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【能登半島地震】被災で知ったこれだけやれば5日は死なない10の備え

支援業務と自分の生活再建のため書く時間が取れなくなっています。このためしばらくの間、@Nahomamamuu さんに校正や編集をお手伝いいただいています。ありがとう。

タイトルの写真は1月1日夜の輪島市三井公民館(避難所)です。電柱からの引込線を切ってガソリン発電機に接続し館内照明を確保。石油ストーブを持ち寄って暖を取り、眠れぬ一夜を過ごしました。


輪島市の三井の家で被災して3日ほど避難所で暮らしました。 避難所も最初の2日間くらいはすごい人口密度で、座って寝られればまだラッキーみたいな感じでした。
正月で帰省してきた人や旅行者もいて、食料も避難所にあるものだけでは全く足りず、それぞれが壊れた家から持ち寄って分け合いました。
道路は300mごとくらいにがけ崩れや、倒壊した家、電柱が倒れたりで全く通行不能、金沢と輪島を結ぶ幹線道路の経路にあるうちの集落ですら24時間は孤立した状態でした。
生き残るには家が壊れないだけではなく数日間の水と食料と燃料は必須です。

今回被災してあらためてわかったことを中心に、日ごろからやっておくべき備えを書いておきたいと思います。(順不同です)

1.車のガソリンは常に半分以上入れておく

はっきり言ってガソリン自動車最強です。ガソリンさえ入っていれば暖房冷房使えるし、発電はするし、 シート倒せば寝られます。
もちろん、道路啓開されたあとは被災地以外への避難にも使えます。

ガソリンが半分入っていれば、ケチケチ使えば、3〜4日は車中泊で過ごせます。 それ以上長くはエコノミークラス症候群になるのでやめたほうがいいと思いますが、救援物資と救援部隊が来るまでは最も優秀なシェルターです。
プラグインハイブリット車の方が使える電気が大きくて便利ですが、普通のガソリン自動車でも充分便利でした。(あ、うちのハイエースは軽油だった!)

2.災害用トイレの凝固剤を揃える

水がなくなると水洗トイレは使えません。いろんなところにある公衆トイレはあっという間にアレが山盛りになります。近づくことすらできません。

おまけに大災害では下水道も使えなくなります。運良く水を流せたとしても上に溢れます。山盛りよりさらに最悪です。

そこで、災害用の段ボールトイレや便器状の折りたたみ椅子の出番になりますが、 用事が終わった後、ゴミ袋を固く縛っても匂いは漏れるのです。
マンションとかだと置いておく場所もない。ですから溜まるにつれて大変なことになってきます。
都会のマンションだと、中世のパリのようにビルの窓から降ってくるんでしょうね。

それを防止しようと思うと凝固剤が必須です。凝固剤でしっかり固めてビニール袋で硬く閉じれば、匂いはかなり消すことができます。災害用トイレに凝固剤は必須です。

3.カセットコンロ常備で年に一度ガス交換

これはやっている人が多いと思いますが、ガスは大体止まります。
都市ガスだとほぼ止まります。 プロパンでも耐震装置が働いて止まる場合がありますし、 何より配管に漏れがある可能性があるので、うかつに火をつけないほうがいいです。

ですので、カセットコンロは一家に1台。ボンベは定期的に交換が必要ですから、1年に1度日を決めて鍋かバーベキューで消費しましょう。

4.水は常に2Lを1ダース(あと米があれば死なない)

手洗いやトイレに一切水を使わず、体に入る分だけ用意するとしても、人間は一日に2リットルくらいの水が必要です。

飲む分だけではなくドライフードや米を炊くにも使いますので一人一日最低2Lは用意しましょう。
あと米があればカセットコンロで炊いておけば、とりあえず1週間は死にません。

5.大きくて丈夫なダイニングテーブル

私も家が全壊しましたが、テーブルの下に隠れていたのでかすり傷1つなく助かりました。

もし家が倒壊したとしても、頑丈なダイニングテーブルの下に隠れていれば、梁の直撃でも受けない限りは助かります。
学校で地震になったら、机の下に隠れる行動を条件反射のようにトレーニングされますが、あれはめちゃくちゃ有効です。

