📘️ Book Club：UXとストーリーテリング。デザインを提供する上で重要な役割を果たすストーリーテリングとは？

noko

2022年5月11日 11:18

ストーリーテリングとは、伝えたいコンセプトを想起させる印象的なエピソード、または体験談を引用することによって、聞き手により強い印象付ける手法のことです。

デザインにおいて、私たちは優れたストーリーテラーである必要があると言われています。ストーリーテリングはUXデザインとデザイン思考のプロセスの中で大きな役割を担います。

今回はデザイン・プロセスでのストーリーの使用について調べてみました。

デザイナーにとってのストーリーテリング

デザイナーにとってのストーリーテリングは実際には何を意味し、さらに重要なことに、それはデザインの文脈で何を意味するのでしょうか？

ユーザー・エクスペリエンス・デザインでは、デザイン・プロセス全体でストーリーテリングを使用して、すべての作業がユーザーのニーズとユーザーに提供したい価値に焦点を合わせていることを確認することが大切です。

デザイン上では、ペルソナはキャラクターになり、ユーザーフローは物語の構造を取ります。

ストーリーは共感を育み、ユーザーのニーズと問題点を記憶に残るものにします。効果的なストーリーは、ユーザーの言葉を話し、データに根ざし、説得力のあるアーティファクトを活用します。またストーリーは、チェックリストの代わりに使用できるコミュニケーションツールです。それらは、行動、視点、態度を共有するための自然で魅力的な方法を提供します。

IdeoのCEO、Tim Brown氏は、デザイン思考のプロジェクトを改善するためにストーリーを使うよう勧めています。

デザインを改善するのに役立つストーリーテリング

ユーザビリティ・テストでタスクを作成したり、リサーチから得た洞察を伝えたり、デザインのアイデアを伝えたい場合は、プロセスですでにストーリーを使用しています。

このコミュニケーション方法は、説得や行動を促すための準備を整え、最終的には手元のデザインを改善するのに役立ちます。

ストーリーテリングの利点

ストーリーは、難しい概念を説明するのに役立ちます。
追加のコンテキストを与えることは、私たちのユーザーが概念とつながるのに役立ちます。これは行動、感情、反応、動機、または目標の形をとることができます。
フローチャートなどとは異なり、物語はユーザーの行動の背後にある理由を理解することを可能にします。
ストーリーは想像力を刺激し、新しいアイデアを生み出します。
ユーザーが望むもののすべての詳細を説明するのではなく、ユーザーにソリューションを想像する自由を与えます。
ストーリーは、私たちが共通の理解を形成することを可能にします。
製品の構築方法を考えるには、通常、機能リストとバックログが含まれますが、ストーリーは、ユーザーの問題点と目標を会話の最前線にもたらし、チームが製品や機能を構築する理由とそれが誰に利益をもたらすかについての共有言語を作成するのに役立ちます。これらのストーリーは、製品のビジョンを取り巻くために使用することもでき、その製品で人生がどのように良くなるかについてのイメージを描きます。

説得力のあるストーリーテリングの6つのルール

オーディエンスに合わせて語彙を調整しよう
チームメンバー、利害関係者、クライアント、サード・パーティ・パートナーなど、ストーリーを語られているすべての人を指します。
物語を語るときの私たちの目標は、オーディエンスの共感を呼ぶことです。オーディエンスに合わせて語彙を調節し、これらの単語をストーリーに組み込んで、視聴者がストーリーに参加できるようにします。
視聴者のニーズにアピール
オーディエンスの用語を理解するとともに、オーディエンスメンバーが何を気にかけているのかを知る必要があります。
製品がいくらかかるかだけに興味がありますか？
厳格なタイムラインを持っていますか？
これらはあなたがあなたの話をするときに彼らの心を駆け巡るであろう懸念です、それであなたは彼らをできるだけ早く和らげたいでしょう。
オーディエンスをペルソナと考えてください。つまり、この会議に参加するときの彼らのニーズとフラストレーションを理解してください。部屋にいる各タイプの人のそれぞれのニーズと欲求不満にどのように触れますか？
実際のデータでポイントをバックアップ
説得力のある話は、物語を裏付ける確かな事実がなければ何もありません。データを使用して回答をバックアップしましょう。たとえば、最近のユーザビリティテストで、購入プロセスについて否定的なフィードバックがあった場合、ユーザーがワークフローをつまずいたのをどのように目撃したかを物語ることができます。ユーザビリティ・テストからの実際の引用を使用して、ユーザーがタスクをどのように完了したかを視聴者に示します。
インターフェースの内外を問わず、オムニチャネルエクスペリエンス全体に焦点を当てよう
ユーザーは、アプリケーション内にのみ存在するわけではありません。
彼らはどこでそれを使用しますか？使用状況を考慮してください。
ユーザーが製品を使用する前、後、および使用中に、ユーザーは何をしますか？何が彼らの気を散らすのでしょうか？これらの要素を理解することは、視聴者がユーザーが経験していることに共感するのに役立ちます。
アーティファクトと組み合わせて、記憶力と整合性を確保します
ストーリーボード、ペルソナ、ジャーニーマップ、および調査レポートは、ストーリーが後で取り上げられるときに参照できる具体的なものを視聴者に提供し、特定の詳細を思い出すのに役立ちます。
たとえば、ストーリーとジャーニーマップを組み合わせることで、ユーザーのジャーニーの各ステップについて話し合うときに、視聴者が全体的なユーザー満足度を評価できます。または、ストーリーボードを表示しながらストーリーを伝えることで、視聴者はユーザーの環境を確認できます。
要約をフォローアップ
ストーリーや会議を簡単なメールやその他のコミュニケーションで要約して、さらに思い出深いものにします。
その話に基づいて決定が下された場合は、何が決定されたのか、そしてその理由を含めてください。

仕事でのストーリーテリングの使用

説得力のある調査レポートを通じてストーリーを伝えます。関連するケーススタディ、チャート、およびユーザビリティテストの写真を画像に組み込んで、視聴者に言葉を超えたつながりを与えることができます。

調査レポートを作成するときは、ストーリーを、視覚的な表現としてストーリーボードまたはジャーニーマップを含めてください。視聴者が名前に顔を向けられるように、彼の写真やイラストを含めることを検討してください。

まとめ

ストーリーテリングは、視聴者がユーザーの立場に立つのに役立ちます。この観点から考えるとき、彼らはビジネスに加えてユーザーに利益をもたらす決定をするためのより多くの情報を持っています。

私も色々勉強中なので、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。

［参考資料］

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