グラフィティのある町 その3
僕の町にはグラフィティがあふれている。
作家が誰なのかわからないが、通りを歩きながら絵のタッチから作者を想像するのが楽しみになっている。ある日作者が描いているところに遭遇した。この人はフィルワールという署名を残している。イラストレーターでBDやイラストを描くのが本職だという。彼の描く絵を見て他の場所で見た覚えがあった。描かれる柔らかいカラフルな生物たちは、この優しそうな作者にピッタリですっかり気に入った。
バンクシーのような社会問題をテーマに意識改革を訴える作者もいれば、このように人を優しく包むような作家がいても良い。意味不明なタグを描き散らかしている作者には閉口する。何の感動も呼び起こさないからだろう。