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【読書メモ】誰かと何かをはじめる人へ。はじめの一歩を踏み出そう

本も人も、出会いには意味がある。

読書会で勧められて読んでみました。

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

概要部分を引用しますね。

米国では毎年百万人以上の人たちが会社を立ち上げる一方、1年目に40%、5年目で80%以上が姿を消しているという。その多くは「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」という誤った仮定で事業を始めるからだ。実際には専門的な仕事をこなすことと、事業を経営することは全く別の問題だ。

日本語版の初版は2003年。

著者はアメリカ人なので、米国の話が中心ですが、日本にもかなりの部分応用できる内容だと思います。

妙に納得してしまったのは、起業するほとんどの人が「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」と考えているという指摘。

実際、こう思っている人ってすごく多いと思っていて。。

著者はこの本の中で起業する人を3つのタイプに分類しています。

・職人型
・起業型
・マネジメント型

誰もがこの3つの性質を持ち合わせているものの、それぞれが相反するタイプなのがやっかいなところ。

そして著者によると、起業する人の7割は、好きなことをやっていれば幸せを感じられる職人型タイプだと書いていました(例:パンを作るのが好きだから、パン屋さんになる)。

この本のエッセンスを無理やり2つにまとめると、次のように集約できるかと思います。

・事業には特定分野の知識やスキルは必要だが、それだけでは十分ではない
・個人の能力に依存しない組織を作ろう

経営には帳簿をつけたり、ほかの人を巻き込んだり、人を管理したり、5年・10年先の目標設定や組織戦略、人材戦略を描くことは欠かせません。

さらに「自分より優秀な人を雇って、その人に責任を委任するのは放棄するのと同じ。…もし、あなたが、なにか一つのことしかしたくない。と考えるなら、起業するべきではない。会社員をしていた方がよいだろう」ともあって、なかなか手厳しい。。

おもしろかったのは、マクドナルドがスモールビジネスの成功事例として紹介されていたことです。

マクドナルドが優れていたのは、商品やサービスそのものではなく、誰がやっても一定水準以上の結果が得られる仕事のマニュアル化にあったそう。

マニュアル化というと非人間的なもの、クリエイティブの対局にあるもの、みたいなイメージがありますが、著者の主張はそうではありません。

私達の人生には、目的や人間らしさが欠けているのではないだろうか?挑戦する価値のあるゲームを見失っているのではないだろうか?

むしろ、事業は「あなたが望む人生の目標」から考えるべきだと。

次に考えたいのは「その事業は十分なお金を得られるか」「消費者の不満を解消できるか」という、戦略的目標の設定です。

それ以降には次のようなステップがあります。

・組織戦略:仕事の役割分担を明確にする。組織図を作る。
・マネジメント戦略:システムが顧客を満足させることを理解し、業務マニュアルを作る。
・人材戦略:「思い通りに従業員に働いてもらうには?」という発想から「働く方が自分のためになる」と思える仕組みを作る。
・マーケティング戦略:顧客の言葉を学ぶ。
・システム戦略:モノ、行動、アイディア、情報を統合する。

ここまで読んだ人の中には、そんな大それたことをする必要があるの?と思ってしまうかもしれません。

けれど、この本を読むと2人以上いたら「運営」を考えていくことってとても大事なことなんだな、と感じるはずです。

自分が挑戦する価値のあるゲーム(=事業)をプレイしつつ、どうやって個人の能力に依存しない体制をつくるか。

きっとこの本を勧めてくださった方は、自分でできることから仕事の範囲を広げようとしているいまのわたしに役立つのでは。そう思ってくれたのだと思います。

人との出会いも、本との出会いも、必要なときに出会うものなんですね^^

すでに起業している人だけでなく、誰かと何かをはじめる人にも一読をおすすめしたい本です。


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