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黒沢清監督がベネチア銀獅子賞とったってよ。


世間がポスト安倍で沸いてる新聞記事の中で、

(16日の国会で首相が菅義偉氏に決まりましたね。

令和の絶望的日本を救えるのはやっぱり令和おじさんしかいません!)

"黒沢清監督ヴェネツィアで銀獅子賞を受賞"

という新聞記事が小粒程度に掲載されていた。

個人的には偉大すぎることであると思うので、もっと大々的に掲載してほしいな~と思ったりしたが、まあ日本の文化予算自体が世界から見てもワーストワンらしく、、、

新聞の記事からも文化に対しての比重がそこまでであることをなんとなく感じたりしたものだ、、、。




そういや黒澤清監督について大学の時に、リアル~完全なる首長竜の日~」「クリーピー 偽りの隣人が公開された時に、それこそ小粒な学生同士で批評論争を繰り広げていたな~と、懐かしく思う。

でもなにかといろいろとツッコミたくなる映画なんですよね。






そう、ツッコミたくなる

これこそがこのクロサワ映画の醍醐味!!!


では私なりにクロサワ映画のツッコミポイントを解説していこうと思う。

まあ、ここで言うツッコミとはリアルガチなツッコミ見所ポイント的な意味合いのツッコミも入ってます。



では、さっそく。

クロサワ映画、ツッコミその1

○リアリティなんかいらねえよ!リアル世界完全度外視!

彼の映画を観ていると、ビジュアルのインパクトを重視した美術やセットがよく使われていることがわかる。

例えば私が小粒な学生の時にみんなで総ツッコミして観ていた「クリーピー 偽りの隣人」に関して言っちゃうと、

ごくごく普通の民家には有り得ないくらい作りこんでいる監禁部屋が登場していたりする。なんというか、ゴシックホラーというか、ヨーロッパの退廃している墓地的な空間だ。

「こんなん、日本じゃまずもってありえんだろwwww!!!!」

と私が学生の時にツッコミまくったように、観客からの総ツッコミよろしくなセットが彼の映画にはよ~く出てくるのだ。

彼の代表作ともなっていて私も超好きな「CURE キュア」という映画は、ダークでオールドな雰囲気が漂っている。



「つか、病院の建築様式いつの時代だよ!」

「看護婦の格好が古すぎだろ!」

と、ここでもなにかと総ツッコミ満載の映画であり、19世紀末に撮られたとかいう催眠術のフィルムなんかは、コワすぎ!シリーズとか呪いのビデオとかあのあたりを感じさせるんですけども、、、。

まあ、それは置いといて、

そこに役所広司がいてダークでオールドな雰囲気がこの映画の魅了される理由であり、魅力なんだよな。


まあこういったように、観客からの総ツッコミは当然覚悟の上で作りこまれていると思われるし、ダークファンタジーを強めにしていることは過去の作品からして明らかだ。


クロサワ映画、ツッコミその2

○唐突な暴力と死!

この人の映画、まず緊張感半端ないっす。

常に緊張のピークです。いわゆるキンピーがおよそ2時間続きます。

視覚的拷問です、、、。

例えば、なんでもない会話のシーンでも唐突に殺人カットが入るとかね、、、、。

こえ~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

予測不能、予測不明状態で観客をパニックにさせちゃうんだな。

これは「CURE キュア」でのイメージが相当あるなと、

警察官がなんの前触れもなく拳銃で人を撃ち殺すシーンとか、ね。

彼の信条として「血まみれカットは早めに1回やっておけ!」

らしい、、、。

皆さん、心して観ましょう。


クロサワ映画、ツッコミその3

○オールド感満載の撮影技術!

最後はリアルガチなツッコミというよりも、純粋に私が好きなクロサワ映画の見所ポイント。

クロサワ映画はゴシックでオールドな古臭さが魅力であるが、撮影技術に関しても言えることで、とくに車に関わるシーンはどのクロサワ映画でもオールドな撮影技術が伺える。

例えば車窓の流れる風景なんかは、クロマキーやらスクリーンプロセスなんかを使っていて、まあまたそれが物語のいびつさを際立たせていたりして、なかなか面白い。

クロマキー:映像の一部を透明にし、別の映像を合成させる技術のこと
スクリーンプロセス:撮影された映像をバックに流してその前に登場人物を置いて、それを同時に撮影する技術のこと

こういった技術というのは、ハリウッド黄金期ではよく使われた技術であるのだ。

クロマキーは今でもよく使われる技術であって、もうなんでもありの世界を作り上げてしまう。

画像1

   『アベンジャーズ』

画像2

『ゼロ・グラビティ』

画像3

『ライフ・オブ・パイ』

トラですらクロマキーを使っていたことには、

いろんな意味で「お、おう・・・。」となった。


まあでも、日本人の監督で今でもこの技術にこだわっているのは、黒沢清監督ぐらいだろうなとは思う。






今回はさらっとした監督紹介にとどまったが、

また次回ガッツリ黒沢清監督を深掘り検証していこうと思う。



最後に皆さん、

映画界は今やもう、

クロサワといえば黒澤明ではなく黒沢清だ!




そんな世界のクロサワになった黒沢清監督の最新映画

ベネチア銀獅子賞受賞作「スパイの妻」は、

10月16日(金)全国ロードショーです。






うん、期待しかない。



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