♯5「ノンノンのウールソックス」を紹介するシリーズ第2回・「ひつじとウールソックスをデザインする」🐏
こんにちは🐏【KASAGI wool textiles】の笠木真衣です。
島根県大田市三瓶山(さんべさん)で、ウール専門会社&試験農場を夫婦で運営しています。製品は、テキスタイル(生地)・ソックス・カーペットがあります🐏🐏🐏
前回投稿した『♯4 「ノンノンのウールソックス」を紹介するシリーズ 第1回「ひつじと羊毛をじっくり見てみよう」』もあるので覗いてみてね🐏
(ノンノンのウールソックスってな~に?🐏
ノンノンのウールソックスは、ウールだからこそできる厚みを持つあたたかいウールソックスの製品名です。
ノンノンという名前の由来は、KASAGI wool textilesに一頭目にやってきたひつじのノンノンの名前からきています。「ノンノンの羊毛が一頭分入っています」というコンセプトで2021年に販売をスタートしました。
みなさまの応援のおかげで、多くのお客さまの元にお届けすることができました。
お客さまのお声をご紹介します。
「チクチクしない!」「あたたかい」「やわらかい」「ひつじの幸せを大切にしているから購入したい」「活動を応援したい」「大切な人にプレゼントしたい」「足が冷えて眠れなかったけれどノンノンウールソックスのおかげで眠れるようになった」うれしいお声ばかり‼
発売開始から一点ずつ心を込めて販売してきました。
2024年2月にNHK「あさイチ」の番組内でご紹介いただき、オンラインショップをご利用いただき、広くお届けできました。
ノンノンのウールソックスは、「さきまる」と「ごほんゆび」の2種類があります。
ひつじとデザインしたウールソックス
ひつじといると羊毛の使い方のヒントが見えてくる。
毎日ひつじと一緒にいると、ひつじと羊毛のことが少しずつ分かってきます。
ひつじから得られるヒントとして、たとえば「羊毛が生えているところは虫に刺されにくい」ことや、「雪が降った寒い日も寒そうにしていない、むしろ寒いくらいの方が快適なのでは?羊毛は保温力と断熱力があるのだなあ」とか、「雨に濡れた羊毛は思いの外長い時間濡れたままだな、羊毛は保水力が高いな、犬のように体を震わせて水を切ってもまだ羊毛はびちゃびちゃで、つまりひつじにとって濡れた羊毛が必要で、それは湿度が高い方が快適な時間というのがあるのかな」といったことだったりします。
わたしは羊毛が大好きなので、ひつじと羊毛を見て知るヒントに心が弾みます。羊毛は、あたたかく、断熱も得意で、保水力もあり、皮膚を乾かしすぎない繊維であるのかな、と感じるのです。
ひつじのヒント「羊毛の密度と厚み」🐏
「ウールで足をしっかり包みたい」と考えていたわたしは、ウールソックスを極限まで厚くしたいと思ってウールソックスのデザインを考えていました。ひつじは、真冬には、約12㎝の羊毛を高密度で体に生やして分厚い断熱層を作っています。それで寒さを凌いでいるのです。わたしはひつじを通して、羊毛の密度と厚みがあたたかさの鍵だと思っていました。しかし、ひつじみたいな羊毛の密度と厚みを持つウールソックスは市場で販売していません。
そこで、ないか手はないかと思い、国内の靴下製造工場にたくさん電話をかけて、「厚いソックスを作れますか?」と聞きました。しかし、答えは「ノー」でした。厚いソックスを作るためには、編地を二重にするか、太い糸でパイル編みにするかしか選択肢がなかったのです。それではひつじ並みの羊毛の密度と厚みには、まったく届きません。
また、靴下製造工場の「ノー」の具体的な内容とは、新型ソックス編み機は細い糸しか編めず、古くて太い糸で編める機械は注文がいっぱいで使えないという答えでした。
五本指ソックス専門ニッティド社との出会い
ごほんゆびソックスについて調べていたときに、ニッティド株式会社のHPに出会いました。わたしはこのHPに釘付けになりました。見たことのない編み方で作られているソックスばかりが並んでいたからです。HPをよく読んでいくと、ニッティド社は5本指ソックスの履き心地をよくするために研究に力を尽くされていて9つもの特許技術を保有していることが分かりました。
