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映画興味なきひとりの翁の休日~ゴールデンウイークに伏せりつつ~

「僕、映画あまりみないんです。
しょせん、映画ってつくりものですよね」
推し3(50)がある日、自分のラジオでこう言い放った。

「え?50なのに映画あまりみてないの?」
「あの推し3の毎回のラストのキメゼリフ、あの映画からだよね?」
「てか推し3の会社映画館もってるよね?」

普通のラジオリスナーならそれを聞いて推し3を嫌いになるかもしれない。が!そこは映画館をもってる推し3の会社、老若男女が押さえておくべき映画を推し3に勧めるべく、リスナー(とパートナー)にネタバレ抜きで紹介させる番組企画を立ち上げた。

が、「タイタニック」は秘め事の吐息で車窓が曇る海難スペクタクル感動ファンタジー、「となりのトトロ」と思ったら自然つながりで「千と千尋の神隠し」の紹介を始めてしまう、「鬼滅の刃」はフォローで登場した別曜日の若手パートナーによる煉獄さんかっこいいアピール、「ホームアローン」は泥棒のおっさんのひとりがかっこいい、トランプさんもいるよ…リスナーが考えた真面目な紹介もネタな紹介も推し3に刺さる気配はまったくなかった。

そして、ゴールデンウイーク真っ只中の翌週、推し3は突然番組を休んだ。

その週の金曜日、推し3は戻ってきた。なんだかおかしい。
声も若干嗄れてるが、フリートークの合間に「ショーシャンクの空へ」という単語をちょいちょいいれる。不思議に思ったパートナーたちに、推し3はこう言った。

「僕、実は新型コロナにまたかかっちゃって、その時、ひとから勧められて録画してた、けど見てなかった映画を見てたの」

どうやら休養中に見たのは「ショーシャンクの空へ」と「ローマの休日」。推し3は「ローマの休日」のアン王女がだいぶ気に入ったらしく、先週、推し3に映画を紹介したリスナーのように、ネタバレしないように慎重に慎重に、アン王女のエピソードを推し3は紹介していた。

推し3は映画で楽しむというスキルを覚えた!
推し3の人生の楽しみが一つ増えた! 

推し3の成長を見届けた(聞き終えた、か)後、ネットサーフィンしていたら、ある記事を見つけた。

この「ローマの休日」リバイバル上映決定のニュースが5月4日正午に掲載、推し3がアン王女萌えトークをしたのは翌5日の午前中…ひよっとして推し3はそれを知ってこのトーク…とは考え過ぎか。

そういや、推し3が勤めてる会社って映画館持ってるって言ってたよな、そういや、あの名画「ひまわり」50周年4Kレストア版も公開してたっけ…あの映画館…。

今年の秋、推し3のラジオ番組企画で推し3含めた出演者と一緒に
「ローマの休日4Kレストア版をみんなで見よう!」
と映画館でやったりして…無いよな…無いよな…と妄想が膨らむ今日この頃である。

その流れに乗って書き手はこんな本を買ってしまった。これも推し活なのかなあ…あはは。

https://www.ascom-inc.jp/books/detail/978-4-7762-0908-9.html


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