サクラサク・チル
桜の季節は、人との別れと出会いがあり、それは、区立保育園に通う子供たちも同じ。公務員である保育士の先生方の異動が発表され、子供よりも親の私たちがドキドキしてしまう。
0才クラスから通っている娘の成長をずっと見守ってくださった先生の転出に、子供以上に動揺したり、泣きそうになってしまう。卒園までいてほしかった。子供たちを見送ってほしかった。
今年度、年中となる4才の娘は、大好きな先生と会えなくなることをなんとなく理解してはいるものの、どうも腑に落ちない様子。なんで先生がいなくなってしまうのか、どうして異動しないといけないのか、理由は分からない、でも、今日でもう会えなってしまう、そんな風に受け止めている。
「えーっ。私はパパ、ママがいてくれればいいから」
「他の先生もいるし、大丈夫だもん」
明らかに動揺した笑顔で、天井を見ながら、無理に大丈夫と強がる娘に
「悲しい時や寂しい時は、泣いていいんだよ」と思わず伝える。
「えー、でも...。」
長女でしっかり者の娘は、5月生まれで背も高い娘は、クラスでも「私は、お姉ちゃんだ」とのプライドもあり、外で弱いところを見せられない。
保育園ではしっかりものでいたい。大好きな先生たちに、弱いところとか、ダメなところは見られたくない。だって、私は、お姉ちゃんだもん。
前日、一生懸命書いたお手紙を渡し、最後に、たくさんたくさんハグしてもらい、園の外で写真を一緒にとる。
「芋掘り遠足、約束守れなかった。ごめん。あんなに赤ちゃんだったのに」「次に会うときは、もっと大きくなって、ハプニングで抜けてしまった前歯もきっと大人の歯が生えているね」
そんな言葉をもらい、そして、笑顔でさようなら。
そんな姿に、私がウルウル。
あぁ、サクラサク・チル。
子供たちにまた素敵な出会いがありますように。
Nolla