見出し画像

ブタにワコール#70

下着を買った。

下着専門店で、下着を買ったのは実に、5年ぶりとなる。

6年間妊婦や産後の授乳を繰り返し、ながらくまともな下着をつける間もなく、時は過ぎ去った。

私は、もう40歳が見えるところに来ていて、

PEACH JOHNで勝負下着でも買うか」

みたいな年齢ではないことだけはわかっていた。

私は、美人なママ友の先輩にきいた。

「下着ってどこで買ってますか?どこで買っていいかわかんなくて、ワコール行こうとおもってるんですけど」

先輩は静かに言った。

「私も、とりあえずワコール行ったわ。そして、今は、ユニクロつけてる」

と。

アラフォーあるあるなの。人生ステータスもサイズも変わりまくっているだろうから、とりあえず私もワコールに行くことにした。

本当は、産前まで体重を落としてから行きたかった。しかし、2人目まで落ちていた体重が、下の子がもう2歳になるのに、減らない。

現在、私の手持ちの下着はほぼ、死んでいた。

早急に、あたらしい、まともな下着が必要となっている。

サイトでワコールの場所を確認すると10分で行ける。

値段を確認しても、4000円台の安いものもありそうだ。

早速、私は町へ繰り出した。

現在は手での測定と3D測定ができる。

私はより正確なものをもとめ、3Dでの測定に進んだ。

測定の関係上、両手をグーにして、左右からだから少し離して撮影する。

測定した黒いシルエットのポーズは、地面に立っているアンパンマンの様で面白かった。人に見せられるものでは、ない。

測定をもとに、購入可能なブラを並べてもらった。好みのがない。

値札は最低価格8000円以上。1着の購入で終わるものではない。

私の頭は、軽くフリーズしながら試着に入った。

試着段階で、サイズを調整し、デザインも、サイズもピッタリのものを見つけた。

2着で、会計をしたら14000円だった。

今まで勝負下着のセットですら、そこまで高かったことはない。

頭の中を、駆け巡るのは

「サイズ測定して1着購入したら他のサイズはもっと安い店舗で買ってもいいんじゃないか。否、他にどこに行けばいいのか、私にはわからない。そして、ここは天下のワコール様だ。間違いないはず。でも、予算をスキップで越えているのも事実。わからない、私には、何が正解かわからない。でも2着を使いまわすのは生地が傷むのでお勧めしないと言われている。え?手洗い?どうやってやるんですか?タオルドライ?初めて聞いた用語。本当にそれで臭くならないの?もう何が何かわからない」

結局は私はもう1着取り置きをお願いして、ブタにワコールという言葉が頭に浮かんだまま、店を出た。

働こう。ちゃんと生きるために。いいものを選ぼう。ちゃんと生きるために。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?