Vol.184 はじめてのカンボジア
Suasday! (こんにちは)
カンボジアの首都、プノンペンでの滞在を終えてバンコクに戻って来ました。
いわゆる「初めて訪れる新興国」は久しぶり、コロナ前のヤンゴン(ミャンマー首都)訪問以来でしたので、旅前は期待と不安が入り混じっていましたが、素敵な街で人々の笑顔や優しさにも沢山触れ、とても思い出深い旅となりました。
プノンペン国際空港に到着し、ホテルまでは配車アプリのGrabで車を手配したところ、プリウスがやってきました。乗り込んで車窓を眺めていると、名物の可愛らしいトゥクトゥクはさておき、それ以外に走っている車は何故か圧倒的にプリウスが多い!交差点に停止中、前後左右皆んなプリウスと言う場面にも結構遭遇します。なんで..😆 と言う訳で、私のプノンペン着いての第一印象はプリウスですw
街の風景はと言うと、ヤンゴンを彷彿させながらも、少し15年前のバンコクのようでもあり、また古くは大学時代に訪れた中国本土(北京→西安→桂林→上海とぐるっと周りました)ぽくもあり、要はこう言う空気感を欲していたんだよな、と感慨に浸ります。
ホテルに到着。今回お世話になったのは、バンコクにもあるローズウッドホテル(Rosewood PhnomPenh )です。改めてレビューしますが、とにかく施設もホスピタリティも素晴らしいホテルでした。私がカンボジア大好きになって帰ってこられたのも、ホテルが貢献した部分は大きいように思います。最初から最後まで日本人を殆んど見かけませんでしたが、是非お勧めしたいです。
早朝便だったので昼前にはホテルに到着してしまいましたが、部屋へ案内してくれました。市内随一の高層ビルからの眺めは圧巻です。
初めての都市を訪れる場合、個人的にお勧めしたい点が2つあり
・高層階から街を見渡す
・街を歩く
これだけで、だいぶ街の感覚みたいなものが養われます。高層階から街を一望すると、ある程度の距離感や作りをイメージできるし、実際に歩けば車移動とは比較にならない情報量を得る事ができるからです。ヤンゴンの時も、街のど真ん中に聳え立つ新しいパンパシフィックホテルで移動もスムーズでした。今回は、近くのラッフルズホテルとハイアットで悩んだのですが、眺めの一番良いここを選んで大正解でした。
ところで面白い事に部屋の窓から真下を見下ろしても人っこ1人歩いていません。スリ&ひったくり、そして誘拐が多いからそれだけは注意するように皆から散々言われて来たのですが、それが原因なのか、それともただ暑いからなのか… バンコクっ子は昔と比べてだいぶ歩くようになってきましたが、ここはまだまだ近距離でもトゥクトゥクなどの利用が多いのでしょうか🤔
ところで皆さんはカンボジアにどのような印象をお持ちでしょうか?私は長いこと隣のタイで暮らしているのにこれまで訪れた事がなく、つまりは興味も特に湧かなかった訳で
・アンコールワット
・ポルポト
・中国の影響が強い
ざっくりこの程度の理解でした。ただ折角プノンペンに来たからには必ず今回訪れよう!と決めていた場所があり、まずはそこへ向かう事としました。その名は
トゥールスレン虐殺ミュージアム
2点目のポルポトが実権を握っていた時代に(正確な数字は明らかではありませんが)国民の3-4人に1人、知識人層も含めて片っ端から虐殺される惨劇が起きました。その拷問の舞台となった現場が、このミュージアムなのです。それも遠い昔の出来事ではなく、たった40-50年前の話です。今のカンボジアが(平均年齢の)若い国、貧しい国とよく形容されるのも、この惨劇に1つのルーツがあります。これは特定の環境下、つまりあの時代にこの場所だから起こった事なのか、それとも今の時代にも本質的に当てはまる話なのか、考えさせられます。
ただ、いかんせん暑い.. とにかく暑い… 早朝便で睡眠不足とは言え、タイで暮らす私でもバテる暑さで当時の生々しい様子が伝わってくる環境も相まって頭がボーッとしてきたので、あまりじっくり見ることはできず辞去しました。また改めて訪れたいと思います。
翌日は、ホテルのリモーク(トゥクトゥクのような乗り物)で市内の観光地をひと通り案内してくれるツアーがあり、それをお願いしました。素晴らしくエクスクルーシブなサービスです🛺 王宮、お寺、マーケット、そしてナショナル・ミュージアム。
入館するまで深く考えていませんでしたが、展示物を見てバンコクのそれより遥かに昔の仏像などが沢山並んでいる事に気づきます。そう、クメール帝国の地なのです。タイの歴史と言えば古くはスコータイやランナー王朝、そしてアユタヤ、トンブリで今のラマ王朝と言った感じで日本史に当てはめると鎌倉時代以降の像などが多い訳ですが、ここのミュージアムには6世紀頃のものも沢山置かれています。カンボジアの人々のプライドを感じると共に、どうして今はタイの大きな発展の影で貧しい国と言われるようになってしまったのか、改めて歴史の悲劇に思いを馳せます。
ただ、そんなカンボジアも外国資本の流入もあって急成長が進み、プノンペンでは至る所で開発が盛んです。特に最近はチャイナパワーの影響が大きいと聞いていたし、今は日本からの直行便もないので、日本にはあんまり馴染みがないのかなぁ、と予想していたのですが、この理解も大きく覆されます。例えば部屋から見えた2本の大きな橋、これについてトゥクトゥクで案内してくれているホテルのスタッフに訊ねると何と通称「ジャパンブリッジ」と呼ばれているのだそうです。そして街中を走るバスや清掃車?などにも日の丸ステッカーが貼ってあります。そう、日本の開発援助(ODA)に支えられてきた発展でもあるのです。何より、人々の私に接する姿勢にそれが顕著に表れています。たった数日の滞在で、日本が好き、日本人が好きと何度言われたことか。タイもいわゆる親日国ではあるものの、最近特にバンコクでは段々とその影響力に翳りが見られるのを痛感しているところですが、それとも対照的でした。因みに街を走る高級車も、バンコクと異なりレクサスが多かったです!
