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ふつうの東京会社員が経験した、生のコロナ禍時系列:後編

自分が生きていて、今後こんなにも人と会わない時があるのだろうか。行動を制限されるときがあるのだろうか。そう考えると、ものすごく貴重な時間な気がする。いつかこの時を振り返るときのために書きとめておく。後編。

【4月頭、ロックダウン説】

これはもう、今でも本当に不思議なのだが、そこかしこから「4月の第1週にロックダウンが起きる」説。

ネット上のデマだけではなく、報道筋の人など信憑性の高い人たちから多数聞いたので私も覚悟は決めていた。スーパーにいくと人でごった返してまたイヤな気持ちになり、比較的人の少なかった100円ローソンで買い物をすませることにした。

結局ロックダウンは起きなかったけれど、結局何だったのだろう。情報戦には気を付けよう、と身を引き締めた一件。

【2020年4月初旬:本来あるはずだった仕事、本来予定になかった仕事】

本来、4月頭は海外出張の予定だった。もちろん3月にキャンセル済。今回初の取り組みもあったり、諸々調整していた出張なので残念ではあったが、仕方ない。行ったら帰ってこられなくなるのだから。
本来、海外出張のはずだった期間。出版に関わる仕事をしているので、こんな状況で何かできることがないかと子ども向け本の無料公開を企画し、実現。周囲の理解に心から感謝すると同時に、正直久しぶりに仕事面白いな、と思ったできごとでもある。最近は慣れてきたのもあり、頭を使わない作業的な業務が多かったので自分で企画を作り出すこと、noteやSNSで反応をもらえたことは結構、いやかなり嬉しかった。

【2020年4月中旬:腰が限界。ひとりぐらしあるある問題】

限界である。腰が。

ひとり暮らしあるあるとして、家にローテーブルしかない。私も、家にはこたつテーブルしかない。ソファに寝そべってテーブルにマグカップを置いてくつろぐ…のは最高に快適だが、仕事をやるには辛すぎる。この姿勢で何時間もPCに向かって仕事する…のは現実的にかなりツライ。アマゾンや楽天でデスクと椅子を探していると、考えていることは皆同じなのだろう、手ごろなものから品薄になっていく……。なんとか楽天で購入したが、かなりギリギリのタイミング。3日後にはほぼ入荷待ちになっていた。

この話、一人暮らし者の間では鉄板トークなのだが、既婚者や家族持ちにはピンとこないことがよくあった。ダイニングテーブルが無い時代のこと、もうわからないんだと思う。感覚の違いってこうやて生じるのだな、と。

【2020年4月下旬:在宅を満喫しまくる。人と会わないストレスフリー】

コロナ鬱、家にずっといることがストレス……なんて言葉も耳に入ってくるようになっていた。実際に周りの友人でも、「どこにも出かけられないし人とも会えないし…」とみるみる元気を無くしている子も。

正直、自分は全くの逆で。
家にいることが本当に楽しい。というと、周りに結構驚かれる。「今までアクティブに動いていたから」と。確かに、これまで家でゆっくり過ごすより、出かけることが多かった。映画館、飲み、買い物、ランニング、銭湯、ヨガ、観劇、アイドルイベント…。飲み会も多かったし、いつも誰かしらと会い、一人でもどこかしらに出かけていた。けれど、私には引きこもりの才能があったのか…というくらい、家にいることが苦ではない。元々ひとり行動が得意なのもあったと思うけど、全くストレスを感じない。

むしろ、史上最高にストレスフリーになった。

飲み会にあんなに行っていたくせに、いつも終わった後は「あのときの会話、もっと上手く返せたはずなのに」「もっと会話弾ませられたよなー」「私と話していてつまんなくなかったかな」って帰りの電車で反省会をしていた。仕事でも、「可愛くない依頼方法になっちゃったな…」「頭悪いって思われたかな」と、ぐるぐる考えて、辛くなって…という日々。それらが、一切消えた。オンライン飲みはするけど、気ごころの知れた本当に仲の良い人たちとしかやらない。特に何も考えていないからラクだし、仕事では基本的にメールorチャットのテキストベース。人と顔を合わせないですむのがこんなに楽なのか……と。言葉選ばずにいうと、私は人と会うのがストレスだったのに、無理して人と会おうとしていたのだと思う。

もちろん、飲み会にたくさん顔を出していて、面白かったこともたくさんある。世の中にはこんな人もいるのか、こんな考え方もあるのか、と。でも、本来の自分はそれが苦痛でもあったのかな。この自粛期間で自分という人間の性質に気づけたから、これからはもっとうまく生活できる気がする。たぶん。

【コンビニ通いはただの習慣だった】

元々自炊は一切しない派。人が家に来るときだけ作る。料理ができないわけではないのだが(学生時代は貧乏だったので全自炊)、自分だけのために食事を作ることがどうしてもできなかった。それに、今までは週3~4で飲み会があったし、1人飲みもしていた。コンビニ弁当も大好きだったし、「最後に炊飯器使ったのいつだっけ?」ってくらい、料理をしない。今思うと、コンビニ弁当を買っていたのは習慣になっていたんだと思う。会社の帰りにあるから、なんとなく寄る。自粛生活に入ってからはコンビニで一度も買い物をしていない。

スーパーに行くようになって、大勢の人に辟易として、近所の商店街をゆっくり見てみたら楽しい。八百屋はめちゃくちゃ安いし、日によって並ぶ野菜が違う。スーパーでは見ないような面白い食材が並んでいて買い物が楽しい。豆腐屋の豆腐もスーパーに比べたら単価は高いけど、段違いに美味しくて、大豆の味がする。お肉屋は少量から買えるし、好みに切り分けてくれたりもする。商店街最高。

自炊をするようになってから、ずらっと品目を並べられるのが楽しい。私が居酒屋を好きなのは、色々なものをちょこちょこ食べられるからだ、と気づいた。

【新たな推しが生まれる】

この自粛期間でエンタメ業界もかなり影響があった。バラエティもドラマも撮影ができなくなって過去作品の放出。あのジャニーズがまさかのyoutube。ネトフリの韓国ドラマの話題をする人が増え、しょっちゅう行われるインスタライブに質問コーナー。自撮り、お題バトンが流行り(チェンメみたい…)、リモートで制作するドラマなんてものも登場。映画は続々公開延期。ライブハウスが閉鎖し、映画館も収入が入らなくなり、劇場系も大打撃。(これは本当に応援して、支えていかないといけない)

ネットが発達した時代で本当に良かったと思った。ネットがあるからおうち時間も楽しめる。供給が多い。

若手女優やアイドルを主戦場としていた私にも、転機が訪れる。正直、いつかコロナ期を思い出すときに、「ああ~~あのころ、ハマりはじめたな…」と思い返す存在だと思う。それはまた長くなるので別で書きます。

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