餃子の雪松のビジネスモデルを図解~コロナ禍で注目される無人販売所のビジネスモデル~
コロナ禍の影響により、飲食店では既存事業の再構築を模索しているケースが増えてきていると思います。
・テイクアウトやデリバリー用の商品を開発して、新サービスを企画する。
・新たにECサイトを立ち上げて新商品の販売を企画する。
そんな中、いまメディアで「餃子の雪松」という、冷凍生餃子の無人販売所が注目されつつあります。
今回は、餃子の雪松がなぜコロナ禍で注目されているのか、ビジネスモデルを図解してお伝えしていきたいと思います。
■餃子の雪松とは
・会社概要
社名:株式会社YES
設立:2014年5月1日
資本金:1,000万円(2021年6月12日現在)
群馬水上の名店「餃子の雪松」というブランドで、冷凍生餃子の無人販売所の運営を事業内容としている企業です。「創業昭和十五年、三代続いた雪松食堂の味を再現した冷凍生餃子」というストーリーで、顧客にブランドの訴求をしています。
2021年6月時点で、全国に170店舗以上を展開しています。
「冷凍生餃子の専門店」×「無人販売所」を特徴に商売を展開しています。
僕自身も近所に店舗が出来たことをきっかけに「餃子の雪松」を知りました。お家で食べる餃子として大満足の味で、リピート購入しています。自宅で焼くのも一つの楽しみだったり。
実際の無人販売所ですが、以下のようなイメージです。遊び心のある賽銭箱に現金を投入して購入できます。
・PEST分析
コロナ禍で無人販売所の運営が注目されていますが、外部環境についてPEST分析でまとめると以下のとおりです。
コロナ禍により外食産業は苦境に立たされていますが、テイクアウトやデリバリーといった中食需要は伸長しています。
■ピクト図でみたビジネスモデルの概要
餃子の雪松のビジネスモデルを図解すると、以下のようなイメージです。
・無人販売所を運営している「非対面型」のビジネスモデル
・製造所をセントラルキッチン化し、無人販売所へ配送
・24時間いつでも購入可能
■ビジネスモデルキャンバスでポイントを把握
ビジネスモデルキャンバスで、ビジネスモデルを俯瞰的に見ると以下のとおりです。主なポイントについて紹介していきます。
■ポイント① 無人販売所による低コスト運営
家庭で本格的な餃子が食べれる「餃子の雪松」ですが、36個入りで1,000円と価格設定は非常にリーズナブルです。
なぜ、この品質でリーズナブルな価格が実現できるか。無人販売所を活用して、運営に必要な固定費を最小化していることが挙げられます。
通常の店舗販売形態では、接客をする従業員がいますね。売上の多寡に関わらず、人件費が固定費として発生します。
無人販売所を活用した場合は、接客スタッフの人件費が発生しません。主な固定費として、賃料や水道光熱費のみがかかるコスト構造になります。
固定費を下げ、餃子を製造するための変動費の比率が高いコスト構造になっていることから、低コストかつ低リスクで事業運営ができることが分かりますね。
変動費と固定費の違いについて把握したい人はこちらも参考までに。
■ポイント② 非対面型のビジネスモデル構築
コロナ禍の影響で、消費者も感染を避ける形での消費行動が増えてきたと、実感している人も多いのではないでしょうか。
そういった時代背景もあり、無人販売所を活用したビジネスモデルが注目されてきています。
①販売する接客スタッフがいないため、接客リスクがないこと。
②短時間で購入できることから、他の人(客)との接触リスクを低減できること。
新しい生活様式になっても、持続可能な「非対面型のビジネスモデル」を構築していることから、注目を浴びていると説明ができます。
■ポイント③ 24時間営業で販売ロスを低減
直近の緊急事態宣言の影響などから、飲食店においては時短営業を余儀なくされているケースが多々見受けられます。そういった制約の中で、飲食店が売上を作っていくのは非常に難しいと感じています。
無人販売所方式であれば、時短営業の制約を受けず、コンビニ方式で24時間営業が可能になってきます。
僕自身は元々24時間営業の有効性はあまり感じていないタイプでしたが、時短営業が行われるようになってから考えが変わってきました。新しい生活様式の中では、営業時間が最大化できるのはメリットに変わってくる、のではないかと思います。
■ポイント④ 創業昭和十五年、三代続いた老舗のブランド
ここまでビジネスモデル上のコスト構造の優位性や、コロナ禍においても有効な仕組みにフォーカスしてきました。
ただ、仕組みだけ良ければ、売れる…ということにはなりませんよね。
仕組みだけでなく、作り手の想いやストーリーを、消費者に上手に伝えているのが「餃子の雪松」のビジネスモデルのポイントだと考えます。
出典:餃子の雪松 HPより
僕自身も餃子の雪松の無人販売所が出来た時に、何度か上のキャッチコピーを見ている中で気になって買ってしまった、という経緯があります。
消費者へ自社のブランドをどのように認知させるか。参考になる部分がありますね。
■おわりに
今回の記事では、餃子の雪松のビジネスモデルをお伝えしてきました!
コロナ禍において、飲食店を経営している人は悩まれている人が多いかと思います。何かしらのヒントがあれば幸いです。
それではまた!
他のビジネスモデルの図解が知りたい人は、こちらも参考までに。
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