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コンセプトのデザイン | Xデザイン学校マスターコース2024 #7
最近、コンセプトの重要性を強く感じている。コンセプトが十分に考えられていない、あるいは存在しないプロダクトは、デザインされていない可能性があり、仮に形になったとしても「私たちが提供したい価値」や「顧客が求めているもの」から大きく乖離するリスクが高い。
ここで言うコンセプトとは、「デザインに関わる方向性をまとめた基本的な概念のこと」と定義する。
コンセプトが定まっていない状態は、すなわち方向性が定まっていないことを意味すると感じる。では、具体的にどのような要素が定まっていれば「一定の方向性がある」と言えるのだろうか?
例えば、以下の項目が決まっていたらどうだろうか?
誰に(人の方向性): ペルソナと価値
何を(モノの方向性): サービス
どうやって(ビジネスの方向性): ビジネスモデル
これらの項目は納得感があるものであり、実際にこれらを表現するための手法として、コンセプトカタログやデザインコンセプトシートが存在している。
コンセプトカタログの作成を実際してみた。そこで感じたのは、「誰でもカタログを見ればプロダクトのプレゼンテーションができる状態を作ること」の重要性である。なぜなら、これは関係者全員が方向性を説明できる(=理解している)状況であり、たとえ困難な挑戦であっても、大海原を航海する際の地図や羅針盤のような役割を果たし、迷わず目的地に到達できるからだ。実際、アジャイル開発では、プロダクトの核となるコンセプトを明確化し、チームの共通認識を醸成するために「エレベーターピッチ」という手法が用いられる。
このように、コンセプトを明確に定義し説明できる状態にすることで、顧客へのプレゼンテーションが可能になるだけでなく、社員の「何を作っているのかわからない」「誰のために、何のためにこのプロダクトを作っているのだろう」といった疑問や不安を解消することにもつながる。それは、Employee Experience(EX)の低下を防ぎ、組織全体の健全性を維持するためにも重要だと考える。