【雑誌】Discover Japan 「ニッポンブランドの秘密」|2017.4号
Discover Japan
「ニッポンブランドの秘密」
2017.4号
一年前の本なんですが、今読んでも読み応えのある永久保存版とも言える良書です。
日本ブランドで世界からも認められている企業のブランディングを紹介しているのですが、老舗が世界に向けて、また時代にどう合わせていったかなどといった話は、今の時代にとても勉強になります。
特に興味深い特集はP38「元エルメス副社長 斎藤峰明さんが語る、ニッポンのブランドが世界へはばたくためのブランディング術」
エルメスはフランスのブランドですが、そこが日本支社として立ち上げた"エルメスジャポン" の副社長をされていた方のお話。
その特集の中で私がもっとも印象に残った部分を一部抜粋。
「優雅にお茶を飲みたいからティーカップが生まれたように、ものは生活様式の中で生まれて来るもの。洗礼された生活をする人がいればいるほど、よいものが生まれてくるんです。」
今の日本に、昔の日本人のような洗礼された生活をしている人がどれほどいるだろうか、と考えさせられてしまいます。
私のお客様で、床の間という存在の重要性を教えてくださった方がいます。
その方は、本職は襖などを作っていて、和紙を使った壁紙などインテリアコーディネイトをされているのですが、日本の家からなくなりつつある" 床の間" の必要性を訴えて、日本の家に再び床の間を作ろうとされています。
床の間の必要性。日本はモノではなく空間美の文化。
床の間というのは、座敷の上座のことで、元はお殿様などが座られていたところになります。それが時代とともに、座敷飾りのスペースになり、掛け軸や生け花を飾って、その空間を楽しむ場所になりました。
生け花も掛け軸も、それそのものにも価値はありますが、それらを合わせた空間美に日本人は心を癒されてきました。
その美しい場所で一句読んだり、一息ついたりして日本人は感性や英気を養ってきたんだそうです。
そういう背景があるからこそ、再び取り戻す価値がありますし、そういう話を聞けば「なるほど、床の間というのもいいもんだな」と、その価値が伝わり、需要が生まれる。
ブランディングとは、本来こういった感じで自然に発生するものなんですね。
伝統工芸品はなぜ受け継がれているが、その背景を語る
伝統工芸だったり老舗のお店で、受け継いで何代目かになると、正直なぜ受け継がれていて、それがどういいかを語れる方が少ないことがあります。
代々受け継がれてきて、長く愛されてきたのにはそれなりの理由があるのですが、いつしかそこの部分だけ先代から受け継がれず、それを作ることの難しさだったり希少性に目が行きがちになってしまうんですね。
しかし、利用する人からしたら、そういったことはあまり関係がなく、利用する側が知りたいだったりほしいのは、それを自分の生活に取り入れることで起こる変化なんですね。
マーケティング用語でいうところのベネフィットになりますが、こういうマーケティングでなんとかするのはあまり好きではないですね。
先ほども言ったように、ブランディングは本来自然に発生するものだと思うのですが、今のマーケティングだったりメディアというのは統計に囚われ過ぎな気がしています。
インフルエンサーなんかもそうですね。
インフルエンサーとは世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のことをいうのですが、タレントさんとかもそうですし、今だとツイッターやInstagramのフォロワー数が多い人もそれにあたります。こういった人たちが「いい」と言えばいいもの、みたいなことですね。
愚直に、まずは身近な人に「これいいんだよ」って伝えていき、自然に広がって行くことが、本来はいいはずなんです。
最後に
今回ご紹介した雑誌は、こんな感じの自然なブランディングができている企業を紹介している雑誌なので、無理にブランディングしようとしてうまくいかないと悩んでいる方は、ご参考にされたらいいかと思います。
Kindle Unlimitedを契約されている方は無料で読めるみたいですよ〜。
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Discover Japan(ディスカバージャパン) 2017年 04 月号 [雑誌]