大きくて丈夫なダイニングテーブルを買って、とにかくひどい揺れが来たら中に隠れましょう。

6.高齢者の寝室は耐震壁に

とは言っても、高齢者はなかなか動くことができません。
ですので、高齢者の寝室はぜひ耐震壁にしましょう。

今回は昼に地震が起こったので、倒壊家屋の数の割には、けが人や死者は少なかったのですが、夜だともっと大きな被害になっていたと思います。
高齢者に限らず、寝室は耐震壁にしておくほうが安心ですね。
家全体の耐震工事をするのが1番良いのですが最低でも500万くらいはかかってしまうので、命を守ると言う観点で行くなら寝室の耐震壁が良いかと思います。(建築士さんに相談してね)

7.ラジオ必須(カーラジオ可)

東日本の震災の時は、地震後3時間位は携帯基地局のバッテリーが生きていたため安否確認や情報収集にはスマホ最高!となりましたが、今回のような直撃だと基地局の鉄塔が倒れたり、崖崩れで流れてしまったりして、地震後すぐに完全に通信が途絶します。

そうなると情報収集できるのはもはやラジオだけです。 たとえ地元のアンテナが倒れても、夜になれば東京の放送が聞こえますので、中波ラジオ(AM)や短波ラジオが最強です。
情報が取れると言うよりも、ラジオ聞いてると孤立感が薄れてなんか安心するんですよね、という意味でも必ずほしい装備です。

ただ、今回の能登地震に関しては、地形上、日本の放送局より韓国語の放送ばっかり聞こえまして異国感がめっちゃ強かったです w

8.スマホ繋がらないときは諦めて切っておくこと

スマートフォンが1番バッテリーを消費するのは基地局に繋がっていなくて、基地局を探し回っている時です。
なのでアンテナが立っていない状態では、数時間でバッテリーが底をつきます。

繋がらない時は悪あがきせずに諦めて電源を切りましょう。そして数時間ごとに電源を入れて繋がってるかどうか確認するようにしましょう。
これで数日間は連絡を取る準備をすることができます。

9.普段から子供に緊急の電話番号は暗記させる

私の避難所では唯一ソフトバンクの3Gだけが半日程度繋げた状態でした。 しかし、3Gはネットは使えず通話のみです。
このため、私の電話を借りて安否確認をする人が何人もいらっしゃったんですが、 最近のスマホって電話帳に番号を記録してるので、他人の電話では連絡先がわからないんですよね。
それで断念された方もいらっしゃいました。

特に子供には緊急連絡先の電話番号は必ず暗記させときましょう。 もちろん大人も親兄弟、親戚の緊急連絡先は、ちゃんと暗記しておきましょうね。

10.  田舎は一家に一台石油ストーブ

都会のマンションでは、断熱性も高いので、毛布にくるまったり、キャンプ用のテントを部屋の中に展開すれば冬でも凍え死ぬことはありません。
しかし、田舎ではほんとに凍死します。

奥能登で今回人の命をつないだのは間違いなく石油ストーブです。 電気がなくても暖は取れるし、煮炊きもできます。水がなければ雪も溶かせます。(効率は悪いです)

もし石油ストーブがなかったら、震災関連死は今みたいな数ではすまなかったと思います。 地方の一軒家ではファンヒーターやエアコンを使ってる家でも、1台は石油ストーブを持っておきましょう。

大きな投資なしにできる防災をぜひ!

と言うことで、これだけ守れば救援が来るまでは生き延びることができると思います。
広域の災害では、3日ぐらい救援物資が何も来ない事態になることを今回は学びました。
東北、熊本、能登と、ここ10年間で3回位この規模の災害が起きています。
日本に住んでいる限り5日間は自分一人(もしくは自分の家族)で生き残れるようにしておきましょうね。

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