「国内の弱者を置き去りにして他国に援助ばかりして」「口は出さずに金ばかり出して」と言った論調は私が子供の頃からずっと聞いて来たので、日本の一部ではある程度根強い考え方なのだと思いますが、それを受ける人々は自分たちの命がかかっているので、その恩を忘れません。これは長い東南アジアでの滞在を通して私が何度も遭遇してきた場面からの実感です。寧ろそれが出来なくなった時こそ、本当に忘れられてしまう国に成り下がるのかも知れません。特にカンボジアは若い国で、いま活躍している人たちが直接、その「恩恵」にあずかってきている分、日本への感謝の思いが強いように感じました。ウクライナの人々も恐らく10年、20年単位で今、日本が差し伸べている経済的な貢献を覚えてくれているのではないでしょうか。他国への経済援助は、日本のプライドがかかっているように思います。
続いて日本と言えば、イオンモールも訪問しました。市内に何店舗かあるようで、私が訪れたのはSenSokと言う少しだけ郊外にある新しいイオンです。外観は正に日本のイオンそのもの😆 他方で店内は日本のイオンと、タイのセントラルデパートが合わさったようなイメージでしょうか。結構、広かったです。店舗内にパスポートセンターがあるようで、朝早くから行列が出来ていました。
このイオンで2つの中々驚く事象に遭遇します。まず、恐らく初めての経験だったのでしょう、年配の女性がエスカレーターに乗ろうとして全然うまく乗れません。近くのお店の方が出て来て、腕を組んであげてアシストし無事に着地していました(と言うか、降りる時のが迷ってられないから危ないね..💦)
もう一つはトイレ。皆さんがイメージされる、いわゆるイオンのトイレです。恐らくきっちり男女に入口が分かれて、中の方へ入っていって右折して初めて便器、それも見たこともない便器に出会ったものと思われます。めっちゃ団体でこっちでいいのか?とわちゃわちゃ相談&困惑しながら恐る恐る入っていきました。トイレの看板も色分けしてカンボジア語でも書いてあるじゃん?と最初思ったのですが、多分文字を読めないし色分けの意味が分からないんですよね… 当然、中で何が起こるかは容易に想像がつきます… この方々、どちらもパスポートを作りに来ていたんですね。つまり周辺の田舎から出て来て、多分イオンのような施設も何もかも初めてだったのだと思います。ホテルの窓から見渡すとトンレサップ川とメコン川を超えた向こうは、ほぼ大地!で太陽が昇り目が覚めました。恐らくそう言う場所からやって来たか。他方でバンコクにいても、よくトラックにぎゅうぎゅう詰めにされて帰宅の途につく外国人労働者を見かける訳ですが、多分こんな感じでこれから外国へ働きに出るのでしょうか。
食事はフランス植民地だった事も手伝ってか、どこもパンが美味しかったです。ホテルでの飲食以外では、フレンチビストロ「Le Manolis」やシンガポールの友人にお勧めされた台湾ビーフヌードル「門陣」、カンボジア料理「Malis」、ベトナム発祥日本人経営の人気店「Pizza 4P’s」、そして「丸亀製麺」などで食事しましたが、どこもアロし(delicious)。カフェもローカルで人気の「BrownCoffee」や「TUBE」「TEAM」そしてタイの「Amazon」もあり、個人店のコーヒーショップも沢山見つけたので、この辺りも全く問題なし。あまりにもプノンペンを気に入り過ぎて、早速ビザ関係を調べていますw
今回、シンガポール人の友人らから事前にに色々アドバイスをもらってきたのですが、彼らの周りでブティック型のホテルや商業ビルを建てている人らも多いらしく、実際に来てみて彼らの気持ちを理解できたように思います。
歴史という縦軸、そして急速な開発が進むプノンペン中心部と、そこから見渡す周縁部に広がる大地のギャップに象徴される横軸。この国がこれからどこへ向かうのか、新たな好奇心が芽生えました。定期的に定点観測したい場所が一つ増えたのが一番のお土産です。
Au kun! (ありがとう)
<<<おまけ>>>
バンコクからプノンペンまでの飛行時間は1時間弱であっという間です。今回、これも初めてのBangkok Airwaysを利用しました。地域のboutique airlineを謳うタイの航空会社で、サービスには定評があります。そもそもビジネスクラスの設定がなく、エコノミークラスに乗るのも実に久しぶりだったし、エコノミークラスでタイランドエリートを利用するのもこれまた初めてだったので、それも含めて中々面白かったです。
今回判明したのは、例えエコノミーでもエリート会員はイミグレでファストトラックを利用できるのと、スワンナプーム空港のミラクルファーストのラウンジも利用できるそうです。他方でBangkok Airwaysは、乗客全員が利用できるラウンジを空港内に用意しています。
*******Disclaimer*******
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