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4泊5日の備忘録 後編
□day3
朝になって、看護師さんに補助してもらいながら自分の病室へ戻る。
点滴で栄養を摂っているので、2日前の夜から食事はまだなく、お昼になって運ばれてきたトレーを見て驚いた。
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「野菜スープ」って、エキスだけやん…!
落ち込んだのもつかの間、スープを一口啜ると身体に染み渡って感動した。
むしろ、固形物の方が意外に喉を通らなくて、今までの人生で1番ゆっくりと時間をかけてプリンを食べた。
今回の手術を執刀してくれた先生が何度か様子を見に来てくれた。話し方に少し癖があり、いつも半分くらいは聞き取れないのだけど、概ね良好ということは理解できた。
夕方には夫がお見舞いに来てくれた。
持参し忘れたお箸とスリッパを持ってきてもらい、追加でクッションをリクエストした。
□day4
献立が前日の流動食から、お粥に切り替わった。「たいみそ」という初めて見る個包装の味噌が添えられていて、正解がわからないままにお粥にかけて食べた。
他に正しい食べ方があるのだろうか?と思ってググってみたら、他にも病院食の経験者たちがYahoo知恵袋などで調べた形跡があった。
入院中気になる存在ではあったものの、退院後もまだ購入には至っていない。
食べ終えたあとの食器が乗ったトレーは自分でナースステーション前のワゴンへ返却に行くのだけど、すでに普通のペースで食事が食べられるまでに回復し、トレーを返却にきたのは私が2番目だった。
この日ようやく執刀医からゆっくりと術後の説明を受けることができた。手術当日すでに説明を受けた夫からお見舞い時に聞かせてもらった話と概ね同じだった。
この日、術後初めてのシャワーを浴びることができた。夫のお見舞い時には病棟の自販機でいちごミルクを買ってもらった。
□day5
朝に採血と診察があって、早々に退院の許可がおりた。食事は常食になったし、病院生活も比較的慣れてきたので様子見でもう1泊(という表現が合ってるのかどうかはわからない)してもいいかなとも思ったけど、早く自宅のベッドで寝たいという気持ちが勝った。
私の入院から数日遅れて同室にやってきた患者さんが、恐らく私よりもずっと大変な手術を終えて、苦しそうにしている気配を感じるのが少し辛かったのもある。
入院病棟の中は、今まで自分の知り得なかった世界がたくさんあった。
退院前にシャワーを済ませ、好き勝手に荷物を広げていた自分のベッドまわりを片付け、ナースステーションで手続きを済ませる。
両手に荷物を持ち、まるで旅行帰りのような姿で病棟をあとにした。
病院へは両親が迎えにきてくれた。
待っている間にこっそりコンビニスイーツを買ってロビーで食べた。
夫と犬が待つ自宅へ一緒に帰り、母親が持ってきてくれた私の好きなメニューばかりの手料理を皆んなで食べる。