋がってきたか、そしてどんな企画書を持っていったかも、詳細に書かれている。私が一番好きだなぁと思ったのは、「甘太郎」の企画書。阿部さんにしかできない仕事だなと感じながら、本にめちゃ目を近づけてポスターの隅々まで見た。愛が、どわぁっと溢れている。こんな風にお仕事できたら、最高だろうな。
愛を持って、言葉に矢印を込めていらっしゃる阿部さん。
彼の、「才能とは、掛けた時間である」という言葉に喝を入れてもらった。
よし…!社会人1年目、走り出せそうだ😳!
なんで ”超” 言葉術っていうタイトルなんだろう。とずっと思っていたけど、最後に謎が解けたので、ここに。
心をつかむとは、愛と書かずに愛を伝えること。
あなたの心に愛が伝わっていることを信じて。
さあ、バトンを次につなげよう。
あなたの中で生かされてこの本は完成する。
ここに書いてきた言葉術を超えていってほしい。
その願いを込めて「超言葉術」というタイトルを掲げている。
ぜひ!!この1冊を読んでみて下さい。
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「コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術」
明日も、みなさんにとっていい1日になりますように!