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【映画感想文】 目醒めの『Dune: Part Two』を観てほしい
待望の『Dune: Part Two(デューン 砂の惑星)』をIMAXで鑑賞。砂嵐と束の間の2時間46分。
未だない没入感で、みんなに映画館で見ることを強く強くお勧めしたいので、勝手にクイックレビュー。*ネタバレなし
ー過去を見ずして未来は見えない
スターウォーズを彷彿とさせる砂漠の神秘、ポールとチャニの物語。そして、権力をめぐる大戦争と”運命”の衝突。
例え未来が見えていても間違った道を選ぶ人間の愚かさ。
盲目的な信仰の狂気。獰猛な自然の美しさ。
絶望の中で啓示される“希望”は果たして希望なのか。
愛する人を守るための正しさと強さとは何か。
原作者Frank Herbertの描いた異質な世界と、今を生きる私たちに伝えたいメッセージ。
違和感のある2つの点を、Denis Villeneuveが徹底的にこだわり抜いて掛け合わせた映画だ。本当に傑作。
鳥肌が立つ宗教儀式、ハルコネン家の異質さ、砂虫ライド。特に『The Lord of the Rings』なみの後半の戦いシーンはただただ息を呑む。
ーI must not fear. Fear is the mind-killer. Fear is the little-death that brings total obliteration. (恐れてはならない。恐れは心を殺す。恐れは閉塞に至る小さな死。)
何をどう抗っても完全に連れて行かれる演出・音楽とキャストの演技。
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Timothée Chalamet 演じるPaul Atreides。
運命を彼が導くのか、運命に導かれるのか、やっぱり誰にもわからない。わずかな選択が未来を大きく変えていくその重荷と迷いが細かく表現されていた。
特に、『The King』を思い出させる大勢を目の前にしての演説シーンは震えた。彼の演技は『Beautiful Boy』『Bones and All』が特に大好きだけど、作品ごとに本当に別人に見える天才的な表現者だと思う。
Zendaya演じるChaniもPart1から期待していたが、今作もキーパーソン。
映画の中では、視聴者はきっと彼女に思いを重ねる。最初から最後まで彼女の自然な強さと繊細な表情が、道標になっていた。
Rebecca Ferguson演じるLady Jessica。「かっこよすぎだろ、ママ!」と前作から思っていたが、引き続き魅惑的でどこか怖さがあり、惹き込まれる。母と息子の関係が教母と預言者へと変わっていくところは見所。
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あとは今作から登場したサイコ、Feyd-Rautha Harkonnen。言われなければ正直Elvis(Austin Butler)だとは気づかない。徹底的な悪として、ビジュアルもそうだが、仕草や動きの細部までこだわっていて、とにかく強烈。
そして登場場面は少ないが、無垢で賢しい存在感を残すPrincess Irulan。後半になればなるほどFlorence Pughが演じる理由がわかる。
その脇役というにはあまりに偉大すぎるキャラクターを演じた、Javier Bardem、Josh Brolin、Léa Seydoux、Stellan Skarsgårdなど、何も文句がつけれないほど素晴らしいキャストが揃っていた。
そしてなんといってもHans Zimmerの音楽!
これが彼の音じゃなかったらきっとDuneはここまで魅力的な映画になってなかったと思う。完全に惑星アラキスに連れて行かれた。
他にも衣装デザインや装飾、建築全てにDuneのこだわりがつまっているので全シーン見逃せない。
映画館でこの世界全体を経験してほしい。
ーKwisatz Haderach awakes!
乱世を”心”で治められるのか。
続きが楽しみすぎる!
(あと、砂虫から降りる方法を誰か教えて…)
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