『ワーク・イン・テック!』(森山大朗)を読んで

ユニコーン企業を渡り歩いて市場価値を上げ続けてきた著者が、その体験を記すことで手法を教えてくれる本。voicyのたいろーさんの初めての著書で、今必要とするタイミングとピタリとあい、読んでみた。これから挑戦しようとする世界での戦い方が書かれていて、非常に参考になった。下記にメモ的に抜粋しておく。



リクルートでは、これまでまで「花形」と言われた営業職は、その地位を他の職種に奪われました。(中略)台頭してきたのがエンジニアやマーケター、プロダクトマネージャーやデータサイエンティストといった「テクノロジーを駆使して課題解決できる職種群」でした。(中略)事業指標を数パーセント改善させるだけで、収益が数億円単位で動くのです。リクルートで起きたことは、時間差で世の中全体に広まっていきます。こうした 「花形職種の逆転現象」は、すでにあちこちの業界や企業で起きているはずです。(p57-58)

世界的企業を排出するシリコンバレーでは、多くのテック企業が「OKR(objectives and key results)」というフレームワークを使って目標と日々の活動をマネジメントしています。(中略)OKRとは、現場で見てきた僕の目線で意訳させてもらうと、「objectives=ワクワクできる状態目標の定義」と、「key results=計測可能な成果指標」という要素で成り立っています。OKRを運用するポイントは、従業員の「目線」を上げさせて、「野心的だけれども実現すれば心からワクワクできる」という目標設定を促すことにあります。(中略)「経営者のKR」は「各部門のO」になり、「各部門のKR」は「部門内の各チームのO」になるという形でどんどん繋がっていき、組織全体でピラミッド構造になるのが特徴です。(p72-73)

優秀なプロダクトマネージャーは何をしているのか?僕が大好きな任天堂で、マリオブラザーズをはじめ数々のヒットを飛ばしてきた宮本茂さんの名言に、「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」という言葉があります。(中略)彼らは物事を立体的に捉えられるという特徴があります。そのため、次の3つのステップで課題を俯瞰的かつ複眼的に吟味しているのです。①課題をピックアップしたら、課題自体のインパクトをまず見極める ②次に、大きくて容易には解決できない課題の構造を整理し、扱えるレベルに分割する ③最後に「この解決策を打てば、課題1と課題2と課題3が、一気に解決する」という筋の良い解決策を見出してそこに集中する(p112)

会社員の年収は「市場価値」によって決まると一般的には言われています。しかし、そもそも市場価値は何によって決まるのか、皆さんは考えたことがありますか。僕は、市場価値とは、①業界自体の成長 ②事業の成長と収益性 ③会社の人件費に関する方針 ④個人の実績 (p124)

「自分の価値の作り方」を教えてくれました。(中略)「自分にハッシュタグをつける」「タグ同士を掛け合わせて自分の市場価値、すなわち自分の時価総額をあげる」という考え方と一緒でした。「ハッシュタグ」とは、特定のスキルや資格、スコアだけでなく、勤務先や部署、職種、関わったプロジェクト、その中での自分の役割など、それらすべてを内包したキーワードのことです。(中略)価値を設計する上で押さえるべきポイントは「客観的に見たときの自分」であり、「自分がなりたい自分」ではありません。新たな自分を作っていくために、あくまで「マーケット・イン」の発想をしましょう。(p146-147)

⑴伸びる市場で収益性の高いビジネスをしているか? ⑵過去数年間の売り上げ成長率がマーケットの成長率を超えているか? ⑶ビジネスモデルは参入障壁を持つか? ⑷海外マーケットでの先行事例があるか?(p187-188)



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