企業経営に必要なほとんどの事は、RTSゲーム(Age of Empires2)が教えてくれた件③


④資源を調達し、最適なバランスで消費

この項目では、利息と物理学の話をします。

何を言っているのかわからねーと思われるでしょうが、お付き合いください。


資源の調達や消費は、目的に対する重要な手段になります。

兵隊を生産して敵陣に攻め込むためには資源が無ければ始まりません。

AOE2では様々な文明、展開があるため、状況によって色々な兵隊を出すことになります。

そして、出す兵隊が変われば、最適な資源の配分パターンも変わります。

例えば

「騎士」を出すには、肉と金が必要です。 「弓」を出すには、木と金が必要です。 そして、必要な数はそれぞれ違います。

当たり前のことですが

「騎士」を出さないといけない状態で、「木」ばかり採取していたのでは勝てません。「弓」を出さないといけない状態で、「肉」ばかり回収していたのでは勝てません。

これをビジネスに置き換えると

「新規顧客」を獲得するには、広告費とプランナーの雇用が必要です。 「サービス」の質を上げるには、研修費と商品開発者の雇用が必要です。 「新規顧客」の獲得が重要なシーンで、新しいエンジニアを雇用しても顧客は増えません。 「サービス」の質を上げたいのに、広告費を投下しても意味はありません。

こういう構図になります。

別に普通のことじゃん。と一見思われるでしょう。

しかし、その「程度」が、全然普通じゃないです。

AOE2でマジで勝ち続けようとすると、この最適分配の解について、めちゃくちゃ追求する必要があります。ここについては、人によっては面白いと感じるし、人によってはつまらないと感じます。そして、最適分配の解をめちゃくちゃ追求すると、ビジネスも勝てます。さらに、その解は成長曲線における、初期状態から追求するべきです。

「弓」を同時に2人、永続的に生産するには、「町の人」何人で金を掘ればいいのか?かつ何人で木を取れば良いのか?

こういった疑問からテストプレイを重ねて、資源の最適化を徹底的に追及するのです。

「新規顧客」のために「広告費」をいくら、「プランナーの給与」をいくらにするべきか?「広告費」が100万で、「プランナーの給与」が50万だと良いのか?75万ずつか?

要するに、C=ax+byの不定方程式を解くのと同じです。

実際に紙の上だけでは答えは出ないため、試行錯誤が重要になります。

これも本当に当たり前のことです。

ただし現実世界のビジネスは意外とそれをやらない人達が多いです。

ある程度最適な配分については考えるけど、最大に最適な配分については考えないプレイヤーがめちゃくちゃ多いです。

何故でしょうか?

それは、人間が使える、宇宙最強のエネルギーを知らないからです。


"複利は人類史上、最も強力な力" 
                    アルベルト・アインシュタイン

複利の言葉の明確な解説は避けますが、簡単に言えば利子に更に利息が付くという考えです。

子供のころに勉強したほうが、大人になってから勉強するよりも特であることと、同じような話ですね。

コストをかけて得たリターンを、またコストとして投下し、リターンを得る。この繰り返しを行う以上

一番最初にかけるコストを最小化し、一番最初に得るリターンを最大化しなければ、最終的に得るリターンを最大化することは出来ません。

利息は、ゲームでは常に一定ですし、現実世界でも、そうそうリターンの多いビジネスモデルなど、存在しないのです。かけたコストに対して得られるリターンというものは、相場があります。

だからこそ、序盤に得られるリターンが、多少の差であろうとも、終盤になれば、大きな複利として、差がつくのです。

経験上、大企業勤務のビジネスマンで、複利的な考えをする人は凄く少ないです。何故なら、成長曲線の終盤、つまり複利を回収しきってしまった状態のビジネスを取り扱う人が多いからです。逆に言えば、大きい組織で働いているにも関わらず、複利的な行動原理のある方は、相当に優秀な可能性が高いです。そして経験上、ベンチャー企業の経営者で、こういった行動原理に欠けている方は、だいたい上手くいきません。

やっててよかったAOE2。


またになりますが、僕の実体験の話になります。

おすすめ屋を始めるとき、大量に来るだろう注文を、クレームの出ないように迅速に捌く必要がありました。

それはつまり、厨房に何人を配置しようか?機材のスペックはどの程度のものを追求しようか?という意思決定に繋がります。

AOE2をやっていないプレイヤーはこう言います

だいたい5人くらいで良くない?

AOE2をやっているプレイヤーはこう言います

テストしてみよう。

まずは想定されうるオーダー数と、それらを一定時間に料理するために必要な時間の合計数を計算します。

1時間に300オーダー来るとして、5人で厨房を運営しようとすると、1人あたりで60オーダーを料理する必要があるよね。じゃあ、1オーダーにかける時間の平均値は1分以内じゃないといけないよね。

例としては、こんな具合です。

しかし物事はそううまく進みません。

もしこの料理が、連続で注文されたら、1オーダーあたりの料理時間が平均1分を超えてしまう。

中には、こんなメニューも存在します。

今度やることはタイムアタックです。

言ってしまえば、一定のクオリティを維持しながら、1分以内で美味いチャーハンを作れるか?というF1のピットインみたいなノリの検証をやります。


卵の配置、卵の割り方、ベストなサイズのフライパン、その作業をやり続けても疲れない重さのフライパン

もはやチャーハン関係なくね?というレベルまでこだわります。

しかしそれだけ追及するからこそ、最大限に最適化された資源分配が可能になり、他のプレイヤーに差がつくわけです。

細かいところへのこだわりは、ある程度軌道にのってからやればいいんじゃない?


と言う人もいますが…

複利的考えから言えば、全く逆の答えです。

軌道にのってから細かいリターンを追求しても、長期的なメリットは少ないはずです。


AOE2では、ほとんどの上級プレイヤーが、この資源の最適化について、F1のピットインのそれと同じように追求しています。

AOE2無くして、この事実に気づいてしまった

アインシュタインさんと

フレデリックテイラーさんには

(**経営学の祖ともいわれるような存在。炭鉱夫が使うスコップのサイズすら最適化し、科学的観点で産業プロセスを見直した。)

本当に頭が下がる思いです。

そして、現代物理学の父が定義した

「人類史上、最も強力な力」

これを凡人の僕に与えてくれたAOE2にも

本当に頭が下がる思いです。

やってて良かったAOE2。

次項に続く。

https://note.mu/nomonomoshu/n/n0ed4ca54815c

(このページを読んだ、元AOEプレイヤーのそこのお前、アステカ即帝のこと思い出しただろ。もしくはフンの21人弓か、中国の27人騎士、思い出しただろ。わかるぞ。拡張版は、建物無しで進化できる文明とか、進化時間そのものが短い文明とか追加されてるから、暗黒から全部やり直しだよ。面白いから、ちょっと復帰してみて?)

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