わたしは、一週間以上もニッティド社のHPやオンラインショップを見続けて、製品も穴が開くほど見ました。オンラインショップでホールガーメント&特許技術が使われているソックスを1万円分くらい買って履きまくりました。「もう、これ、事件ですよ、この五本指ソックスを作ったニッティド社のみなさんは、とんでもない情熱を持っている人たちで、もう素晴らしさが宇宙を突き抜けてしまっていて。。わたしをどうするつもりなのでしょうか、、」言葉や感情が押し寄せてきて、感動と震えと胸の高鳴りが止まりませんでした。
意を決して、ニッティド社にメールとノンノンのウールソックス第一号と思いを綴ったノンノンのウールソックス製品冊子(40P)を送りました。すると社員の方からメールでお返事をいただき、オンライン会議をセッティングしてくださいました。そのオンライン会議の席に、井戸端社長が直接参加してくださったのでした。井戸端社長は、「笠木さんが送ってくれたウールソックスを毎日寝るときに履いてるよ。うちのソックスより温い。自分で飼ってるひつじのノンノンが3%入ってるって、それが素晴らしいと思った、その情熱がなによりも素晴らしい。」(正確ではありませんが、笠木の脳内では、このような内容のお言葉を井戸端社長から頂戴したと記憶しております。)長年ソックスを開発してこられた井戸端社長のあたたかいお言葉を受けて、わたしはうれしさで胸がいっぱいでオンライン会議の後に一人で大泣きました。
この日から、ニッティド社の技術や経験を共有させていただきながらノンノンのウールソックスの開発をはじめることができました。
編み目を四段重ねにしてひつじ並みの厚みを作りました。
ニッティド社との長い試行錯誤の上に、ニッティド社の「エアクッション編み」という特許技術をソックスの足回り全体に採用することで、ひつじ並みのスペックを持つウールソックスを作り上げることができました。
下記がニッティド社が保有する「エアークッション編み【特許第6415680号】」の技術を示す編み図です。
図は厚みを横に見ています。これを90°回転させて縦にしたものがソックスの厚みを構成している編み図となります。
ノンノンのウールソックスは、毛糸を重ねた厚い生地で足全体を包み込むため、あたたかいのです。しかも、この厚みを作っているのは、三河紡毛株式会社の濱谷社長と最強紡績機のミュール紡績機とノンノン(ひつじチー
フ)と羊毛狂いのわたしが開発した最高のソックス用の毛糸なのです。どこまで贅沢なウールソックスなのでしょうか。。恐るべし、ノンノンのウールソックス!!
つまさきにシルク糸も入っています。
さらに、ニッティド社のご提案「つま先の足の指周りにシルク糸を入れた方が履き心地が格段によくなる」を受けて採用したシルク糸も、足の蒸れを大きく改善してくれます。履いている間ずっと快適な湿度が保たれ、足元のあたたかさが持続します。
KASAGI wool textilesからのお知らせ🐏
2024年10月ノンノンのウールソックス新色発売!!
ノンノンのウールソックス新色は、「ひつじたちが見てる空」をテーマに、ネイビーとライトブルーの二色を新色としてお届けします。
ノンノンのウールソックス・オンラインショップで10月から販売開始します。どうぞよろしくお願いいたします。
ノンノンのウールソックスを紹介するシリーズはまだ続きます🐏
おたのしみに('ω')
東京展示会「GOOD LIFEフェア2024」出展のお知らせ
GOOD LIFEフェア2024
2024年10月25日~27日 東京ビックサイト
ソックス・生地・カーペット・ショールを展示・販売します🐏
ぜひ遊びにいらしてください。
みなさまのお越しをお待ちしています('ω')
◆ Instagram @kasagiwooltextiles
Instagramを中心に情報発信しています。
ひつじたちのようすをお届けしています🐏
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